パイオニア、イチネン、パナソニックが「EVトータルマネジメント」の実現に向けて3社共同で実証実験を開始

パイオニア、イチネン、パナソニックがEVトータルマネジメントの実現に向けた実証実験を開始したことを発表した。 EV導入時のサポートから導入後の安定した電力供給・運用まで、EV利用時の不安を解消するEVトータルマネジメントソリューションの開発・提供により、企業や自治体などのEV導入を支援し普及推進を目的としている。

実証実験の概要

今回の実証実験では、具体的にはイチネンテレマティクス(ドライブレコーダーなどの車載機器に通信システムを搭載することで、リアルタイムに車両の走行状況などのデータを確認・管理できるシステ無)や本実証実験用のスマホアプリから取得する車両・走行データを、パイオニアのルート最適化技術とエネルギー効率推定技術(燃費/電力消費率)を活用したクラウドプラットフォーム「Piomatix for Green」と組み合わせ稼働。EVの最適導入台数の算出やエネルギーコストの比較、CO2排出量の見える化などのフリートマネジメントを行なうEV導入シミュレーションサービスが構築される。

さらに、EV充電における電力量やタイミングの最適化を行なうパナソニックのEV充電インフラソリューション「Charge-ment(チャージメント)」を活用し、電力設備コストや電気料金の抑制、EVの充電切れリスクの回避など、EV導入後の運用までサポートするEVトータルマネジメントソリューションとして、EVの導入を検討している企業や自治体を対象に提供する予定とされている。

本実証実験は、2022年11月より、自動車リース・メンテナンスを提供するイチネンの営業車両を使用して開始された。今後イチネンの法人顧客に対しても本実証への参画を呼び掛け、追加機能の拡充も視野に入れながらサービスの早期実用化が目指される。カーボンニュートラルの実現に向けて脱炭素化への取り組みが推進される中、本実証実験を通じて、EVトータルマネジメントソリューションを構築、提供することで、EVの普及促進を支援していく。

 

各社の役割

パイオニア
収集した車両・プローブデータと独自のプラットフォーム「Piomatix for Green」を活用し、EVの最適導入台数の算出やエネルギーコスト比較、CO2排出量の見える化などが行えるEV導入シミュレーションサービスを構築する。

<「Piomatix for Green」とは>

パイオニアのモビリティAIプラットフォーム「Piomatix(パイオマティクス)」と燃費・電力消費率推定技術、ルート探索技術を組み合わせ、環境課題解決に繋がるソリューションを提供するクラウドプラットフォーム。顧客のニーズや用途に合わせたCO2排出削減サービスの提案が可能。

イチネン
自動車リース・メンテナンスを提供する車両管理会社として蓄積してきたノウハウや車両の分析データをEVトータルマネジメントソリューションの開発に活用するとともに、顧客のEV化ニーズにワンストップでサポートする体制を構築する。イチネングループの自動車リース会社であるイチネンTDリース、野村オートリース株式会社の法人顧客に対しても、本実証実験への参画を積極推進する。

パナソニック
複数台のEV導入を検討されている企業や自治体などに対してEV充電器の導入・運用をサポートするサービスであるEV充電インフラソリューション「チャージメント」を、本実証向けに提供する。

<「チャージメント」の特長>

  • EV充電設備の導入相談から、設備設置、導入後の運用管理までワンストップでサポート
  • お客様のEV充電の利用状況に合わせた充電コントロールで、電力コストを最小化
  • 充電の状態・実績やCO2削減量の見える化により、管理業務の負担を軽減

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