V37型日産 スカイラインは約12年の長い販売に幕


今でこそV37型日産 スカイラインは、大排気量のハイパワーエンジンを搭載したプレミアムセダンのイメージが定着しているが、長い販売期間のなかでの歩みは順風満帆ではなかった。
2014年2月の登場当初は3.5L V6エンジン+ハイブリッドシステムのみの構成であり、発売から約半年後にはダイムラー(メルセデス・ベンツ)製の2.0L 直4ターボエンジンを搭載したGT-tグレードが追加されたが、セダン市場全体の低迷も相まって販売台数は伸びなかった。
大きな転機となったのは2019年7月のビッグマイナーチェンジだ。このタイミングで4気筒ターボエンジンは廃止となり、最高出力304psの3.0L V6ツインターボエンジンが搭載された。同時に、3.0L V6ツインターボエンジンを405psまでチューンナップした“400R”も登場した。
また、V37型スカイラインの大きな特徴であるステア・バイ・ワイヤシステムは、マイナーチェンジで制御に手が加えられフィーリングが大幅に改善。さらに3.5L V6ハイブリッドモデルには、一定条件下でハンズオフ運転を可能とする“プロパイロット2.0”が標準搭載された。
外観は日産を象徴する“Vモーショングリル”へと変わり、テールランプはスカイライン伝統の丸形に回帰。この大幅なテコ入れによってV37型スカイラインは高額車種ながら販売台数を伸ばし、セダン不遇の逆境のなか再び注目を浴びる存在となった。
登場自体が10年以上前であるため基本設計自体の古さは隠しきれないが、これほど純粋に走りを楽しめるFRセダンは希少な存在だ。最新のクルマに比べると内外装にも古めかしさは残るものの、ノスタルジックな雰囲気が漂う点もV37型スカイラインならではの魅力と言えるだろう。
低年式車なら100万円以下、高年式車も新車の半額で狙える


中古車で購入する場合は年式と搭載エンジンに注意する必要がある。V37型スカイラインのグランドツアラーとしてのキャラクターは年式、搭載エンジン問わず一貫しているが、中古車相場はマイナーチェンジの前後や搭載エンジンによって明確な差が生じている。
走行距離15万km前後となる初期型の過走行車であれば60万円から購入可能。走行距離5万km以下の条件でも初期型ならコンディションによっては100万円程度の個体が出回ることもある。
内外装の質感アップがはかられた2017年12月以降のモデルは、走行距離5万km以下の底値は200万円へ上がり、2019年のビッグマイナーチェンジ以降のモデルは250万円からが相場だ。
エンジン別の相場を見ると、初期の3.5L V6ハイブリッドモデルは150万円からが相場となり、2.0L 4気筒ターボモデルは140万円から250万円程度が目安となる。
2019年に追加された3.0L V6ツインターボモデルの底値は250万円から、プロパイロット2.0が搭載される2019年以降の3.5L V6ハイブリッドモデルは270万円からだ。
改良以降のモデルは中古車として高値を維持しているが、新車価格と比べると安い個体では半額程度に落ち着いており、登場当初の新車価格が649万5500円だった“400R”の低走行距離車は340万円が底値となる。
ただし、限定モデルは軒並み新車価格を超えるプレミア価格が付けられている。400台限定だった“400Rリミテッド”の底値は新車価格を大きく超える750万円、1000台限定だった“NISMO”は650万円以上の値段が相場だ。
新車価格947万9800円で100台限定だった“NISMOリミテッド”も数は少ないが中古の未使用車なら現在でも手に入る。
後期型ツインターボがベストバイ! 悩ましいのは中古車価格が安い前期型

V37型スカイラインは堅牢な作りになっており、中古でも比較的安心して購入できるクルマと言ってよいだろう。
なかでも、購入するならエンジン自体の信頼性が高いうえ圧倒的なパワーを安心して楽しめる3.0L V6ツインターボモデルがおすすめだ。高速道路でのハンズオフ運転が可能なプロパイロット2.0を目当てとするなら、2019年7月から2022年9月までラインアップされていた3.5L V6ハイブリッドモデルの一択となる。
どちらのモデルも中古車価格は高めだが、新車価格の半額以下で購入できるなら魅力的な買い物と言えるだろう。
悩ましいのはそれ以前の低年式モデルだ。安く購入できる点は大きな魅力だが、維持費の面でやや懸念がある。
税金や燃料代、メンテナンス費用など基礎的な維持費の高さに加え、ハイブリッドモデルは駆動用バッテリーや制御モジュールの将来的な故障リスクがついて回る。
また、メルセデス・ベンツ製のエンジンを搭載した4気筒ターボモデルは、走行距離が伸びてくると発生する始動時の異音が定番トラブルだ。この症状自体は大きな問題にはならないが、エンジントラブルが起こった際に高めの修理費用がかかったり、部品の取り寄せに時間を要することがある。
低年式モデルは短期間だけと割り切って乗るつもりで購入するか、安い中古車価格に惑わされず、高めの維持費をしっかりと考慮したうえで購入する必要がありそうだ。
