乗り心地や操安性が高まり同乗者に安らぎを与える

最近街中を走っていて、本当によく見かけるなぁと思う車種は、アルファード/ヴェルファイア兄弟である。しっかり見れば、アルファードの方が多いのだが、それは、アルファードに比べヴェルファイアが、こだわりをもつ方に選ばれるべく多少尖った仕様であるためだろう。

エクステリア

兄弟車のアルファードと比べて、前後バンパーモールやフォグカバーモールなどめっきづかいが目立つヴェルファイア。「E x ecutive Lounge」のオーソドックスなめっきに対し、「Z Premiere」グレードはスモークめっきを採用。最小回転半径は5.9m。

それを表しているのがパワートレインのラインナップである。2.4ℓターボエンジンは、当初からヴェルファイアにしか設定がなかった。基本的にはミニバンだけれども、走りは譲れないという方に人気が高いのがヴェルファイアという位置づけなのである。足まわりもアルファードよりは引き締まった設定になっており、ステアフィールのスッキリさが、ワインディングロードなどで引き立ってくる印象だ。元々重量のあるクルマにどうなのと、当初は言われたHEVモデルもすっかり熟成が進み、必要なときに適切なモーターアシストをしてくれるといった感じで、もはやメイン車種になっている感じもある。そこに、さらなる進化系として2025年初頭に加わったのがPHEVモデルだ。

乗降性

PHEVを採用したメインの理由は、ヴェルファイアがショーファーカーとしても使われている実態に照らし合わせ、よりEVのように扱えるシーンを伸ばしたかったからというもの。振動のなさ、静粛性、乗り心地の良さで、同乗者の快適度を向上させるというものだ。待機中も、電気のみでエアコンを作動することが可能なため、ショーファーユースに必要な快適空間の維持も、周囲に気遣う必要が少なく行ないやすいというメリットもある。

インストルメントパネル

インパネ中央の14インチ大画面のディスプレイオーディオは標準装備。メーターは12.3インチのフル液晶タイプ、カラーヘッドアップディスプレイも備え、情報表示は万全だ。

ちなみに一充電走行距離は、カタログスペックで73㎞。ショーファーカーの日常ユースなら90%はカバーできるという計算だ。ちなみ速度は120㎞/hまでEV走行できるので、高速移動も問題がない。しかし、なによりPHEV化の最大の恩恵は、その乗り味だと思う。大容量リチウムイオンバッテリーを車体中央の床下に搭載し、室内空間はそのままに、HEVモデルよりも重心高にして35㎜の低減化が図られており、ショーファーカーとしてはもちろん、LLクラスミニバンとしての重厚さがかなり増している。全高1945㎜もあるクルマとは思えないほど、イヤなロール感やユサユサ感もなく、こういうクルマこそPHEV化するべきなんだなと思えるほど、電池を搭載した効果が高く感じられたのだ。

居住性

この低重心化のおかげで、元々走り味にこだわりのあるヴェルファイアの切れ味のある走り面もレベルアップしている。重量増をまったく感じさせないどころか、バランスの良さが際立つようになったのだ。アルファードと比べると若干の乗り心地の硬さのようなものは感じなくもないが、このクルマをショーファーカーと捉えるのか、ドライバーズカーと捉えるかで評価は変わってくるといった感じだ。なお、街中では、〝カックン〞ブレーキを防止する、スムーズストップが功を奏し、本当に快適な移動が味わえる。

うれしい装備

電動式パワーリヤゲートの開閉スイッチはテールランプ脇の車両側面(左右両側)に配置。開閉するリヤゲートを気にすることなく操作できるのは便利だ。リヤゲート停止位置のメモリー機能も備わっている。
グリップ長620㎜のアシストグリップと、実測で地上高220㎜に展開するユニバーサルステップは、特に乗る際に便利さを実感する。
新規デビュー     24年12月20日 
月間販売台数     3022台(25年6月~11月平均)
WLTCモード燃費   17.7km/ℓ※「Z Premier」のFF車

ラゲッジルーム

3列目格納時の2列目位置は後ろにスライドした状態。乗員と荷物のバランスが取れたシートアレンジと言える。床下収納に普通充電ケーブルが余裕で収まるのはプラグインハイブリッド車として使い勝手が良い。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.174「2026年 国産新型車のすべて」の再構成です。

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