再生可能エネルギー由来の電力によるエコで安全なバス停で町づくりに貢献
「N³ エヌキューブ」は小型風車や太陽光パネル、蓄電池をコンテナに格納した移動型独立電源で風力や太陽光により発電した電力を活用できるほか、コンテナ内部をカスタマイズしてさまざまな機器を取り付けられ、再生可能エネルギー由来の電力で稼働可能な施設としてさまざまな用途で活用できる。
今回、吉田町にバス停の待合室として設置された「N3 エヌキューブ」は、室内にベンチやテーブル、エアコン、換気扇、LED照明、Wi-Fi機器、コンセントのほか24時間体制で稼働する防犯カメラが取り付けられており、各種機器の稼働に必要な電力はすべて「N3 エヌキューブ」による電力で賄われる。同町は、誰もが気兼ねなく出かけられる町づくりを目指して、町内の公共交通機関の整備に取り組んでおり、「N3 エヌキューブ」を活用して再生可能エネルギー由来の電力で稼働するエコで安全なバス停を整備できることから、今回、町内の1カ所にバス停の待合室として設置された。
駿河湾に面する同町は津波や災害に強い町づくりも推進しており、2022年5月に災害時の水防活動と救護活動の拠点および災害支援物資の備蓄・保管などを目的とした水防センターが町内の沿岸部に設置され、同施設の電力の発電装置として「N3 エヌキューブ」が採用されている。水防センターとバス停の待合室として採用された「N3 エヌキューブ」は、町内で局所的な停電が発生した際にはトラックで運搬され、電力を供給することも想定されている。
これらのほかにも「N3 エヌキューブ」はさまざまな用途における活用が可能で、温度管理が可能な防災倉庫や、処理槽付きの循環式水洗トイレを取り付けたエコトイレとしても採用されている。エコトイレについては、トイレに使用される水は処理槽でろ過され再生水として循環し、外部への排水がない環境性に加えて、電気や上下水道などのインフラが整っていない場所でも設置可能な点が評価され、2022年4月に三重県桑名市の多度山上公園に設置されたほか、2023年3月には三重県松阪市の三峰山の登山口にも新たに設置された。