ポルシェが911 GT3シリーズのラインアップをさらに拡充する可能性が高まってきた。ニュルブルクリンクで目撃された最新プロトタイプには、これまでGT3では採用例のなかった“ダックテールスポイラー”が装着されていたのだ。

現行GT3は大型固定式リヤウイングを備える標準モデルと、控えめなアクティブリヤスポイラーを採用するGT3ツーリングという2つの個性を持つ。しかし今回の試作車は、その中間を埋める新たな仕様となる可能性がある。
■GT3は「500ps・1500kg」が理想という哲学
ポルシェは先日、新たな911 GT3 S/Cを発表したばかりだが、GTモデルの開発思想は今後も変わらないようだ。
GTモデルラインディレクターのアンドレアス・プレウニンガー氏は、「約500ps・車重1500kg以下」がドライバーズカーとして理想的なバランスであると説明している。

高出力化や重量増を追い求めるのではなく、「誰もが使い切れるパフォーマンス」を重視するのがGTモデルの哲学だという。
現行GT3に搭載される4.0L 水平対向6気筒自然吸気エンジンについても、今後数年間の排出ガス規制には十分対応できるとの見解を示しており、大幅なパワートレイン変更は予定していないことも明らかにした。
■ニュルで目撃されたGT3ツーリングにはダックテールを装着
今回スクープされた鮮やかなレッドのプロトタイプで最も目を引くのはリヤまわりだ。標準GT3なら大型固定式リヤウイング、GT3ツーリングなら電動可動式スポイラーを備えるところ、この試作車には美しいダックテールスポイラーが装着されていた。
さらにスポイラー内部にはセンターマウントのハイマウントストップランプも組み込まれており、単なる試作品ではなく、市販化を前提としたデザインである可能性が高い。
リヤデッキには“GT3 Touring”のエンブレムも確認されており、ツーリングモデルの新たな仕様として追加されることを示唆している。
■ダックテールはGTモデル初採用となる可能性
ダックテール自体はポルシェにとって伝統あるデザインだ。1973年の911カレラRS 2.7で市販車として初採用され、その後は2009年の997型911スポーツクラシック、996型クラシッククラブクーペ、2022年の992型911スポーツクラシックなど、限られた特別モデルで受け継がれてきた。
しかし、GTモデルへの採用はこれまでなく、実現すればGT3として初の試みとなる。
■GT3とツーリングの中間モデルになるのか
現時点でポルシェは、このプロトタイプについて何も明らかにしていない。一方、リヤデッキのバッジから判断すると、ダックテール仕様はGT3ツーリングの新オプションとなる可能性がある。固定式リヤウイングを持つGT3と、アクティブスポイラーを備えるツーリングの中間的なキャラクターを狙ったモデルという位置付けだ。
もっとも、ポルシェはスポーツクラシックのような限定モデルを数多く展開してきた実績があることから、このダックテール仕様も独立した特別モデルとして登場する可能性は十分考えられる。










