大成ロテックと日野自動車、次世代道路技術の早期実装を目指した取り組みを開始。無人自動運転の実用化に向け走行試験を実施

大成ロテックと日野自動車は、次世代道路技術の早期実装を目指した取り組みを開始した。大成ロテックは、新たな舗装技術の研究・開発から実用化・普及までの期間を大幅に短縮し、カーボンニュートラルや長寿命化など、わが国の課題解決に資する舗装技術を早期に社会実装することを目指し、福島県田村市に舗装の耐久性を評価する走路(以下、舗装評価路)を新しく建設。日野は、CASE※1技術を活用した顧客起点のソリューション実現を目指し、舗装評価路にて自動運転荷重車両(自動運転レベル4相当※2)の無人走行試験を開始した。

大成ロテックと日野自動車の両社は、舗装評価路において自動運転荷重車両の運行テストを重ね、2025年夏頃をめどに5台の自動運転荷重車両の無人運行による舗装の耐久性試験※3の実施を目指す。5台の自動運転荷重車両による24時間連続稼働は国内で初めてで、舗装の耐久性を短期間で評価できるほか、省人化による生産性向上に寄与する。

舗装評価路は、舗装の耐久性を短期間で評価できる国内民間企業初の施設である。効率的な運用が行われるため、舗装評価路に近接して自動運転荷重車両の駐車と点検・整備を行う”トラックヤード” と”給油施設”が備えられている。

研究施設の概要

所在地: 福島県田村市常葉町山根字宇藤1-9
敷地面積: 約14.4ha

施設名 目的・用途・仕様
舗装評価路 延長:909m(直線区間100m×2本含む)
トラックヤード 鉄骨造平屋建て 5台の自動運転荷重車両の格納と整備が可能
延べ床面積:870m2
給油施設 給油機1台 10,000㍑地下タンク
管理棟 木造2階建て
延べ床面積:585m2

自動運転荷重車両について

今回使用する自動運転荷重車両は、ベース車両である大型トラック「日野プロフィア」に自動運転技術を搭載し、舗装評価路を40km/hで走行する。自動運転荷重車両の走行位置や経路をLiDAR※4、GNSS※5データ、カメラで把握し、通信による制御により安全な車間距離を保ち、人および障害物を検知すると停止する。また自動運転荷重車両は、トラックヤードからの入退場(舗装評価路からトラックヤード内部まで)を自動運転で移動する。

注釈

※1 C=Connected(コネクティッド・接続性)、A=Autonomous(自動運転)、S=Shared(シェアード・共有)、E=Electric(電動化)の頭文字からとった造語。新しい領域で技術革新、自動車業界を取り巻く変革の動き(トレンド)のこと。
※2 限定領域内の無人走行を想定した自動運転。
※3 舗装は交通荷重(自動車の輪荷重)を繰り返し受けることにより疲労破壊を生じ、舗装にひび割れが発生する。高速道路や国道、県道、市町村道などの道路に新たな技術を適用し、普及させるためには疲労破壊に至るまでの輪数を確認する必要がある。本施設では、実際に舗装上に大型車を走行させて、舗装にひび割れが発生し疲労破壊に至るまでに通過する輪数(疲労破壊輪数)が実験的に確認される。
※4 Light Detection And Ranging、周辺環境の立体的な様子を捉える技術や機器。
※5 Global Navigation Satellite System、GPSなどの全地球衛星測位システム。

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