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フロントのスペアタイヤが唯一無二のトレードマーク
三菱デリカと言えば15年に渡って販売されている現行モデルのD:5が著名な存在だが、実は初代モデルから5世代目まで半世紀以上に渡って生産され続けるロングセラーモデルである。初代に相当するデリカライトバンは1969年デビューとされ、1979年にはフルモデルチェンジを経て2代目となった。ここで登場しているKOUさんのデリカは1986年登場の3代目にあたるモデルで、標準とロングの異なるホイールベースをラインアップ。なんと2022年の現代においても台湾三菱では働く自動車として派生モデルが生産され続けているという。
ちなみに以降の4代目は1994年に登場するパジェロベースのスペースギアとなり、長寿を全うした後に2007年登場のD:5へとバトンタッチされた。
そんなKOUさんが溺愛する3代目のデリカだが、フロントノーズにスペアタイヤを架装したモデルは現実には存在し得ない。実はこの車両、クルマ業界のツウ好みなセレクトショップとして知られる札幌「BE TRADE」が仕込んだコンプリート車両がベース。同店がこれまで手がけてきた3代目デリカは2代目デリカのフロントスペアタイヤ付きスターワゴンをモチーフ(ウィキペディアに1枚だけ写真あり)としており、そこから着想を得たフロントスペアタイヤをオリジナルのラックステーを介して実現しているのだ。
ちなみにKOUさんデリカのフロントにしつらえたスペアタイヤではあるが、その存在を主張するために実は一回り大きなサイズが組み込まれている。要するに走行用タイヤとは異なるサイズの為、実際にパンクしてしまってもスペアとして利用することは出来ないのでありました。この辺りの見た目バンチョー的な割り切り具合、キライじゃあございません。
また、さり気なくフロントドアに貼られた「L300」のバッジは、デリカが海外で販売される時に名乗っていたモデル名。歴代デリカをリスペクトするが故の心遣いが、そこかしこに溢れ出ているのであります。
【Instagram】@delicatodelica
でっかい道をマイペースで走るにはぴったり!!
実はKOUさんがデリカを気にし始めたのは、実家の古い写真を見て奥さまのお父さんがスターワゴン乗りだったことを知ったのがキッカケだった。道具感まる出しの四角いクルマに荷物を満載させたスタイルは、たとえ色褪せた写真でもあっても輝いて見えたのだ。
そんな経緯もあって2世代にわたってデリカ乗りとなったKOU一家。現在の愛車スターワゴンは自然吸気の2.5Lディーゼルエンジン搭載車で最高出力も76馬力と控え目だけど、動力性能に不満などは一切なく、トラックドライバーよろしくステアリングをねじ伏せるようなドライビングポジションを含めてお気に入りとのこと。車体そのものは1992年製で今年が満30歳、走行8万キロ程度の上物とはいえリビルトパーツが高く付くのが玉にキズとのこと。
ちなみに車両購入後、中村さんが手がけた最大のカスタムポイントはルーフに設置したトラックポジションマーカー。とは言え、実際に点灯させるには屋根に穴を開けての配線作業が必要になることを知り、「そこまでするのも何だよなぁ」とお飾り状態が続いているのだ。
また、毎週末のようにアウトドアへ出かけるだけにテントを張るだけでなく、車中泊してみたり、ルーフにテントを設営してみたりと目先の変化にも一苦労。そんななか子供たちのハートに刺さったのが、アウトドアで綱渡りを楽しむスラックラインを用いた遊びの数々。取材当日はキャンプ場に根を下ろした巨木とデリカのルーフキャリアを結んでのブランコ遊びに大盛り上がり。加えて近ごろ入手したというとっておきのWIWO製テントは、日本国内では品薄ということもあって行く先々のオートキャンプ場で注目の的に。なにせドーム型テントを展開するとデリカを優に超えるサイズ感で、内部も大人が立って歩き回れる余裕の室内高を誇るもの。今冬は雪中キャンプも例年以上に盛り上がりそうですね。
SPECIFICATIONS
●MODELS:ミツビシ・デリカスターワゴン(平成4年)
●WHEEL:40ランクル輸出用モデル用(15×8.0J+17)
●TIRE:BFグッドリッチ・オールテレーンT/A KO2(30×9.5JR15)
●EXTERIOR:フロントスペアタイヤ、トラックポジションマーカー、ルーフラック、ステップ一体リアバー
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[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]