
2026年6月7日に埼玉県秩父市で開催されたイベント「花見の里で感謝の集いやります!」。蕎麦をテーマにした商業施設であるちちぶ花見の里で、蕎麦の花が開花したことを受けて開催されたもので会場の一角を使って旧車の展示が行われた。台数こそ少ないものの粒揃いの名車が集まり、来場者の目を楽しませてくれた。

車列のなかに近年の旧車イベントで見かける機会が減ったように感じる初代シビックが展示されていた。程度がよく珍しさも手伝ってオーナーを探すと、なんと27歳という若さ(?)の鯨井瑛(あきら)さんが所有するクルマだった。高齢化する旧車オーナーが多いなか、20代と聞くと思わず若いと感じてしまう。ではまた、なぜ初代シビックを手に入れたのだろう。

鯨井さんはホンダ学園の卒業生で現在もクルマ関連のお仕事をされている。ホンダ学園時代にS800クーペをレストアする機会に恵まれたことでホンダの古いクルマがどうしても欲しくなった。だがSシリーズは予算的に厳しいものがあり、初代シビックに行き着いたというわけなのだ。

ただし一般的な売り物が見つかるわけもないほど初代シビックは台数を減らしてしまった。そこで初代シビックのオーナーズクラブであるクラブSB-1に相談してみることにする。ホンダ学園時代の同級生がクラブSB-1と繋がりがあり、紹介してもらったのだ。

それでも手放す人が現れるまで数年も待つことになった。しかも前オーナーはDIYでカスタムを施していたためノーマルに戻してから譲り受けることになるのだが、作業がなかなか進まず待つ時間は合計で4年という長さになってしまった。鯨井さんの元へシビックが来たのが2024年のこと。鯨井さんで4オーナー目ということで履歴もはっきりしているから、あまりトラブルにもならなかった。

とはいえ何事もなかったわけではない。キャブレターのオーバーホールやウォーターポンプの交換、ACGをIC化されたものに交換するなど手をかけている。前オーナー時代にキャブレターをソレックスに変更していたそうで、ノーマルのCVキャブレターに戻したところ、長いこと使っていなかったことが原因でオーバーホールすることになったようだ。

さらに左リヤのドラムブレーキ内にあるホイールシリンダーが漏れてしまい、これまた交換している。さすがにホンダ学園を卒業しているだけに、これらすべての作業を鯨井さん自ら行っている。こうした作業はお手のものでシビック以外にもCBM72というさらに古いバイクも所有しているそうだが、なんとこちらはフレーム状態で手に入れたもの。そこからパーツを探してきては自分で組み立て走行可能な状態にまでしている。

初代シビックのお気に入りのポイントを聞くと、純正のオレンジボディとマルエヌ製オープントップが装着されていることを挙げてくれた。またハヤシ製のアルミホイールは貴重な当時モノだそうで、古いモノにこだわっているところが旧車乗りらしさを感じさせてくれた。

入手後にカスタムした点としてはコンチネンタル製タイヤに交換したことと、オプティマ製バッテリーに変更したこと。さらにエキゾーストカバーを自作してエンジンの熱対策を施している。ただ乗るだけでなく自ら改良したり修理するスキルを身につけているので、これからも鯨井さんの旧車ライフは楽しみながら続きそうだ。

