日本のコンビニエンスストアは、タイでも便利
2月下旬、筆者(伊藤英里)はMotoGPの開幕戦タイGPを取材するために、タイのブリーラムに向かった。まずは成田空港からバンコクのスワンナプーム国際空港まで直行便で飛び、スワンナプーム国際空港から同じくバンコクのドンムアン空港へ移動し、そこから国内線でブリーラム空港へ飛ぶというフライトだった。
ちなみに、スワンナプーム国際空港とドンムアン空港間は、同じバンコクといっても移動時間にしてクルマで45分ほどかかる。ただ、この乗り継ぎを利用する客が多いらしく、空港間は、無料で利用できるバスが走っている。利用するにはパスポートと搭乗券が必要だ。
筆者は夜22時過ぎにスワンナプーム国際空港に到着した。バスがドンムアン空港に向かって走り出したのは、すでに深夜と呼べる時間帯だったが、道は混雑していて、あちこちでクラクションが鳴っていた。まったく、バンコクの街は夜も元気だ。
ドンムアン空港では、日本のコンビニエンスストア、ローソンで遅い夜ご飯を調達した。マレーシアでもそうだったが、タイでも日本のようにコンビニエンスストアが展開されている。これがヨーロッパなら、開いているショップもレストランもなく、ただお腹をぐうぐうと鳴らすばかりになってしまう。タイでもコンビニエンスストアのありがたみは変わらない。
参照記事:
「えっ!? 見たことのない具材のおにぎりが!」 マレーシアのコンビニエンスストア事情|MotoGP海外取材記
https://motor-fan.jp/article/1407401/




翌日にはブリーラム空港からサーキットに向かう途中、セブンイレブンを利用した。今回の購入金額では問題なかったが、以前利用したときの記憶では、「200バーツ以上(だった気がする)でなければ、クレジットカードは利用できない」というルールがあった。もしクレジットカードで買い物する場合はご注意を。
コンビニエンスストアのラインアップは、日本と変わりない……わけはない。もちろん、違う。特に「日本と違うな」と感じたのは、やはりブリーラムのセブンイレブンだ。空港のローソンは、どちらかというとちょっと気取った雰囲気だった。おそらく、日本人やタイにとっての外国人をターゲットにしているのだろう。購入した「サラダクロワッサンベーコン玉子」など、なんだかおしゃれなのである。
一方、ブリーラムのセブンイレブンはかなり地元密着感がある。駐車場には犬が寝そべっている。この光景はよく見られるのだが、犬が野犬なのか飼い犬なのかは、まったくわからない。駐車場に入ってくるトラックの荷台には、仕事に向かうのか帰るのか、それともただの移動なのか、若い男女が何人か乗っている。これも珍しい光景ではない。

店内は、ローカルなコンビニエンスストア、という印象だ。空港のローソンよりもずっとスーパーマーケットに近い。20個くらいパックになった卵や、野菜が売られている。日本の調味料である醤油、そして「白だし」まで売られていた。これには驚いた。筆者は取材で海外に行くと、食料調達のために必ずスーパーマーケットに行くのだが、醬油は大抵、どの国のスーパーマーケットにもある。だが、いわゆるめんつゆやだしといったものは、ほぼ見かけない。あるとしたら、日本またはアジア食材店のような専門店だ。
「まさか、コンビニエンスストアで『白だし』が売られているとは……!」
誇張ではなく、感動した一瞬である。筆者の場合、日本食から離れるほど、だしの味が恋しくてたまらなくなるのだ。日本のコンビニエンスストアだから置いていたのだろうか。あなどれないラインアップである。
それから、コンビニエンスストアに並ぶ食品の多くに日本語のルビが振られているのも、特徴だ。お酒も販売されているが、規制によって販売の時間は限られている(11時から14時、17時から24時までが購入可能)。筆者が利用した時間は、販売時間外だった。







さて、そんなタイのコンビニエンスストアで、筆者はおにぎりやパンを購入した。まず、おにぎり。「スモークサーモンのおにぎり」で、味はサケのおにぎりである。ただ、海苔がいまいち。味もいまいちだが、食感が日本のそれとは違う。筆者は海外でおにぎりを食べて、初めて日本の海苔がおいしいのだと気付いた。お米も日本のお米とは違うのだが、おにぎりのおいしさとは、お米、具材、そして海苔がうまくバランスしているのだなあ、と。といっても、海外でこのクオリティのおにぎりが食べられることには、感謝しかない。
ただ、「サラダクロワッサンベーコン玉子」(これは商品名というより、ただの説明では……? この大雑把さもタイっぽい)などは、やはりと言うべきか、わたしの期待を裏切ってくれた。甘いのだ。タイやマレーシアの食べ物は、だいたいが辛いか甘い。かなりざっくりした印象にはなるが、筆者はそういう認識である。気候に由来しているのだろうと理解してはいるものの、辛いものと甘いものが苦手な筆者は、「これなら」と期待して購入し、口に入れて「ああ……」としょんぼりする、を繰り返している。タイでコンビニエンスストアを利用するときは、ぜひともその見た目に惑わされないよう、ご注意ください。
それでも、と甘い「サラダクロワッサンベーコン玉子」を食べながら思う。タイの人は、このような味付けを好むのだ。コンビニエンスストアの食べ物一つとっても、筆者はタイを感じていることになる。タイのコンビニエンスストアはあなどれない。そして、タイらしさも感じさせてくれた。




