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今日は何の日?■エレメントSCプロトタイプをニューヨーク国際自動車ショーで公開

2006(平成18)年4月14日、ホンダはニューヨークで開催された“ニューヨーク国際自動車ショー2006”で「エレメントSC」のプロトタイプを発表した。エレメントSCは、当時米国のみで販売されていたエレメントのスポーティな派生グレードであり、同年秋に米国で発売された。
米国で生まれたアクティブSUVのホンダ・エレメント

2003年4月、ホンダから北米生産モデルのMPV(マルチ・パーパス・ビークル)のようなSUV「エレメント」が日米でデビューした。エレメントは、若者をターゲットにした5人乗りの個性的なSUV。企画から開発・生産を米国で行った米国生まれのユニークなモデルで、日本へは輸入車として販売された。



スタイリングは、ツートーンの面構成と極太の構造物をイメージしたボクシーなデザインを採用。ドアの構成が個性的で、サイドドアは観音開きでセンターピラーレスということもあり、ドア開口部は高さ1140mm、幅1550mmと超大型。リアゲートは上下2分割クラムシェル型、荷物の出し入れが容易、その上室内は防水性に優れているので、ロングサーフボードも搭載可能だった。

パワートレーンは、最高出力160ps/最大トルク22.2kgmを発揮する2.4L 直4 DOHC i-VTECエンジンと4速ATの組み合わせ。駆動方式は、基本FFながら雪道など滑りやすい路面では4WDに自動的に切り替わるリアルタイム4WDが採用された。
車両価格は259万円に設定。エレメントは、さまざまなアウトドアで活躍できるマルチパーパスなSUVとして米国では人気を集めたが、日本での販売は苦戦を強いられた。日本ではわずか2年半後の2005年12月に販売を終了したが、米国ではその後も販売された。

2006年にスポーツ仕様のエレメントSCを投入
2006年4月この日、“ニューヨーク国際自動車ショー2006”で発表された「エレメントSC」プロトタイプは、同年秋に米国で発売されたが、日本では発売されなかった。

エレメント SC は、都市型パフォーマーをコンセプトとした。スポーツサスペンション、21インチアルミホイール、カーペット張りの内装やセンターコンソールなどを専用装備とし、空力ボディパーツなどによって低く構えたエクステリアデザインが実現された。
もともとエレメントは、アウトドアライフを楽しむアクティブな若者をターゲットとしたオフローダー色が強いSUVだったが、その派生車であるスポーティ仕様のエレメント SCがラインナップに加わることで、より幅広いユーザーニーズに対応できるようになった。

ボディ構造とパワートレーンは、エレメントを継承したが、ローダウンサスペンションや専用チューニングのサスペンション、21インチホイール、専用バンパーグリルが装備され、安全装備についてはフロントエアバッグ、サイドエアバッグ、サイドカーテンエアバッグ、VSA、ABSが標準装備された。
パワートレーンは、ドライブ・バイ・ワイヤを採用した改良版の最高出力168ps/最大トルク22.3kgmを発揮する2.4L直4 DOHC i-VTECエンジンと5速ATの組み合わせ。駆動方式はFFのみで4WDは設定されなかった。
モデルチェンジすることなく生産を終えたエレメント
「エレメント」は、結局モデルチェンジすることなく、1代限りで2011年に生産を終了した。当初は、ユニークなSUVとして米国で人気を獲得し、「エレメントSC」は若者からも支持されたが、徐々に販売台数が減少、マイナーチェンジで商品力強化を図ったが、人気復活が果たせなかった。
2代目へモデルチェンジする計画もあったようだが、2008年のリーマンショックによる計画見直しや世界的な市場がクロスオーバーSUVへ移ったことにより、モデルチェンジの計画は中止になったようだ。ユニークな箱形のマルチパーパスのエレメントは、将来的にも人気を獲得するのは困難と判断されたのだろう。

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ユニークな箱形のマルチパーパスなSUVのエレメントは、日本でも熱心なファンはいた。しかし、ホンダとしては米国だけでなく世界市場を見た場合、CR-Vやパイロット(日本は未発売)、HR-VといったクロスオーバーSUVに開発リソースを集中する方が効率的と考え、エレメントをラインナップから除外したのだろう。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。


