生まれながらの激熱チューンド!
650馬力のV10が放つ圧倒的暴力性
3月末開催の都市型シークレットイベント『Red Bull TOKYO DRIFT × 湾岸BASE』のエントリーリストを見た瞬間、「これは絶対に現車を見たい」と思わせてくれたのがバイパーACRだった。
1991年にデビューした初代バイパーは、8.0L・V10エンジンを搭載した“とにかくデカくて速い”アメリカンスポーツとして誕生。その過激なキャラクターは代を重ねるごとに研ぎ澄まされ、最終進化形とも言えるのが2015年に登場したバイパーACRである。

ACRとは“American Club Racer”の略。その名の通り、ナンバー付き市販車でありながらサーキット走行を強く意識して開発された特別モデルだ。専用エアロによる強烈なダウンフォース性能、専用サスペンション、大径カーボンブレーキなど、内容は完全にレーシングカー寄り。だが、それでも公道を走れるという事実が、このクルマの異常さを物語っている。

搭載される8.4L・V10自然吸気ユニットは650ps、83.0kgmを発揮。しかも、このスペックはフルチューンではなく純正状態である。さらに2代目以降のバイパーは日本へ正規輸入されておらず、この2016年式最終型ACRは国内でも数台レベルの希少車だという。
そんなモンスターを所有するまさトさんは、かつてZ31 300ZRのボルトオンターボ仕様など、国産チューンドにどっぷりハマっていた人物。しかし50代半ばとなった現在、その趣味は輸入スポーツカーへとシフトした。

足回りにセットされるのはビルシュタイン製2ウェイ車高調(F:10.7kg/mm、R:23.2㎏/mm)。ブレーキキャリパーはブレンボ製でフロント6ポット、リヤ2ポットとなる。ローターはカーボン製でフロント390φ、リヤ360φ。また、純正19インチホイールはフロント11J、リヤ13Jと超ワイド。順に295/25、355/30サイズのミシュランパイロットスポーツ4Sを履く。

ダッシュボード周りは基本的にノーマル。走りに振ったモデルだが、公道走行を前提にしているためエアコンやオーディオを完備し、ステアリングのスポーク部には各種操作を手元で行なえるスイッチも設けられる。ミッションは6速MTのみの設定だ。

大きく前方に突き出したアンダーパネルやカナードなど、その出で立ちはチューニングカーそのもの。巨大なリヤウイングやアンダーディフューザーを含め、装着される全ての空力パーツは純正エクストリームエアロパッケージによるものだ。“V8 EATER”ステッカーは岡本さんが貼ったもの。文字通りのポテンシャルを内に秘める。

「購入したのは4年前ですね。息子が“神奈川の店に出物があるよ”って教えてくれて、タイミングよく買えました」と語るまさトさん。以前はベントレー・コンチネンタルGTにも乗っていたが、“分かりやすいスポーツカーが好き”という想いから、最終的に辿り着いたのがバイパーACRだった。

さすがに大阪からの自走は厳しいということで、今回の湾岸BASEには積載車に載せて遠征。細部を見せてもらいつつリヤゲートを開けてもらうと、そこにはヘルメットが積まれていた。聞けば、「明日(イベント翌日)、FSWで走行会があるんですよ。せっかくなので大阪に戻る前、走っていこうと思って」。そう、思いっきり走らせてこそのバイパーACRなのだ。
●取材イベント:Red Bull Tokyo Drift 2026


