「榮技研」と聞いてピンとくるライダーはかなり“ツウ”な人だろう。同社は『花咲かG(はなさかじー)』を製造・販売しているメーカーだ。「それなら知ってる!」という人がほとんどだと思う。

この“花咲かGタンククリーナー”はご存じの通り、主に燃料タンク向けのコーティング・サビ取り剤として知られ、来年(2027年)で40周年を迎える、息の長いアイテムだ。その効果はてき面で、国内のみならず世界中で支持されている。

東京モーターサイクルショーでも常連の榮技研。早速ブースに立ち寄って同社代表の谷口初夫氏に話を聞いてみることにした。

40周年を迎えるロングセラー!

モーターファンバイクス編集部(以下、編):来年で誕生40周年、ロングセラーですね。

谷口さん:おかげさまで!日本だけでなく世界中で支持されております。

編:私も何度か使いましたが、タンク内のサビが一発で取れて毎回ビックリしちゃいます。

谷口さん:ありがとうございます。この展示しているパーツも今朝から浸け始めたんですが、もうこれだけサビが落ちちゃいました。

展示用の水槽に花咲かGを投入。わずか3時間足らずで漬けていた部分のサビが落ちてきれいなツートンカラーに!また、別のパーツでは塗装膜を傷めずサビにだけ効果を発揮していた。

編:説明書もわかりやすいし初めて使う人も安心です。

谷口さん:説明書も私が書いています。実際に作った人が書いた方がわかりやすいと思って。

編:そうなんですね。さすがバイク誌でコラムを連載しているだけある! 花咲かGは長く発売していますが中身(成分)などは変わっているんですか?

谷口さん:成分表を記載した公的な試験報告書も都度提出していますが、ほとんど変わっていません。ちなみに、タンククリーナー以外のものは発売時からそのままです。

錆びにだけ効いて環境に配慮!

編:長い期間、好評ということはそれだけサビ取り効果が優れていたと。

谷口さん:もちろんです! ただサビが取れるのは当たり前で基本コンセプトが間違っていなかったというのが正しいでしょうか。

編:基本コンセプトとは?

谷口さん:安心・安全に使用できること。“毒性”がないことですね。当初からアメリカでもセールス活動をしていたのですが、その時に「環境に優しい」ことが重要だと言われたんです。

編:なるほど。近年はSDGsの一環としてエコな取り組みが支持されていますが、アメリカでは80年代からそういった動きがあったんですね。

谷口さん:そうです。なので人体に影響はございません。粗悪なものは肌に付着すると水ぶくれになったりするものもありますけど、弊社の製品は安心して使用いただいけます。この中(水槽)に手を入れても大丈夫ですよ!

編:(おそるおそる手を入れてみる)本当だ!ピリピリするのを覚悟してましたがなんの刺激もありません。

谷口さん:過去に誤って飲んじゃった人がいるんですけど、胃もたれしただけですぐに回復していました。胃袋が規格外の“鉄人”とかではありませんよ。

編:おぉ!さすがに飲む勇気はありませんが、それだけで済んだのはスゴイですね!(※飲料水ではありません。絶対に口に入れないでください)

谷口さん:あとはケミカルを下水道に流しちゃう人もいるじゃないですか。そういう場合でも毒性が含まれていないので大事にはいたりません。ただ下水道に流してもOKではないのでご注意ください!

編:サビ落としの効果だけでなく、環境にも配慮した結果のロングセラーなんですね。

谷口さん:その通りです。現在はEU26か国のほかに中国や韓国、台湾などでも特許を取得して各国で販売しています。

編:ちなみに海外でも商品名は同じ「花咲かG」なんでしょうか?

谷口さん:もちろん。世界共通ですよ!

昔話の花咲か爺さんに由来する花咲かG。枯れ木に灰をまいて花を咲かせたように、錆びてしまった燃料タンクなどを蘇らせることから命名。左から水で3~30倍に薄めて使用する脱脂洗浄剤「マルチクリーナー」、ハケ塗りタイプの「ラスト・リムーバー」、クリーナー・ポリッシャー、ワックスの性能を併せ持った磨き剤。

バイク業界以外でも大活躍!

編:ただアジア圏はバイク大国ですけど、結構ヤレてるというか、メンテナンスとかをしないイメージがあります。

谷口さん:その逆です。例えばベトナムだとバイクはまだまだ高級な乗り物なんですよね。だから長く乗るためにしっかりとメンテナンスをする。タンク内のサビは故障の原因にもりえるので花咲かGは有効です。

編:なるほど!近年のバイクは海外生産も多いですけれど、時代を追うごとに車体の質も良くなっていると感じます。

谷口さん:確かに純正の燃料タンクは昔よりはサビにくくなっていますね。しかしガソリン(燃料)の方に問題があるんです。

編:といいますと?

谷口さん:近年はカーボンニュートラルへの移行でガソリンにバイオ燃料が含まれています。混合比は各国によって異なりますが、燃料に使用されるバイオエタノールは吸湿性があり、水分混入のリスクがあります。

編:水はサビ(腐食)の天敵ですね。環境に配慮している反面、問題も生じると。

谷口さん:錆びやすいか否かで言えば、今のガソリン(燃料)の方が錆びやすいと言えますね。

編:最後に、御社は“バイクのレストア事業”として活躍されていますが、将来的に電動化となると燃料タンク自体がなくなるように思います。

谷口さん:個人的にはバイクは趣味性が強いので、エンジン(内燃機)の魅力に惹かれる人が多く残ると思っています。ビジネス面では、燃料タンクがなくとも補器類では錆びへの対応は必要となりますので。弊社の製品はトラクターなどの農機具やトラックなどの需要も多く、自衛隊でも採用実績がございます。

編:バイクだけに留まらないわけですね。

谷口さん:最近では、ビールメーカーや煎餅メーカーの工場などでも使用されています。

編:なるほど!「毒素がない」、「人体に影響が少ない」のが活かされていますね。この度はありがとうございました。


(問)株式会社 榮技研 tel:03-3941-3115 https://www.hanasaka-g.com/