
「青汁王子」として話題を集めた実業家の三崎優太氏が代表取締役社長を務める三崎未来電子株式会社は、配送業向け新型EVバイク「L-noa」(エルノア)を発売した。国内4メーカーに続く第5の二輪車メーカーを目指して第一歩を踏み出した。5月19日、シティサーキット東京ベイにおいて「L-noa」の発表会および試乗会が行われた。
三崎未来電子株式会社:https://misaki.co.jp/
第一弾としてまずは配達業務に特化した新型EVバイクを投入
世界情勢によるガソリン価格の高騰や不安定化、また環境対応といった構造的課題への具体的解決策、人手不足への対応といった観点から、配送業務に特化したEVバイクの開発を進めてきた三崎未来電子株式会社が、第一弾として発売を開始したのが原付一種の新型EVバイク「L-noa」(エルノア)だ。5月19日に東京江東区にあるシティサーキット東京でメディア向けに発表試乗会が行われた。
実業家の三崎優太氏が代表を務める三崎未来電子株式会社は2024年5月15日に設立。買収したaideaの電動二輪事業をベースにEVバイクの開発をスタート。約2年の歳月をかけてL-noaの発売にこぎつけた。三崎氏がEVバイク事業に参入しようと考えたのは、会社設立の一ヶ月ほど前、バイクで走行中に事故に遭い左腕を負傷するというアクシデントがきっかけだったという。現在も後遺症に悩むが、バイクから離れることは考えずむしろ、積極的にバイクに関わる選択をしたのである。こうして三崎未来電子株式会社は生まれた。
L-noaの開発に当たっては、EC市場の拡大に伴い「ラストワンマイル」の配送需要の増加に対して、人手不足やガソリン価格の高騰などにより、業務コスト上昇や稼働効率の悪化といった問題が生じている。そうした現状に対処するためのひとつの方策として、配送業務に特化したEVバイクが必要だとの結論に達したのだ。
見た目の格好良さももちろん大切だが、満充電でまる1日走行できる航続距離の実現、大量の新聞などの荷物が安定して積める高い積載性、そして早朝や夜間でも騒音を発しない静粛性、狭い場所での取り回し性といった配達業務において高い利便性を発揮することが重要と考え、機能性を第一に開発したという。結果として採用したリン酸鉄リチウムイオンバッテリーは内蔵式とし、家庭用のAC100V電源からの電力供給を可能とした。0%から100%までの充電にかかる時間は約7時間。満充電での航続距離は約155kmを実現している。さらに手元ライトを装備した大型フロントバスケットに、大型リアキャリアが高い積載性を確保。ブレーキは前後シングルディスクで、リアブレーキはフットペダル式を採用。さらに切り返し操作を容易にしてくれるリバースシステムも導入している。




実はL-noaはすでにいくつかの新聞販売店において実証的に運用している。そうした中で改善点を見出していくわけだが、販売店の方によれば、使い勝手に関してはまったく問題ないとのこと。また航続距離に関しては80kmくらいだそうだ。東京や大阪など人口密度の高い都市部では配達エリアがある程度限定されているので40kmほどの航続距離でもまかなえるが、走行距離が長い地方での配達業務では航続距離は重要な要素。現実的に80km走ってくれるのであれば全国どこでも対応してくれる。
最後に三崎代表にいくつか尋ねてみた。aideaの二輪事業買収によって、既存モデルのAA-wiz PRO αのノウハウは生きたかについては、現実的に不具合が多かったので、結局ゼロから開発することになった。ただし、引き継いだ従業員が失敗例を理解しているので、L-noaの新規開発に役立ったそうだ。さらに今後の展開に関しては、まずは顧客の要望を聞いて適応するEVモデルを開発していきたいとのこと。また海外市場への進出も視野に入れているということだった。
いずれにしても新規メーカーである三崎未来電子株式会社はスタートしたばかりだ。今後の発展と定着に期待したい。
L-noaの走行性能、乗り心地をチェックしてみた

シティサーキット東京はその名の通りゴーカート用の簡易的なコースとなっている。L-noaの試乗はコースのみで行われた。
操作方法の説明を受けたのちシートに跨がる。面積が広く肉厚のシートは座り心地が良く、自由度も大きい。これなら丸一日乗っても疲れは少なさそうだ。またステップスルーのフロアボードで乗降性もいい。
イグニッションをONにしてサイドスタンドを払い、ブレーキレバーを握る。すると大型デジタルメーター内の表示がNからDへと変わる。あとはアクセルを操作するだけで発進する。
ご存じのようにモーターは、エンジンと異なり電気的な入力が入った瞬間に高い出力を発生する。なので一気にアクセルを開けるといった操作は禁物だ。まあ一般的なエンジンバイクと同様にジワリと開けていけば問題ない。こうしてスタートしたのだが、モーターならではの滑らかなパワーフィーリングが心地よい。音もなくスーッと加速する走りはいかにもEVバイクならではといった感覚だ。パワー的には他の原付一種EVと大きく変わらない。ゴー&ストップが頻繁な配達業務でも不測のない加減速ができる。
操縦性に関しては、基本的に安定性重視といった印象だ。前後サスペンションもやや硬めで、大量の新聞を積んでもしっかりと走行できる方向で設計されている。ハンドリングも素直で、路地の十字路を曲がるような小回り操作に対しても問題なく追従してくれる。前後ディスクブレーキは制動力自体に不足はないが、入力初期にもう少し効きが感じられるフィーリングのほうがより良かったかなと思った。リバースシステムについては、128㎏の車体にはたして必要があるのか?とも思ったのだが、実際に右手にあるスイッチを操作してみると、ラクに後退できて便利だと感じた。価格は670,000円。配達業務用のEVバイクでは他に、ホンダBENLY e:Ⅰプロがあるが、価格は701,800円となっている。





















