イタリアの自由と現代的なエレガンスが融合

ベスパは、フランス南部のリゾート地サントロペを拠点とするブランド「Gigi Saint Tropez」とのコラボレーションモデルを発表した。イタリアンリヴィエラの夏や自由な空気から着想を得た特別仕様で、旅への情熱、エレガンス、人生を楽しむ姿勢という両ブランドに共通する価値観を一台のスクーターに表現している。
ベスパは、単なる移動手段にとどまらず、イタリアのライフスタイルや自由の象徴として世界中で親しまれてきた。時代に合わせて新しい領域へ踏み込み、ファッションやデザイン、アートなど、異なる文化との協業も積極的に展開している。
今回パートナーとなったGigi Saint Tropezも、洗練されたリゾートスタイルと、地中海沿岸の開放的な雰囲気を体現する存在だ。両者のコラボレーションでは、優雅さ、自由、人生を楽しむ喜び、そして細部へのこだわりをテーマに、夏のサントロペを象徴する特別なベスパを作り上げた。
鮮やかなサンイエローとコニャックカラーのシート

車体を包む鮮やかなサンイエローは、Gigiのルーツと南フランスの強い日差しを表現したものだ。明るく温かみのある色彩は、海辺の景色や夏の太陽を思わせ、一般的な市販モデルとは異なる華やかな存在感を放つ。
シートにはコニャックカラーのパッド入り素材を採用し、アイボリーのステッチを組み合わせた。派手さだけに頼らず、クラシックで控えめな高級感を持たせることで、ベスパ本来の歴史的なデザインとも自然に調和している。
フロントフェアリングには、Gigiを象徴するストライプ柄のパラソルをモチーフとした装飾を配置。正面にはGigiのロゴもあしらわれ、ビーチやリゾートへ向かう開放的な気分を演出する。
細部の色や素材を単独で目立たせるのではなく、一台全体をサントロペの夏の情景として構成している点が、このコラボレーションモデルの大きな特徴となっている。
籐製バスケットやビーチタオル用ラックを装備

実用装備にもリゾートスタイルを意識した工夫が加えられた。フロントには革製ストラップを備えたラゲッジラックを装着し、ビーチタオルなどを固定できる構造としている。
リア側にはクローム仕上げのキャリアを設け、その後方に籐製バスケットを装着した。古くから地中海沿岸で親しまれてきた生活用品の雰囲気を取り入れ、海辺へのピクニックや街中での買い物といった情景を想起させるデザインに仕上げている。
ホイールはアイボリーホワイトで塗装され、サイドウォールを強調したタイヤとの組み合わせにより、かつてサントロペの道路を走っていたクラシックベスパのスタイルを現代的に再解釈した。
最新の車体を基礎としながら、クローム、レザー、籐といった伝統的な素材感を取り入れることで、モダンさとノスタルジーを両立している。単なる限定カラーではなく、装備や素材まで含めて独自の世界観を構築した一台といえる。
注文生産の限定モデルとして1万2000ユーロ(約223万円)から販売

「Vespa Gigi Edition」は、シーズンを通じてGigi Saint-Tropezの松林に囲まれた空間で展示される予定だ。サントロペの風景の中に置かれることで、移動する乗り物という枠を超え、夏のリゾート文化を象徴するオブジェとして存在感を示す。
特別仕様車は当初Gigiのために製作されたが、ブランドのファンやコレクターに向けても限定販売される。購入はベスパを通じた完全受注方式となり、価格は1万2000ユーロから。生産台数などの詳細は公表されていないものの、希少性の高いコレクターズモデルとして展開される。
今回のコラボレーションが表現するのは、太陽を追い、美しい道を走り、移動そのものを目的地として楽しむというライフスタイルだ。
イタリアを代表するスクーターと、サントロペのエレガントなリゾート文化が出会ったVespa Gigi Editionは、2026年の夏を象徴する特別なモデルとなりそうだ。
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