建物-クルマ間の双方向送電機能を共同研究
バッテリーEV(BEV)を所有するうえで、所有者のニーズ、充電習慣、車両の使用頻度を理解することは、米国トヨタがV2G(ヴィークル・トゥ・グリッド)の普及を促進する上で極めて重要なマイルストーンである。現在、米国のBEV所有者の80%近くが、自宅で電気を使用する頻度が少ない夜間に自宅でBEVを充電しており、双方向機能があれば、自宅での電気のピーク使用時や、電力供給不足などの緊急のタイミングで、BEVから自宅等に電力を送り返すことができる。
SDG&Eとトヨタ・EVCSチームの協力は、BEV所有者のニーズと電力網のニーズの相乗効果を見出すこと、また双方向機能の潜在的なメリットについてBEV所有者とどのようにコミュニケーションを取るかを模索することを目的としている。SDG&Eのサービス地域は、米国サンディエゴ郡とオレンジ郡南部の25のコミュニティを網羅しており、カリフォルニア州で最大のトヨタBEVとプラグインハイブリッド車(PHEV)所有地域の1つとなっている。現在、カリフォルニア州は全米で最も急成長しているEV市場となっている。
V2G研究は、カリフォルニア州サンディエゴにあるSDG&Eのキャンパスで、フェルマータ・エナジーの双方向充電器とV2Gプラットフォームを使用して行われる。SDG&Eは、さまざまなEV充電インフラプログラムを実施してきた、高度な知識を持つクリーン輸送チームを有している。現在までに、同社は職場、学校、公園、産業・商業施設に3,600台以上の充電器を設置している。SDG&Eは、すでに一般車両の20%以上を電動化しており、多くの車両運行会社と密接に協力して、EV車両への移行を支援している。
現在、トヨタは米国とカナダで、トヨタ「bZ4X」とレクサス「RZ 450e」の2種類の大衆向けBEVを販売している。トヨタは最近、2025年に同社のケンタッキー工場で組み立てられる新型3列シートBEV SUVの計画を発表した。トヨタは、2030年までにトヨタとレクサスのブランド全体で30車種のBEVをグローバルに展開し、年間350万台のBEVを生産することを目指している。