「RZ34のハイフロータービン仕様を徹底検証！」実測525馬力をターザン山田はどう評価する!?
アタッカーはターザン山田！
タイムアップの余地を残しつつベストは2分22秒395を記録！
ノーマルでの各種データ取りを経て、ブーストアップから純正改ハイフロータービン仕様へと進化してきたエスプリのRZ34デモカー。
吸排気環境の大幅な見直しやオリジナル純正ECU書き替えなどにより、最大ブースト圧1.6キロ時に524.6ps、73.0kgmを誇る。が、それでもタービンが持つ性能をフルに引き出せているわけではない。なぜなら現状、直噴エンジンのVR30DDTTはインジェクターを交換できず（そもそも大容量タイプが存在しない）、純正インジェクター全噴射状態でも燃料供給が全く追い付いていないからだ。
その対策としてエスプリでは、ポートに追加インジェクターを打ち、HKSパワーエディターとアディショナルインジェクタードライバーでの燃料増量を予定。今回はそんなステップアップの前に、燃料系がノーマルのままどこまでいけるかを確かめるため、鈴鹿アタックに挑んだ。
とは言ってもサーキットSPL的なメイキングは一切施すことなく、純粋にストリート仕様としての“体力測定”を実施。途中、リヤGTウイングの交換や足回りのセットアップ変更が、どれくらいタイムに影響を及ぼすかも確認することになった。
マフラーはHKSスーパーターボマフラー。メインパイプ径60.5φのフルデュアル構造を採用し、排気効率アップを実現する。また、メインサイレンサー直前に設けられるサイレントチャンバーを取り外しているため、排気音は大きめだ。
足回りにはHKSハイパーマックスRを装着。フロント22kg/mm、リヤ26kg/mmというスプリングレートは標準設定されるものだ。また、セッティング幅を拡げるため、フロントアッパーアームには調整式のエスプリオリジナルが組まれる。ブレーキはフロントにエンドレスMONO6 TAキット、リヤにはV36純正キャリパーを流用する。
今時のチューニングカーらしく追加メーターすら装着されず、フルノーマル状態を保ったダッシュボード周り。ステアリングホイールやシフトノブも純正のままだ。
一方、シートは背もたれにエスプリのロゴが入ったブリッドA.i.R.（エアー）に交換。スポーツ走行時のホールド性を高める。
この日の走行枠は25分×2本。1本目は、30段調整が可能なダンパー減衰力を10段目に合わせ、リヤウイングはエスプリオリジナルGTウイング042でコースイン。ベストタイムは2分22秒876だった。
ちなみに、ファイナル比はエスプリ前川さんが最高速向きと考えるZ34（7速AT）純正3.357ではなく、RZ34（6速MT）純正3.538のまま。LSDはATS製カーボンが組まれる。
「パワーは500ps以上あるけど、上で伸びる感じではないかな。それより中速域のトルク感が圧倒的だね。だから、7000rpmまで回さず6500rpmくらいでシフトアップしていく方がスピードの乗りがいいし、エンジンにも負担が掛からない。エンジン特性としてはターボラグが少なくて扱い易いし、アクセル操作に対するレスポンスも申し分ないね」とターザン山田。
ただし、1本目は新品タイヤの温め方が十分でなかった様子。ターザンが言う。
「実はアタックラップに入ってもタイヤが温まり切ってなくて、1コーナーではアンダーステア気味で外に膨らんでいくし、アクセルを開けると今度はリヤがズルズルと流れちゃって…。後半セクションの130Rやシケインでタイヤがタレないように温存するつもりだったんだけど、タイヤ温度のマネジメントがちょっと足りなかったね。それと気温が高かったんで水温もきつかった。その一方で、足回りはいい感じにまとまっていて挙動がナチュラル。調整要素もたくさんあって、例えばリヤを沈めてトラクションを高めるとか、あるいは固めて接地面積を稼ぐとか、色んな方向性が考えられる。それがタイムアップに効いてくると思うよ」。
1本目走行後のそんなコメントを受け、まずダンパー減衰力を固める方向に3段階クリック。GTウイングも、よりワイドで大きなダウンフォースを得られる052に交換された。こうして迎えた2本目。足回りセッティングとGTウイングの変更がプラスに作用し、この日のベストタイムとなる2分22秒395をマーク。1本目に対して約0.5秒のアップを果たした。
「2本目のタイムアップは交換したリヤウイングの効果が大きかったよね。気温が高い時期にこのタイムなら、冬場のアタックシーズンには間違いなく2分20秒を切れると思う。鈴鹿は路面がいいから、もっとバネレートを上げてウイングで抑え込む方向もありなんじゃないかな」と、アタックを終えたターザン山田が語ってくれた。
今回のタイムに満足気な表情を見せた前川さん。これで今後のRZ34チューンにも弾みが付く!!…に違いない!?
●取材協力：エスプリ 三重県鈴鹿市住吉3-19-1 TEL:0593-70-8080
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