連載

今日は何の日?

■トヨタの国民トラック・トヨエース誕生

1956年7月8日に「ライトトラックSKB型」から「トヨエース」に改名

1956(昭和31)年7月18日、トヨタ自動車は1954年9月に発売を始めた「トヨペット・ライトトラックSKB型」1トントラックを、公募により「トヨエース」と改名した。トヨエースはその後2020年まで8代、約64年間にわたりトヨタの小型トラック市場を支えた代表的なモデルとなった。

小型市場は3輪トラックから4輪トラックへ

戦時中は軍用として向かないと敬遠されていた3輪トラックだが、戦争が終わった途端に一転、安価で小回りが利いて人や生活用品を輸送するのに便利ということで急速に需要が高まった。

1953年 マツダ 三輪トラック CTA82型
1953年 マツダ 三輪トラック CTA82型

この市場要求に応えるかたちで、東洋工業(マツダ)とダイハツを中心に、多くのメーカーが3輪トラック事業に参入した。その後1955年頃まで3輪トラックの売れ行きは好調で、主役であり続けた。

1937年 発動機製造(ダイハツ) オート三輪 SA-6型
1937年 発動機製造(ダイハツ) オート三輪 SA-6型

しかし、1950年代初頭の3輪トラックは、オートバイのように前方のエンジン上のサドルに運転者が跨り、前輪をバーハンドルで直接操縦するという、オートバイに荷台を付けて始まった戦前以来の構造で、やっと前方の風よけや屋根幌を装備し始めた状態だった。

また、1955年以降に日本は高度成長期を迎え、道路の整備が進み、トラックにも高速で長距離を走行することが求められるようになった。3輪トラックは安価ではあるが、これらの市場要求に応えられなかった。そのような状況下で1954年9月に登場したのが、4輪トラックの「トヨペット・ライトトラックSKB型」だった。

3輪トラックに対抗して登場したライトトラックSKB型(トヨエース)

「ライトトラックSBK型」のベースとなった1953年8月にデビューした「SK型」

ライトトラックSKB型は、ボンネットを持つ1953年8月に誕生した「SK型」のシャシーを利用したセミキャブオーバー型の小型トラックで、キャビンを前進させることで荷台長をSK型より500mmほどロング化。また、前後縦置きリーフスプリングによる車軸懸架、低床はしご型フレームシャシーとし、機能に徹した極めて簡素な設計でフロントガラスは平面、シートはハンモックタイプが採用された。

1954年9月トヨペット・ライトトラックSKB型(トヨエースの前身)発売

車両価格は62.5万円、当時の1トン3輪トラックの価格45万円程度に較べるとかなり高額だったため、当初販売は低調だった。そこでSKB型拡販のための販売店としてトヨペット店を開業し、値下げをしたうえで強力な拡販活動を実施した。

1956年1月から価格を55.3万円に下げ、また荷台とキャブのバリエーションも拡大され、低床・高床・ダブルキャブの各種トラックやバンモデルなどを展開。同年5月には更に53.8万円まで値下げし、このあたりから販売が伸び始めた。当時の大卒初任給は1.2万円程度(現在は約23万円)だったので、単純計算では現在の価値で約1031万円に相当する。

1959年型 トヨエース SKB型
1959年型 トヨエース SKB型
1959年型 トヨエース SKB型
1959年型 トヨエース SKB型のコクピット
1959年型 トヨエース SKB型のシート

そして7月のこの日に、SKB型は公募により「トヨエース」に改称。トヨエースとなってからは販売は一気に加速し、トヨタ自ら“トラックの国民車”と称するほどのベストセラーカーとなった。これを機に、小型トラック市場は3輪から4輪の時代に舵を切ったのだ。

小型トラックを代表するトヨエースも2020年に終焉

人気を獲得した初代以降も、「トヨエース」はその名の通り小型トラックのエースとして進化し続けた。以下に、歴代トヨエースのトピックスのみ紹介する。

1979年3月にデビューした4代目「トヨエース」
1985年8月にデビューした5代目「トヨエース」
1999年5月にビューした7代目「トヨエース」

3代目(1971年~1979年)では、トヨエース初のディーゼル車と2トン積みが追加。
4代目(1979年~1985年)は、3代目まで継承されたセミオーバーキャブからキャブオーバータイプに変更。
5代目(1985年~1995年)は、2トンと3.5 トン積が追加され、同時に5代目「ダイナ」とバリエーションが共通化されて兄弟車となった。
7代目(1999年~2011年)から日野自動車とのOEM契約によって、積載量2トン以上の車両は、日野「デュトロ」のOEM車両となった。
ラストモデルとなった8代目(2011年~2020年)は、2トン積み車をフルモデルチェンジ。コモンレール噴射システムを使ったクリーンディーゼルシステム(DPR)によって、燃費向上や排ガス低減に成功、さらにハイブリッドシステム車も登場した。

5代目トヨエース=ダイナ

しかし、2020年3月31日をもってダイナに統合されてトヨエースは8代64年の幕を閉じた。

・・・・・・・・・・・・
トヨタは、歴史的に見ても数多くの兄弟車を販売してきたが、2020年前後に販売系列が統合され、兄弟車や重複モデルを減らすという車種整理を進めた。トヨエースとダイナの兄弟車は、実質同じモデルを別名で販売していたので、ダイナに一本化されたのだ。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

連載 今日は何の日?

by MotorFan
歴史 2時間前

働くクルマの代名詞、トヨタのライトトラックSKB型を「トヨエース」へ昭和31年に改称、54万円で大ヒット!【今日は何の日?7月18日】

by MotorFan
歴史 2026.07.17

タフ&ワイルド感が大盛り! スズキ「ハスラー・タフワイルド」は149万円~18年発売【今日は何の日?7月17日】

by MotorFan
歴史 2026.07.16

「技術の日産」が世界最高レベルの燃費を目指し1.2L 3気筒直噴スーパーチャージャーエンジンを10年に発表【今日は何の日?7月16日】