椿本チエイン:高速なモーターに対応するチェーンを開発せよ[人とくるまのテクノロジー展 2022 NAGOYA]

モーターの減速機にチェーンを使う。考えてみるとなぜこれまで実現しなかったのかが不思議だが、成立させるためには高速対応が必要だった。

モーターの減速機構にはギヤが使われることが大半だが、これをチェーン+スプロケットに置き換えることを提案しているのが椿本チエイン。ギヤに比べてノイズを抑えられることに加え、軸間距離が長いときのレイアウト自由度にも富むのがメリット。伝達効率もギヤより高いとのことで、ただし「チェーン屋の言い分です」とエンジニア氏は笑いながら説明してくれた。

では、なぜそのようなメリットがありながら減速機にチェーンが使われてこなかったかというと、高速対応ができていなかったため。椿本チエインは、トランスファなどに用いる製品ピッチよりもさらに小さい8mmピッチ品を開発し、さらに2本軸とすることで磨耗に強い構造とした。

上が開発品の8mmピッチ版、下はトランスファに用いる9.525mmピッチ版。
軸構成のモデル。2本構造とすることでストレスを分散、偏磨耗に強い製品とすることができた。
デュアルドライブユニットとして適用した例。減速比は4.05:1で、最小巻き掛け角(ドライブスプロケットにおける入射/放出角度)は120度程度としている。

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