ドゥカティ・MONSTER+…….1,690,000円(消費税10%含む)〜

ドゥカティ・レッド…….1,690,000円(消費税10%含む)

カラーバリエーション

アイスバーグ・ホワイト…….1,710,000円(消費税10%含む)
スポーツ・カラー…….1,790,000円(消費税10%含む)
発売は、2026年10月頃の予定。

去る5月28日、千葉県にあるポルシェ エクスペリエンス センター 東京で、新型ドゥカティ・モンスターの発表試乗会が開催された。昨年のEICMA(ミラノショー)でデビューした最新モンスターが、来たる6月21日から発売される。国内導入されるのは、マイクロ・ビキニカウルとシートカバーを装備したモンスター+(プラス)で、ローシートとローダウンサスペンションを採用。当初のカラーバリエーションは赤と白の2タイプ。10月頃にはスポーツカラーが追加される予定だ。
モンスターは、1992年のIFMA(ケルンショー)でデビューし翌年から発売された。その力強いマッシブなデザインと「スポーツネイキッド」というキャラクターは、スーパースポーツ系のパワーユニットをスーパーバイクに倣うワイドで高剛性なトレリスフレームに搭載。幅広のパイプバーハンドルを備え、ホットな走りを身上とする新鮮なモデルとして脚光を浴びたのである。
カテゴリーとして、それは決してパイオニアでは無かったが、お家芸とも言えるLツインの高性能デスモドロミック・エンジンを搭載したことや、立派なボリューム感を併せ持つ堂々のイタリアンデザインが相まって、同社の主力機種に成長した。スポーツネイキッドを象徴するモデルとしてその人気を定着できたのは、ドゥカティ・ブランドならではの成果であろう。
900に始まった初代は15年、1100になった2世代目は16年、1200の第3世代目は7年、そして2021年登場の先代(第4世代)モデルは937に。今回のフルモデルチェンジで第5世代への革新を果たした最新モデルは、890となり、ある意味、原点回帰を思わせる仕上がりが印象深い。

伝統のデザインは、30年以上にわたって受け継がれて来ている。

世代は変われど、モンスターの基本的コンセプトやデザインイメージは踏襲されつつ、その時代に相応しい先端テクノロジーが投入されて進化を果たして来た。今回はドゥカティ創立100周年記念を象徴する今年に相応しいフルモデルチェンジと言える。
全貌を記すにはスペースが足りないので、詳細解説はまた別の機会に改めるが、第5世代への大きな革新ポイントは、新開発エンジンの搭載にある。
それは、デスモドロミック機構をやめて、一般的な動弁機構が採用された。ある意味モンスターの象徴的特徴でもあった要素を捨ててまで改革が図られたわけだ。端的に言うとその理由(目的)は、「軽さ」の追求と、ニーズに相応しい出力特性を発揮すること。生産コストの節約にもなるだろう。
強制的にバルブ開閉を担っていた機構はなくなり、通常通りバルブの閉じはスプリングが担う。前バンクは左側、後ろバンクは右側のカムチェーンによって駆動される頭上のカムシャフトはロッカーアームを介してバルブを押し下げる。吸気側の端にセットされたインテーク可変バルブタイミングメカは、52度にわたって数段階の可変制御をこなし、ワイドで柔軟な出力特性の発揮に貢献している。
先代モデルはボア・ストロークが94✖️67.5mmの937ccだったが、新型は96✖️61.5mmの890ccへ。オーバースクエア(ショートストローク)化され、圧縮比は若干低められている。シリンダーにはアルミスリーブが挿入され、バルブは中空タイプが奢られている。潤滑方式も熟成された。結果的に先代のエンジン比で同じパワーを発揮。最高出力発生回転数は先代の9,250rpmに対して、新型は9,000rpm。さらに下記キャプションで示す通り、ワイドな回転域で高トルクを発生している。しかもエンジン単体重量で約4kgの軽量化を実現したというから驚きなのである。

赤く細いスチール製リアフレームにトレリスの名残がある。フロントのモノコックフレームとリアの両持ちスイングアームはアルミニウム製だ。

早速試乗車に跨ると、膝に十分な余裕を持った上で、両足はベッタリと地面を捉える。シート高は775mmと低く、ダブルシートクッションの造形も内腿が当たる前方の両肩部が工夫(先代比で18mmスリム化)されているのも相まって、とても親しみやすい。これなら初心者や小柄なライダーにも素直におすすめできる。
さらに言うとバイクを引き起こした時、押し引きして取り回した時の扱いが明確に“軽い”のである。高齢の記者にとっても、軽さはとてもありがたい。跨った瞬間のフィット感、スケール感が自然と馴染み、手強さを覚えない感触が嬉しい。
軽い油圧クラッチを握りスタートすると、さらに軽快なハンドリング。パイプバーハンドルがワイドなせいもあるが、操舵に対するレスポンスが、もっと小排気量の小さなサイズのバイクに乗るような感覚。タイトなS字コーナーを攻める様なシーンでも、それはもう軽々と身を翻し、思い通りのラインに乗せてスイスイとクリアしていける。試乗時は降雨で路面はウェットになったが、コーナー立ち上がりでのスロットルレスポンスは穏やかさと元気の良さが巧みにミックスされ、意のままに着実な駆動力を与えて行ける。
次のコーナーまでの短い直線で魅せるダッシュ力も十分に豪快。大きさや重さと良い、動力性能や扱いやすさも良い。スポーツネイキッドとして実に程よい仕上がりが魅力的に思えた。
もしも個人的な我儘が許されるなら、ハンドルバーは両端を15mmほどカットするだろうな。シートとサスペンションは欧州の標準仕様(シート高は815mm)にしたいな〜。などと空想を膨らませながらクローズドコースで、なかなか気持ちの良い周回が楽しめたのである。次回は一般公道の長距離ツーリングで試乗してみたい。

デスモドロミック機構をやめて、一般的な動弁機構を採用した最新のLツイン。既にムルチストラーダで始められた堅実な手法のひとつ。重量は54.4kg。同社史上最軽量を誇る。
3,000rpm以上で最大トルクの70%を、4,000〜10,000rpmでは80%以上を発揮。幅広い回転域で高トルクを発生しているのが魅力的だ。

ディテール解説

灯火類はフルLED式、ヘッド周りはコンパクトにデザインされている。ウインカーはシーケンシャル式で、6連LEDが内側から外側へと流れ、全灯になってから消えるを繰り返す。
倒立式フロントフォークは、φ43mmのショーワ製。φ320mmのフローティグダブルディスクには、ブレンボ製モノブロック対向4ピストンキャリパーをラジアルマウント。
新開発された横置きの90度Vツインエンジン(Lツインとも呼ばれる)。デスモドロミック(バルブの強制開閉機構)を廃すなど、大胆な軽量化を果たした革新の新世代ユニットだ。
各エキゾーストパイプはクランクケース下で一旦集合した後、右出しサイドアップの2本マフラーへ続く。
左側にオフセットされているモノショックはショーワ製。プリロードが調節できる。
アルミニウム製両持ちスイングアームを採用。リアのシングルディスクブレーキはφ245mm。
ブラックアウトされたハンドルまわり。別体式リザーバータンクの油圧ブレーキ/クラッチレバーはブレンボ製。
下方に揃えられたホーンとウインカー。赤いハザードも扱いやすい。
黒い丸ボタンが始動用のセルスタータースイッチ。赤はキルスイッチ。
5インチのTFTカラーディスプレイを採用。表示はロード&ロード・プロが選択できるインフォモードに加え昼夜モードも装備。解像度は800✖️480ピクセル。
パッセンジャー・シート・カバーが標準装備されている。日本仕様はローシートを装備。高さは775mm。
急ブレーキ時には、ストップランプがより目立つ様、自動的に点滅してくれる。

主要諸元

全長/全幅/全高(mm): - / - / - 
シート高(mm):775 
軸間距離(mm):1,492 
最低地上高(mm): - 
装備重量(kg):175(燃料を除く)

燃料消費率:5.2L/100km(19.2km/L)

原動機型式: -
原動機種類:水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ・IVT(吸気可変タイミング)
気筒数配列:90°V型2気筒
総排気量(cc):890
内径×行程(mm):96.0×61.5
圧縮比:13.1:1
最高出力(kW/rpm):81.6(111ps)/9000
最大トルク(Nm/rpm):91.1(9.3kgm)/7250
始動方式 :セルフ式

燃料タンク容量:14L(無鉛プレミアムガソリン)
燃料供給装置:電子制御燃料噴射式
排気装置:2-1-2システム
点火方式:電子制御式

1次減速比/2次減速比:1.840/2.625
クラッチ形式:湿式多板 油圧セルフサーボ/スリッパー・クラッチ、セルフ・ブリーディング・マスター・シリンダー
変速装置/変速方式:6速ドゥカティ・クィック・シフト・アップ/ダウン2.0
変速比:
 1速:2.714 
 2速:2.000
 3速:1.600 
 4速:1.318 
 5速:1.143 
 6速:1.040

フレーム形式:アルミニウム製モノコック
キャスター(度)/トレール(mm):23.3/92
タイヤサイズ(前/後):120/70 ZR17(チューブレス)/180/55 ZR17(チューブレス)ピレリ製ディアブロ・ロッソ4
ホイール(前/後):3.50-17(鋳造軽合金)/5.50-17(鋳造軽合金)
制動装置形式(前/後):油圧式ダブルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ
懸架方式(前/後):倒立式テレスコピック/モノショック・アルミニウム製両持ちスイングアーム
ホイールトラベル(mm・前/後):130/145
乗車定員 :2名

試乗後の一言!

スロットルレスポンスには、少しヤンチャな雰囲気を残す迫力と、扱いやすいトルク特性を発揮するバランス具合が絶妙。駆動力のコントロール性はとても洗練されていた。