ステランティス、航続距離800kmのBEV専用「STLAラージ」プラットフォームを発表

ステランティスは、DおよびEセグメントの世界市場向けに今後発売される幅広い車両の基盤となる柔軟性の高いBEV専用の新プラットフォーム、「STLA・ラージ」を発表した。

セダン・クロスオーバー・SUVにも対応した「STLA・ラージ」プラットフォームとは

「STLA・ラージ」プラットフォームは、内蔵エネルギー、充電効率、高性能ビークルダイナミクス、オフロード走行など、セグメントをリードする強力な機能を実現する土台となる。「STLA・ラージ」をベースとするフルサイズ車両は、北米市場ではまずダッジ、ジープブランドで採用され、その後アルファロメオ、クライスラー、マセラティを含む他のブランドでも採用される予定。2024年から2026年にかけて、8台の車両が発売される計画だ。

STLAラージ・プラットフォームは、複数の組立工場で複製可能な堅牢でコスト効率に優れた製造工程とともに、ベースとなる部品一式から、車両の多様性を重視して設計されている。今後発表される製品は、乗用車からクロスオーバー、SUVまで、あらゆる車種をカバーする予定であり、そのすべてが、ゼロエミッションと組み合わされた瞬時のトルク応答という電気推進の利点を発揮するために利用される。

パフォーマンス性能と居住性を充実させたコンポーネント

先進の高強度素材を採用したプラットフォームは、重量と剛性が最適化されており、さまざまなタイプの車両でクラス最高の性能を発揮する。プラットフォーム内のコンポーネントは、使用可能な室内空間と収納を最大化するようにパッケージ化されており、キャビンの冷暖房システム、ステアリング、ブレーキアシスト、推進力など、快適性と性能の鍵となるコンポーネントは、航続距離を伸ばすためにエネルギー消費を最小限に抑えるよう設計されている。

この柔軟性には、ユニボディ・プラットフォームの推進システムも含まれる。STLA・ラージは、400ボルトと800ボルトの電気アーキテクチャーを選択できるネイティブBEVプラットフォームとして設計・デザインされている。モーター、パワー・インバーター、ギア・リダクションを内蔵したスリー・イン・ワン電気駆動モジュール(EDM)は、前輪駆動、後輪駆動、全輪駆動のレイアウトが実現される。

航続距離とコストのバランスの重要性を考慮し、このプラットフォームには当初、85~118キロワット時(kWh)のエネルギー定格のバッテリーパックオプションが含まれている。STLA・ラージは、セダンの航続距離500マイルを目標としている。また、初期世代の推進コンポーネントは、0-100km/h加速を2秒台で実現するポテンシャルがあるとされる。急速充電は、800ボルトのバッテリーパックに毎分最大4.5kWhを供給する。

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