Porsche Gobi Desert Experience
世界屈指の冒険が待つゴビ砂漠

中国・新疆ウイグル自治区のハミ市周辺に広がるゴビ砂漠を舞台に開催された「ポルシェ・ゴビ砂漠エクスペリエンス」は、2日間にわたって極限のオフロードを走行を堪能できる、特別なドライビングプログラムだ。ルートの一部は世界的なクラシックラリー「北京〜パリ・モーター・チャレンジ」でも使用されるコースをたどり、参加者を壮大な冒険へと誘う。
一般的に砂漠と聞くとサハラ砂漠のように広大な砂丘を思い浮かべるかもしれない。しかし、中国とモンゴルにまたがるゴビ砂漠は大きく趣が異なる。柔らかな砂丘だけでなく、岩盤が露出した荒地や果てしなく続く砂利の平原、さらには険しい山岳地帯まで、多彩な地形が次々と姿を現す。走るたびに求められる技術は変化し、ドライバーは常に新たな挑戦に向き合うことになる。
2025年9月に行われたプログラムにおいて、主役となったのが「カイエン」。さらにステージでは「マカン EV」や「911 ダカール」も投入された。高度な全輪駆動システムと最新のシャシー制御技術を備えたカイエンは、砂地や岩場、グラベル路面といった過酷な環境でこそ本領を発揮する。
豪華旅行ではなく、求められる“覚悟”

ポルシェ・ゴビ砂漠エクスペリエンスは、ゴビ砂漠への玄関口でもあるハミ空港から始まる。参加者は2日間で約18時間以上も最新ポルシェでのドライブを楽しむことになる。蘇武砂漠や万里の長城周辺の荒野を巡りながら、ゴビ砂漠の壮大な景観を体感。宿泊や食事も参加費に全て組み込まれており、希望者にはルーフトップテントでの砂漠キャンプも用意される。
ポルシェというブランドが展開するドライビングイベントだが、贅を尽くした旅行ではない。ポルシェ自身も「極めて過酷なアドベンチャー」と説明しており、酷暑さや砂嵐、道標のない地形といった自然環境に加え、車両がスタックした際には参加者自身が脱出作業を行うこともある。砂漠へ入った後は簡単に引き返すこともできず、最後まで走り抜く強い意志とチームワークが求められる。
だからこそ、この体験には特別な価値があるとも言えるだろう。快適さや贅沢さではなく、困難を乗り越える達成感こそが、主役なのだ。ポルシェが用意したのは単なるドライビングイベントではない。ドライバーとして、ひとりの冒険者として自分自身を試すための時間なのである。
過酷な砂漠路で真価を発揮したカイエン

ゴビ砂漠へと向かう道程、アスファルトが突然途切れることに驚くかもしれない。ここから先は、もはやスピードを競う世界ではなく、試されるのは人とクルマの耐久力。果てしなく続く砂利の大地は地平線へと溶け込み、周囲に木は1本も生えていない上、日陰もなければ、人工物も見当たらない。あるのは砂塵と風、そして容赦なく照りつける太陽のみ。
最新のカイエンやマカン EV、911 ダカールといったオフロードモデルのステアリングを握れば、誰もが極限のオフロード環境に挑む冒険者となる。求められるのはドライビングテクニックだけではない。チームワークや判断力、そしてインフラの存在しない環境で困難を乗り越える力も必要となる。
シルクロードの一部として、古くから東西交流の場としても知られるゴビ砂漠は、何千年にもわたり旅人や商人たちを迎え入れてきた。だが、その道のりは決して容易ではない。ゴビ砂漠は日本の3倍以上の広さを誇り、荒々しく、時に人を寄せ付けない厳しさを見せる。
そんな環境の中で真価を発揮したのカイエンは、アダプティブエアサスペンションやオフロードモード、電子制御デファレンシャルロック、高度な全輪駆動システムといった最新技術を搭載。アスファルトの上ではラグジュアリーSUVとしての顔を見せるカイエンだが、荒野へ踏み込んだ瞬間、頼れる冒険の相棒に返信するという訳だ。。
夕暮れになると、一行は峡谷のキャンプに到着する。かつて内海だったというこの場所では、風が削り出した巨大な砂岩の壁が大聖堂のように空へ向かってそびえていた。日が沈み、焚き火を囲む頃には、文明の音はすべて消え去る。音楽もWi-Fiもない。ただ仲間たちの声と炎の揺らめき、そして見上げれば手が届きそうなほど鮮明な満天の星空が広がる。
昨年のプログラム参加費用は、 ドライバー1名あたり3万9911元(約95万円)。料金には2日間のオフロード走行プログラムに加え、3泊分の宿泊、食事、現地送迎、ポルシェ製モデル、専属インストラクターによるサポートなどが含まれる。ポルシェ・チャイナでは2026年も同様のプログラムを計画しているという。

