レクサスの主力セダン、「ES」新型の北米仕様価格が発表された。
日本では、4月にBEVモデル、6月にハイブリッドが発売予定ではあるが(同時期発売の可能性も)、ある程度参考になると思われる。

今回注目されたのは、EVとハイブリッドの価格だ。通常、EVは大型で高価なバッテリーパックを搭載しているため、一般的に内燃機関車よりも高価だ(これがEV市場低迷低迷のひとつの原因と思われる)。しかし、レクサスは新型ESに関してはこの常識を覆したと言えるだろう。
電気自動車バージョン「ES 350e」は、ハイブリッドモデル「ES 350h」よりも2200ドル(約35万円)安く設定されているのだ。

レクサスEX EVの具体的なスペックは、グレードによって異なる。エントリーレベルの「ES 350e」は、最高出力221psのシングルモーター車で、EPA推定航続距離は307マイル(約493km)となっている。
上位モデルES 500e(AWDバージョン)を選択すると、デュアルモーター搭載の四輪駆動モデルとなり、最高出力は338psとなるが、航続距離は短くなる。19インチタイヤを装着したAWD ES 500eの推定航続距離は276マイル(約444km)だが、0-60mph加速は5.4秒なので、その点は評価できる。

しかし、レクサスES EVの400Vアーキテクチャは、購入を検討している人にとって少々ネックになるかもしれない。ライバル車であるBMW i3などは、超高速充電を可能にする800Vアーキテクチャを採用している。BMWは、わずか10分で約250マイル(約400km)分の航続距離を充電できると推定している。一方、レクサスES EVは150kWの充電しかできず、10%から80%まで充電するにはその約3倍の時間がかかるのだ。

このBEVとハイブリッドの価格逆転減少は、日本の価格設定にも反映されると予想される。BEVがハイブリッドより安価となれば、売れ行きに影響するのだろうか。
しかし、違った結果となるかもしれない。確かにハイブリッドモデルは高価だ。レクサスの親会社であるトヨタは、数十年にわたり市場で最高のハイブリッド車を生産してきた。勿論、並行してEVの開発も進めてきたが、やはり世界的にもBEVよりハイブリッドの評価が高く、トヨタに当てはまることは、レクサスにも当てはまる。
北米では「ES新型が欲しいならハイブリッドを待つべき」とも伝えられている。レクサスが採用しているモーターはかなり大型だ。バッテリーも搭載されているため、ES EVのシングルモーターモデルはハイブリッドモデルよりも600ポンド(約270kg)も重くなる。一方、トヨタのハイブリッドパワートレインは間違いなく高性能だ。

北米では、4月にBEV版の販売を開始、ハイブリッドは6月まで待たなければならない。しかし、スペックを見れば、2200ドルの追加料金と数ヶ月の待ち時間は、ごく普通の高級EVよりも魅力的に映る可能性もある。
果たして日本では、販売台数において安価なEVが高価なハイブリッドを上回るのか、今後のEV市場の動向を占う試金石となり得るかもしれない。