スーパーモンキーN.M.R.50現る!
1970年代半ば前後に勃興したミニバイクレース。関西ではシリーズ戦まで開催され、上位の常連だったのがスーパーモンキーだ。当初はチューニングショップとして開業しているが、レース活動が活発となるとレーシングチームとしての側面がクローズアップされた。実にカーボンフレームによる童夢DCF1で鈴鹿8耐にまで参戦するほどの実力だったスーパーモンキーが、84年に発売したのがN.M.R.50だ。

市販のモンキーにボルトオンで装着できるサブフレーム、アルミタンク、カウリング、バックステップ、リンク式モノショック仕様のスイングアームなどで構成され、完成車としても部品単体でも購入することができた。完成車の価格は49万8000円と高価なもので、そうそう買えるマシンではない。だがカウリングはホンダNS、ヤマハYZR、スズキRG-Γ、カワサキKRといった各メーカーのGP500マシンをイメージしたものから選べた。モンキーながら本格的な作り込みがなされたレーサーレプリカだったのだ。

「第18回モンキーミーティングin多摩」には、そのスーパーモンキーがブース出展することになった。それを聞いて遠く広島県からN.M.R.50を持ち込んだのが現車のオーナーであるラグちゃん。以前の記事で紹介した貴重な当時モノパーツで組み上げた4Lモンキーと同じオーナーだ。

ラグちゃんはN.M.R.50を新車で買ったわけではない。現在63歳ながら当時は指を咥えてみているしかできなかった。だが長らくモンキーのカスタムを楽しんできたので、いつかチャンスがあれば手に入れたいと夢見続けたマシンだったのだ。憧れ続けたN.M.R.50を見つけたのはネットオークション。完成車として出品されていたものを見つけるや、すぐさま交渉に乗り出した。

それが今から20年ほど前のこと。当時はスーパーモンキーのことを覚えている人が多くなかったためか、今のように当時モノの人気がなかったからか、あっけなく落札することができた。とはいえ50台前後しか生産されていない貴重なマシンのうちの1台を手に入れられた喜びはひとしお。サブフレームがあるとはいえモンキーのフレームはそのまま残っているのでナンバーを取得することもできるが、あえてナンバーを付けずに自宅で大切に保管してきた。

もちろん何度か乗っているので、走行距離は900km台にまで伸びている。動かなくなっては元も子もないので定期的にエンジンをかけたりショートコースなどで乗っているのだ。原付レーサーレプリカの中でもトップクラスに貴重なマシンである。ぜひ現状を維持したまま動態保存してもらいたい。なお、今回のモンキーミーティングではスーパーモンキーが展示した貴重なレーシングマシンも取材しているので、後日改めて紹介する予定だ。


のりもの館に早矢仕、MRDなどを使ったカフェレーサー

続いて紹介するのは「のりもの館」(のりものや)という70年代から80年代にかけて存在したパーツメーカーによるタンクカウルを装着した1台だ。オーナーは42歳の小田さんで、本来は大型の旧車を楽しんできた人。ところがある時、友人から無理矢理4Lモンキーを買わされたことが転機となって、モンキーカスタムの道を突き進むことになった。

古い大型バイクが好きだったのでモンキー、しかも4Lをカスタムするなら70〜80年代の古いパーツを使いたいと考えた。そこで10年ほどかける執念を見せてパーツを集め続けた。その間モンキーのカスタムも同時に進行していて、古いパーツが手に入るたびに仕様変更することを繰り返した。

まず目につくのがのりもの館のタンクカウル。シートカウルまで一体構造で、手に入れた時は結構なボロさだったものを、ここまで自力で美しく仕上げた。シート部分は作り直したほどで、下のシートフレームはGクラフト製を用いるなど苦労している。このタンクカウルが細身ということもあり、マシン自体も細さを追求してカスタムされている。

細さを演出する一環としてMRD製トップブリッジにキタコ製φ25mmフロントフォークを組み合わせた。もちろんハンドルはトップブリッジ下に角度をキツくしてクリップオン。さらにマフラーも当時モノのマキシムで今の目で見ると細身のタイプ。

エンジンはキタコ製キットにより108cc化されており、貴重なCR22キャブレターを組み合わせている。またSP武川の乾式クラッチ+5速ミッションまで組み込まれ、カフェレーサーの名に相応しい吹け上がりとパワーを獲得している。装着したオイルクーラーはキジマ製で、もちろん古いものを使っている。

ただしブレーキはディスク化せず、当時らしくドラムのまま。だがフロントのブレーキパネルにはJRP製が装着されており、しっかり古いパーツで固めている。足元ではエコショップワンの8インチキャストホイールとしてあるあたりも古さへのこだわりだ。


