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  • 2019/02/09
  • Motor Fan illustrated編集部

プライメタルズテクノロジーズ:日照鋼鉄Arvedi ESPラインで厚さ0.6 mmの極薄熱延鋼板の生産に成功、世界記録達成

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プライメタルズテクノロジーズが中国鉄鋼メーカーの日照鋼鉄集団の製鉄所に納入したArvedi ESP(エンドレスストリップ生産)ラインで、2018年10月に、連続鋳造圧延ラインとして世界で初めて厚さ0.6 mmの極薄熱延鋼板の生産に成功した。この生産ラインは4月に稼働を開始してわずか6か月でこの記録を達成している。

 これほど極薄の熱延鋼板は、これまで世界のどのメーカーにおいても実現不可能だった。Arvedi ESPによって、通常の商用冷延鋼板の板厚範囲を80パーセント以上カバーできるようになり、とくに冷延鋼板を代替できるため、日照鋼鉄の製品範囲が大きく拡がる。

 10年にわたるエンドレス生産コンセプトでの継続開発の結果、板厚0.8 mm未満のコイル製造試験を8本実施した際に、今回の記録的生産を達成した。この製造試験では、板厚を順次0.75mm、0.7mm、最終的には0.6mmまで薄くし、その後、板厚を厚くするという順序で行った。
 ESPラインでは製品板厚0.8mmの製造能力を保証。この板厚の鋼板は既に工業的生産へ移行しており、直接的に使用される板材として市場でも取り引きされている。この板厚0.8mmの製品では冷間圧延製品の板厚範囲を50パーセント程度しかカバーできないのに対して、今回実現した板厚0.6mmの製品 になると80パーセント以上カバーできるようになる。従来の連続鋳造熱延による 鋼板製造ラインにおける最小板厚は1.8mm、特殊な工程でも1.2mmに過ぎなかった。

 今回の成功は、ESPプロセスのよく知られた特性である、一定速度、一定温度の極めて高いプロセス安定性によって可能となった。それに加えて、従来は高品質製品向けに冷間圧延機でしか用いられていなかった技術が進展し、冷間圧延技術に適用された制御コンセプトに基づく「極薄圧延技術」でプロセスが制御できるようになった。

 Arvedi ESPシステムでは、鋳造機と圧延機が連結した連続生産プロセスによって溶鋼から熱延鋼板が直接生産される。この形式のラインでは、鋳造工程と圧延工程が分離した従来のラインよりも、エネルギー消費量と関連コストが最大45パーセント削減でき、CO2排出量も大幅に低減する。さらに、ラインの全長はわずか155メートルと、従来の鋳造ラインや圧延ラインに比べて非常にコンパクトで、標準化された基本(レベル1)オートメーションとプロセス(レベル2)オートメーションにより統合制御され、鋳造工程と圧延工程の高度な連携が確保されている。

 日照鋼鉄は、山東省南部の日照港から30kmの地点に本部を置く日照鋼鉄集団有限公司の一員。同社の粗鋼年産能力は約1,500万トン、製品ポートフォリオは、熱延コイル、線材、小断面のI形鋼などで、主に中国の顧客に向けて販売されている。

 No. 4 Arvedi ESPラインは、プライメタルテクノロジーズが日照に納入した5基の鋳造圧延ラインの中の1ラインで、幅900~1,300mmの高品質な極薄熱延鋼板を年間170万トン生産できるように設計されている。最大鋳造速度は毎分7メートル、コイル単重は28トン。

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