明電舎、「IoTによるモーターの解析・遠隔監視システム」を三井住友海上火災保険から初受注

明電舎は、IoTによるモーターの解析・遠隔監視システム(以下同システム)のサブスクリプションサービス販売を開始したが、今回、初の受注案件として、三井住友海上火災保険(以下、三井住友海上)向け冷却水循環ポンプに用いられる遠隔監視システムを受注したことを発表した。同システムは、明電舎もマイノリティ出資をしているポーランドのスタートアップ企業であるElmodis Sp. z o.o.との協業によるもので、同社が欧米のポンプ設備向けに展開している解析・遠隔監視技術を活用し、明電舎のモーター事業のノウハウを融合させることで日本向けにカスタマイズした新サービスとなる。

遠隔監視システム受注の背景

このシステムは「設備の解析」と「CO₂・エネルギーマネジメント」の両方の機能を組み合わせた特長的なサービスだ。モーター電流・電圧の電気信号、モーター及び機械の振動、各種プロセスデータを監視し、設備の健全度を数値化できることが特長となっている。また、三相の電流・電圧を監視しているため、単相(一相)電流のみを監視するシステムと比較し、より正確に消費電力量・CO₂排出量をリアルタイムでモニタリングするとともに、機械効率の良い運転条件をアナウンスし、同条件下で運転した場合の消費電力量・CO₂排出量削減効果をシミュレーションできる。明電舎は製品納入後もお客様設備の運用効率の最適化やCO₂排出量計算などを実現する解析・遠隔監視サービスをサブスクリプションにて提供する。

近年、企業活動における環境負荷低減のニーズが高まっており、CO₂排出量削減及びエネルギー有効活用の関連技術が注目されている。納入先である三井住友海上の駿河台新館は、太陽光発電の導入や省エネルギー配慮設計により、国内有数の環境配慮型建築と評価されているが、環境経営のさらなる推進を目指し、同システムの導入が決定された。

評価された機能・サービス

① モーター1 台単位での電力量・CO₂出量の「過去」・「現在」・「未来」にわたる見える化。

計測している機器の総電力量のトレンド。
過去のトレンドから今後の電力量推移を予想し表示可能。
計測している機器別の電力量のトレンド。
どの機器がどのくらい電力を消費しているかを表現。

② ポンプの効率曲線と計測データの差を分析することによる効率的な運転ポイントのアナウンス。

ポンプの圧力ー流量カーブの設計値を表現し、その上に実測値をプロット。ポンプの最高効率運転点と実測値の差を見える化することで、非効率な運転をアナウンス。

③ 設備健全度の数値化。

あらかじめ設定した閾値(危険レベル)と比較することで、
現状のポンプとモーターがどの程度の健全度かを見える化。

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