ヤマハ JOG E ■価格:15万9500円(原付一種)

国内4社共有の着脱式バッテリーが搭載されたジョグE。ホンダからOEM供給されたEM1e:がベース車両で、バッテリーは販売されずGachacoを活用する斬新な販売方法だ(東京と大阪のみの先行販売)。

ヤマハJOG Eとは?ホンダ協業で誕生した電動原付

ヤマハから新電動スクーター、JOGEが12月に発売された。動力用電源にはホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキの4社で合意された共通仕様の交換式バッテリー、ホンダモバイルパワーパック(MPP)1個を搭載する。ヤマハは18年以降、ホンダから50cc原付スクーターのOEM供給を受けてきた。両社は今後多くのニーズに応える電動二輪車を提供していくため、MPPを使用した車両のOEM供給についても2024年8月に合意した。ジョグEはその第一号なのである。

50.26V 26.1Ah、約10.2㎏のMPPを1個搭載。

JOG Eの特徴|バッテリーは購入しない新しい販売方式

販売方法も特徴的で市販されるのは車体のみ。その代わり、購入時にMPPのバッテリーシェアリングサービスを展開するガチャコの「ステーション利用プラン」を契約して、ステーションでバッテリー交換をする仕組みだ。月額基本料は2530円で、使用電力量の99円/ kwh相当が、バッテリー返却時にステーション料金として課金される。例えば、片道10kmの週5回通勤で月に400kmを走った場合は、99円×9.9kWhで、1000円のステーション料金となる。現在東京都では月額基本料金1400円を上限に、3年間で最大5万円を補助する事業も行っている。バッテリーや充電器の購入費用がなく、常に良い状態のバッテリーを使えるメリットがあるが、現在ガチャコステーションは東京に41か所、埼玉2か所、大阪7か所のみと少ないのがネック。販売は東京都と大阪府のヤマハEV取扱店のうち、ガチャコ取扱店のみとなる。

バッテリーは街中のGachacoで交換。外出先で充電済みのバッテリーに直ぐに交換でき、常に良い状態のバッテリーが使えるのがバッテリーシェアリングサービスのメリットだ。

価格と補助金|実質いくらで乗れる?

本体価格は15万9500円で、国の補助金2万3000円と自治体の補助金も活用でき、東京都の場合は1万6000円の補助がある。ちなみにホンダからはMPP1個10万8900円、専用充電器5万5000円で販売されており、ヤマハでも26年後半に販売予定だ。

ヤマハ「JOG E」購入時、国のCEV補助金2万3000円に加え、東京都の電動バイク普及促進助成金1万6000円の対象だ。メーカー希望小売価格15万9500円は、補助金活用により実質約12万500円となる。申請条件や期限は国と都で異なるため、事前確認が必要だ。

ホンダのEM1e:をベースにジョグらしくスッキリ

ジョグEは、ホンダの原付一種の電動スクーターEM1e:がベース車だが、LEDヘッドライトをハンドル部に変更し、スッキリしたボディカウルデザインでジョグらしさを演出。基本スペックはEM1e:と同じで、スロットルレスポンスが良く、静粛性、制動性、サスペンションなどトータルでバランスが取れた優秀な電動スクーターだ。

HONDA EM1e:

航続距離は実際どれくらい?実走テスト結果

スペック上の航続距離は53kmだが、体重75kgのボクが荷物を背負って幹線道路をガンガン走ると、20km走行してバッテリー残量は30%となった。もちろんエコモードで走ればもっと走るワケで、幹線道路を走らないならエコモードでも快適に乗り回せる。

低速トルクが強く、初速が良く登坂力もあって扱いやすい上にとても静か。110㏄相当のホイールベースのため直進安定性やライポジの自由度も高い。ハンドル切れ角が左右各47度もあるので取り回しもラクラク。

電動バイクの”いま”を体現する一台

車体にはヤマハやジョグのロゴがあるのだが、モーターにはホンダのロゴがある。バイクに限らず、開発の合理性という視点から各社がタッグを組むことが一般的になってきたモビリティ業界の昨今事情。でもかつてのHY戦争があったからこそ、個性的なバイクが生まれた歴史もある。もちろんOEMではない電動バイクは、ヤマハも各社も個性が異なる車両を開発しているから、各社の特徴や個性溢れる電動バイクの登場にも期待したいな!

ディテールも細かく見ていこう!

走行モードは通常とECOモード(航続距離が約15%UP)が右手元スイッチで選べる。5V 2.1A のUSBソケットや500mlのボトルが入るインナーラック、荷掛フックも備えている。
海外ではタンデムが可能なEM1e:がベースのため、この肉厚なロングシートがかなり良い。フラットなステップボードは前後330㎜と広々で、靴サイズ28cmのボクでも窮屈さがない。
シンプル表示で必要な情報が見やすい丸型形状の反転液晶表示フルデジタルメーターを搭載。バッテリー残量は%で表示される。
ハンドル操作に合わせて進行方向を照らすヘキサゴン型のヘッドライトはジョグEのメリットのひとつ。ウインカーは音が出ない。
フロントにはディスクブレーキを採用。リヤブレーキは掛けると前輪にも適切な割合で制動を掛けるニッシン製のCBSを装備する。
専用に設計されたインホイールモーターは、トルクがあり高効率で軽量。EM1e:のものをそのまま使用するためHONDAの刻印がある。

ヤマハ JOG Eの主要諸元をチェック

■ Specifications(主要諸元)

全長×全幅×全高:1,795×680×1,140mm
シート高:740mm
ホイールベース:1,300mm
車体重量:93kg

原動機:交流同期電動機
定格出力:0.58kW
最高出力:1.7kW(2.3PS)/540rpm
最大トルク:90N・m/25rpm

一充電走行距離:53km(30km/h定地走行テスト値)

駆動用バッテリー:Honda Mobile Power Pack e:(リチウムイオン電池)
バッテリー電圧/容量:50.26V/26.1Ah(約1.3kWh)

ブレーキ
フロント=油圧式ディスク
リヤ=機械式リーディングトレーリング(CBS)

タイヤサイズ
フロント=90/90-12 44J
リヤ=100/90-10 56J

車体色:ディグニファイドグレーメタリック、コンクリートグレー(試乗車)

テスターPROFILE
近藤スパ太郎(タレント/プロデューサー)
・環境番組のパーソナリティを担当して電動バイクの強烈なパワーにひと目ぼれ。俳優・CのほかWebメディア「SPANGSS」の編集長や、芸能・制作プロダクションの代表も務める。