カスタムブームを牽引した偉大なるレジャーバイク

まずは軽~く駆け足でモンキーの歴史に触れておきたい。1961年の遊具をルーツとするモンキーも、1967年に公道を走行できる市販車が誕生。翌1968年には北米市場へ進出し、クリスマス商戦では子供へのプレゼントとして「LIFE」誌に広告を掲載。手応えを感じたホンダは、1969年にホイールサイズを5インチから8インチに大径化。フロントサスペンションをリジッドからテレスコピックタイプに変更。生産性とコスト面で優れるプレスバックボーンが主流だった時代にパイプフレームを採用するなど、大人も安心して乗れる走破性を獲得するだけでなく、モーターサイクルとしての商品価値(所有満足度)も一気にアップ。自動車にバイクを積んで出かける「6輪生活」を提唱した。

そして1974年、ラフロードでも楽しめるようブロックパターンタイヤを採用し、リヤキャリアや折りたたんでコンパクトに出来るハンドルなどを装備した「Z50J」型が登場。レジャー用としてはもちろん、エンジンチューンを楽しむベースマシンとして人気を博した。その後、約25年間に渡って「Z50J」型は愛され続けるのである。

時は流れ1982年にはモトチャンプが創刊。すでにバイクは趣味の乗り物として認知されていた時代。この「小さいのに安っぽくない」モンキーは、日常のアシとしてはもちろん、ミニバイクレースやツーリング、レジャーと遊びの世界を広げていく。さらに後押しするかのように、キタコやスペシャルパーツ武川から、社外製パーツがリリースされカスタムブームが加速していく。バイクブームのあまたのモデルが出ては消えていった激動の時代を生き抜き、現在も125㏄モデル「モンキー125」としてラインナップされている。世界に誇る「キングオブ4MINI」なのである。※4MINIとは、4ストロークミニミッションの略で「ヨンミニ」と呼称。

全長約たったの1.4m! 自動車のトランクにも積める【主要諸元】

写真は1997年2月に発売された[モンキーSP]。Z50Jシリーズ最後のモデルだ。

SPECIFICATIONS
全長×全幅×全高:1360mm×600mm×850mm
ホイールベース:895mm
シート高:660mm
車両重量:63kg
エンジン種類:空冷4ストOHC単気筒
総排気量:49cc
最高出力:3.1ps/7500rpm
最大トルク:0.32kgm/6000rpm
燃料タンク容量:4.5ℓ
燃費:90km/ℓ(定地走行テスト値)
変速機形式:4速リターン
ブレーキ:(前・後) ドラム・ドラム
タイヤ:(前・後) 3.50-8・3.50-8
価格:20万4970円
※数値は1997年に発売されたモデルのもの

モンキーの特徴と言えばコレですよね!

とにかく小さい!前後8インチホイール

アイデンティティである、小柄なボディを可
能にする小径8インチホイール。リム幅やタ
イヤ幅は前後共に同じ。かわいいね!

クルマへの積載を考えた

折り畳み式ハンドルバー

自動車のトランクに積む事を考慮してハンド
ルバー(ステップも)が折り畳める。兄弟モデル「ゴリラ」にはない機能。便利だね!

エンジンは「6V」と「12V」の2種類アリ!

一見同じように見える車体やエンジンも、時代に合わせて変化している。特にエンジンは精度の向上によってさらに信頼性がアップした。

1967年~は「6Vエンジン」

ポイント式点火を採用する6V仕様は1967年~。外観上の大きな違いは、12Vエンジンと比較してジェネレーターカバーが小さい。

1992年以降モデルは「12Vエンジン」に


1992年になると電装系を一新し12V化。MF(メンテナンスフリー)バッテリーを採用し、CDI点火となる。カムシャフトホルダーはベアリング支持になった。

モンキーを語る上で外せない!「燃料タンク形状」

トレードマークと言えるガソリンタンク。コンパクトな4ℓからツーリングユーザーに人気の9ℓ(ゴリラ)まで、形状もさまざま。ちなみにモンキーのカスタムシーンではこのタンク形状の違いによって「4リットル」「5リットル」と分類されています。

1974年~
オールドモデル好きにはたまらない

通称 4リットル!

1974年から1977年までの4年間販売されたモデル(Z50J/Z50J-Ⅱ)に採用。タンク容量は4ℓで、おにぎりのようなフォルムがカスタムユーザーに人気だ。

1978年~
モンキーと言えばコレ!な代表モデル

通称 5リットル!

ティアドロップ形状が特徴的なデザインで、モンキーと聞いてこのタンクを思い浮かべる人も多いだろう。タンク容量は5ℓ(先代は4ℓ)と1ℓアップして航続距離を向上。実用性も高まった。

1978年~
タンク容量は約2倍!ゴツさがかわいい

通称 ゴリラタンク(カスタム目線的に)

兄弟モデル「ゴリラ」に採用されたタンクで、容量は倍近い9ℓを確保。そのかわいらしいフォルムはカスタム派にも人気で、フレーム形状が共通のモンキーに流用するユーザーも多い。ニーグリップしやすくツーリング派にもってこい。

【豆知識】時代の波には勝てず1999年に新型エンジンへ

排ガス規制に対応する新エンジンが登場!
型式は「Z50J」から「AB27」へ

地球温暖化が叫ばれ環境意識が高まった90年代。排ガス規制の波が原付にも押し寄せ、1999年に「モンキー」と「ゴリラ」をマイナーチェンジ。両車種ともにブローバイガス還元装置を新たに採用するとともに、キャブレターの最適化を図ることで、国内の新排出ガス規制に適合させている。型式も「AB27系」に一新され、その後2009年にはついにFIエンジンとなる。最高出力や最大トルクに変更はなし(3.1ps/7500rpm・0.32kg/6000rpm)

※この記事は月刊モトチャンプ2024年3月号を基に加筆修正を行っています