独自のパッケージング設計により広い室内空間を実現した3車種

クルマを選ぶ理由は人それぞれだが、取り回しのよさと居住性を両立したい層からは、外観はコンパクトであるにもかかわらず室内が広いクルマが支持を集める傾向にある。小さな車体であれば、それに比例して車内も狭くなるのが当然だと考えるのが一般的な感覚かもしれない。
しかし、実は室内の広さを決定づける秘密は外装の寸法ではなく、空間効率を最大化するパッケージング設計にあるという。
そこで今回は、空間効率にすぐれたモデル3車種を見ていこう。
ホンダ「フィット」

まずひとつ目の車種として、ホンダ「フィット」が挙げられる。
フィットのボディサイズは全長3995mm×全幅1695mm×全高1515mmとなっており、日本の狭い道路や入り組んだ住宅街でも運転しやすい寸法に収められている。
そして、この限られた枠組みのなかで、フィットの室内サイズは室内長1955mm×室内幅1445mm×室内高1260mmという十分な数値が確保されている。車内の広さを生み出す最大の秘密は、燃料タンクを前席の下に配置する独自の「センタータンクレイアウト」にあるという。
一般的な車両ではタンクが後席の下に配置されているが、フィットはタンクを前方に移動させたことで、コンパクトカーの常識をくつがえす広い後席空間を実現したのだ。
さらに、荷室の床も比較的低く設計されており、背の高い荷物も楽に積載できることは言うまでもない。
トヨタ「ルーミー」

次に挙げるのはトヨタ「ルーミー」である。
ルーミーのボディサイズは全長3700mm×全幅1670mm×全高1735mmとなっており、排気量1000ccクラスの軽自動車にほど近いサイズ感が特徴のモデルだ。
しかし、高い全高にくわえて四角い箱型ボディ形状を採用したことで、室内長2180mm×室内幅1480mm×室内高1355mmのゆとりある空間を実現している。くわえて、前後左右のウインドウ面積を大きく取ることにより、ミニバン顔負けの居住性が備わっている。
また、後席のシートは前後に大きくスライドさせることが可能で、乗員の体格や荷物の量に合わせて柔軟に空間を調整できるのも、ルーミーの特徴のひとつだ。
さらに、狭い駐車場でも隣の車両を気にせずに乗り降りしやすいスライドドアを備えており、日常的な使い勝手にもすぐれている。
テスラ「モデル3」

前出の2台はいわば”広さ自慢の王道”といえる車種だが、実はEVにも見た目の印象を裏切る意外な広さを持つモデルが存在する。それが、テスラ「モデル3」である。
モデル3のボディサイズは全長4720mm×全幅1850mm×全高1441mmとなっており、厳密にはミドルサイズに分類される。
なお、モデル3の室内サイズは非公表だが、EV特有の特徴である床下に薄型のバッテリーを敷き詰める構造によって、足元は張り出しのないフルフラットなフロアが広がっている。つまり、車格の割に後席が広くなっているというわけだ。
また、フロント部分に巨大なエンジンや変速機を格納する空間を必要としない分、そのまま室内空間にあてたパッケージング設計が採用されている。くわえて、屋根の大部分が透明なガラスで覆われたデザインを取り入れており、視覚的な広がりも演出されている。
結果として、大人4人が長距離を移動しても疲労を感じにくいゆとりある空間が確保されているようだ。

このように、クルマの室内空間の広さは外見のサイズ感だけで正確に判断することは難しい。そのため、購入を検討する際にはカタログの数値に頼るだけでなく、実際の室内空間に座って広さを確認することが重要となる。
自身のライフスタイルや主な用途に合う、最適なパッケージング設計を持った一台を選ぶとよい。