1985年にダブルチャンピオンを獲得したスペンサー氏が来場!

開会式で登壇したフレディ・スペンサー氏(中央)。

フレディ・スペンサー氏をご存じだろうか。1961年生まれで、1980~90年代にかけてロードレース世界選手権で大活躍した伝説のライダーだ。1982年からホンダ・ワークスの選手としてWGPに参戦し、1985年にはGP500とGP250でダブルチャンピオンに輝くという快挙を達成。ホンダの長い歴史にその名を刻んでいる人物だ。

右のゼッケン4がNSR500(NV0B)、左のゼッケン19がRS250R-W(NV1A)。スペンサー氏が実際に駆ったマシンであり、現在はホンダコレクションホールで展示されている。

CBファンにとって何より印象的なのは、1982年の「デイトナ100マイルレース」で優勝した伝説のマシン「CB750F デイトナレーサー」だろう。シルバーにブルーのストライプを施した車体色は、後にスペンサーカラーと呼ばれるようになり、今やホンダのCBシリーズを象徴するアイコンとなっている。

右のゼッケン19がCB750Fデイトナレーサーだ。CB1000Fのメインカラー(左)の元ネタであり、これまでにCB750やCB1300SF、モンキー(!?)などにこれをオマージュしたカラーリングが施されてきた。

ウィズミー丸山浩がスペンサー氏をアメリカから召喚!

そんなスペンサー氏を、今年のCBファンミーティングに合わせてアメリカから招待したのが、モータージャーナリストであり株式会社WITH MEの創設者である丸山浩さんだ。

丸山さんは、ダブルチャンピオンを獲得したスペンサー氏に憧れて、1985年にレース活動をスタート。1992年には町井義生と組んで桜井ホンダから鈴鹿8耐に参戦し、このときにスペンサー氏をシケインでパスしたことが忘れられないという、筋金入りのファンでもあるのだ。

スペンサー氏は、昨年10月5日にホンダの熊本製作所で開催された「Hondaモーターサイクルホームカミング熊本2025」の際にも来日。トークショーで一緒に登壇した丸山さんは、このときから今回のCBファンミーティングへの招待を画策していたという。
CBオーナーによるサーキットパレードランで先導役を務めたスペンサー氏(右)。丸山さん(左)にとってはまさに感無量だろう。ちなみにスペンサー氏のヘルメットは、1978年にアライを被り始めた当時のカラーリングを現代的にアレンジしたもので、2018年に発売されている。
スペンサー氏が1992年に鈴鹿8耐に参戦した際のチーム監督、スクーデリアオクムラの奥村 裕さんがゲストとして登壇。当時のチーム名は「ミスタードーナツオクムラホンダ」で、ペアライダーは鶴田竜二。二人とも転倒を喫するも4位に入賞している。

併催の耐久レース形式走行会「マル耐」にCB1000Fで参戦も

この日、コースでは「マルっと耐久レース形式走行会(通称:マル耐)」が併催されていた。これは2011年から袖ヶ浦フォレストレースウェイで行われている耐久レース形式の走行会で、今回が記念すべき第30戦となる。

主旨はあくまでも「レースの雰囲気を楽しむための走行会」であり、クラスは参加車両の平均排気量によって5つに分けられている。注目すべきは、マシン差による優劣をできるだけ埋めるため、大排気量車は400cc未満(2ストは250cc未満)の車両を追い越してはいけない区間が設けられていることだ。

この独特なレギュレーションを前日に説明したという丸山さん。スペンサー氏は「それはユニークだね!」と言って快諾したという。結果、WGP王者が耐久レース形式の走行会を走るというサプライズが実現したのだ。

スペンサー氏の走りはコーナーの進入から立ち上がりまでウルトラスムーズだ。
ピットインのため後続に合図を送るスペンサー氏。ビギナーの参加が多いこの走行会の主旨を理解して、後続車両に大きくアピールしている。
耐久レースの雰囲気を味わうため、スタートはル・マン式が採用されている。スペンサー氏が支えるCB1000Fに飛び乗るのはもちろん丸山さんだ。
予選はバトンリレーによるランニングというのも、この走行会の面白さだろう。丸山さんからバトンを受け取った最終走者のスペンサー氏は2位でフィニッシュ!
ゼッケン24のチーム名は「フレディスペンサーCB&MSTV」。ライダーはフレディー・スペンサー、丸山 浩、町井義生、小鳥遊レイラ、武田淳、HISATOSHIの6名だ。

新型CB400SFを展示、スペンサー氏がまたがるサプライズも

CBファンミーティングでは、3月の大阪モーターサイクルショーで初公開されたばかりの「CB400 SUPER FOUR E-Clutch Concept」が展示された。屋外で一般公開されるのはこれが初めてだろう。

トークショーでは開発責任者の仲村さんが登壇し、「それほどお待たせすることなくお届けできるでしょう」と発言。VTECを廃した水冷直4エンジン、ダウンチューブのないダイヤモンドフレーム、そしてリヤサスペンションのプロリンク化などにより、従来型よりもかなり軽量に仕上がっていると自信を覗かせた。

エントリーユーザーが多いであろうことから、早い段階でEクラッチを仕様書に盛り込んだとのこと。VTECという機構は動弁系が重くなりやすく、また電スロ化によって同様の特性が狙えるなどの理由から、新型ではこれを廃したという。
中央が400の開発担当者である本田技研工業の仲村拓郎さん。エントリーユーザーが購入しやすい価格を目指したという。右はCB1000Fの開発責任者・原本貴之さんだ。
閉会式では、スペンサー氏がCB400 SUPER FOUR E-Clutch Conceptにまたがるというサプライズも!

新旧さまざまなホンダCBシリーズが来場、その数は何と733台!

さて、メインイベントであるCBファンミーティングには、スペンサー氏の効果もあってか、前年比180%(!)となる733台ものCBシリーズが来場。CB以外やマル耐参加者も含めると、総来場者数は1013台となった。

サーキットの外にある第2駐車場まで使うほどたくさんのCBが集合。まさに圧巻だ。
出展/出店ブースは全12社。南海部品はスペンサー氏の現役時代にレーシングスーツを提供しており、社内に残っていたものをかき集めて展示していた。
12時から行われたパレードランでは、1周2436mのコースを埋め尽くすほどのCBが走行。
自身のレプリカヘルメットにサインするスペンサー氏。
来場記念として配布されたステッカー。
恒例のじゃんけん大会では、スペンサー氏のサイン入りCB1000Fプラモデルも登場。

次回は2027年4月25日(日)の予定、CBファンは要チェック!

大盛況で幕を閉じた第5回CBファンミーティング。早くも来年の開催予定日が「2027年4月25日(日)」であると発表された。「袖ヶ浦のトラックは楽しいよ!」と言っていたスペンサー氏が再び来場するかは未定だが、ミーティングのためだけでも千葉県まで足を運ぶ価値は大だ。CBファンはWITH MEが発信するイベント情報をチェックしてほしい。