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ドラテク初級~中級 悩み克服法 Garage123走行会 井尻 薫/蘇武喜和が優しくレクチャー 前編【Playback REVSPEED】2022年

レブスピードの旧ウェブサイトrevspeed.jpから、過去によく読まれた記事をピックアップ。以下、内容は当時のままだ。その頃を懐かしんでご覧いただきたい。 2021年11月17日に筑波サーキット コース1000で催されたGarage123走行会を取材。 定期的に開催される同社の走行会は井尻 薫選手や蘇武喜和選手によるレクチャーが好評だが、両ドライバーに、ズバリ、初心者が陥りやすい罠とその克服法、中級者がまだまだタイムを削れるポイントと、そのためのトレーニング法を伺った。 Photos/伊藤嘉啓 Text/西川昇吾

スキルアップに適したクルマの準備

スキルアップに有効なクルマの仕様内容について、ふたりのインストラクターに聞く。タイヤ、ブレーキパッド、サスキット、L.S.D.は、それぞれどんなものがよいのだろう?

タイヤはハイグリップ過ぎないほうが◎

井尻講師のアドバイス

「スキルアップを目的にローパワーの車種で来られるお客様が多いのですが、POTENZAのAdrenalin RE004やADVANのFLEVA V701など、セカンドグレードのスポーツラジアルがオススメです。

グリップが高過ぎないため、丁寧な操作が身につきますし、滑り出しも穏やかでコントロールしやすいです。ハイパワー車なら、DIREZZA ZⅢやADVAN NEOVA AD09などのハイグリップラジアルがいいと思います。

空気圧はタイヤが温まったとき(温間)に純正指定空気圧に合わせるところから始めてください。走行直後に空気圧をチェックして純正指定空気圧に合わせられたら、そこから空気圧を高くしたり、低くしたりしてベストなポイントを探っていくとよいでしょう」

蘇武講師のアドバイス

「初心者の方には安全面からハイグリップラジアルをオススメしたいです。

そして、次の段階で、コントロール性に優れたセカンドグレードのスポーツラジアルをオススメします。慣れてきたら、“クルマの声”を聴きやすいタイヤで練習するのがよいです。

空気圧が高いとピーキーな挙動になりがちなので、車種によって異なりますが、温間を2.0など、あまり高くない数値に合わせてみてください。そこから空気圧の振り幅を大きくしてみて、フィーリングの違いを確かめて、よさそうと思った数値から、さらに細かく探っていくのがよいでしょう」 

ブレーキパッドは効きよりもコントロール性重視で

井尻講師のアドバイス

「ブレーキパッドとブレーキフルードは必ず換えておくべきです。パッドはタイヤによって選択が変わりますが、ローグリップのタイヤなら、効き自体は弱く、耐熱温度が高いものを選んでください。

自身の装着タイヤとよく走るコースなどをブレーキメーカーやショップに伝えて、聞いてみるとよいでしょう。フルードは最低限DOT4以上のスポーツフルードにして、1日スポーツ走行したらエア抜きをするようにしてください。全交換でなくても構いません」

蘇武講師のアドバイス

「効きがよいものよりもコントロール性が高いものをオススメします。コントロール性の基準としては、高速コーナーで操作しやすいもの。

また、走行中の注意なのですが、最近のクルマはABSを効かせて走ることが多いため、ローターの温度も上がりやすく、熱ダレしやすい。

ブレーキのストロークが前よりも深いなど、違和感を覚えたら無理をしてはいけません。フルードはDOT4以上のものを選んで、1日サーキットを走ったらエア抜きをするようにしてください」

サスキットはノーマルからスタートがオススメ!

井尻講師のアドバイス

「まずはノーマルで走るのをオススメします。走り込んで車高調キットを装着したいと思ったら、どんな目的で仕上げたいかを決めることが重要です。

タイムを求めればハードな方向になりますし、コントロール性を求めればソフトになります。目的や装着タイヤ、クルマの仕様、今後のチューニングプランなどを加味して、サスキットのメーカーやショップに相談して決めましょう。

減衰力調整は各サスキットの推奨値に合わせて2~3ノッチの間で調整するのがよいと思います。推奨値は説明書などに書いてありますし、もし、わからなかったら、それもメーカーに問い合わせるとよいでしょう」

蘇武講師のアドバイス

「最初はノーマルでも構いません。サスキットはバンプラバーにこだわったものがオススメです。(蘇武講師はBLITZのZZRがお気に入り)。

ストリートメインのソフトなものでも、ある程度、サーキット走行に対応できますし、バンプラバーが良質なものは、コントロール性に優れています。減衰力調整に関しては、まずは振り幅を大きく振って、いろいろ試してみてください。理想の進入姿勢づくりができないコーナーで、走りやすい減衰力値を探るとよいでしょう」

L.S.D.は緩めからスタートがオススメ!

井尻講師のアドバイス

「選択やセッティングは装着タイヤによって異なります。ハイグリップなら強めに効かせて、ローグリップなら弱めに効かせるといった傾向です。

L.S.D.が効き過ぎてしまうと、唐突に駆動が伝わってピーキーだったり、曲がりにくかったりします。自身のクルマの仕様を伝えて、どのような選択と組み方をすべきか、メーカーやショップに相談するのがよいと思います。また、定期的なオーバーホールも忘れないでください」

蘇武講師のアドバイス

「スキルアップには、まず、イニシャルトルクやカム角を弱めにするのがオススメです。コーナー進入での姿勢変化を邪魔しない方向です。慣れてきたら、タイム短縮のためのリセッティングを楽しみましょう」

中級者がタイムを削るためのアドバイス

中級者がタイムを削るためのアドバイスとしては、以下のふたつが挙げられた。タイムが伸び悩んでいるという人は、ぜひとも参考にしてほしい。

複合コーナーの走り方

筑波コース1000を例にすると最終コーナーが最もわかりやすい。最終コーナーは3つのコーナーから成り立っていて、どのポイントでどのようにクルマを操作すべきか悩みがち。

しかし、悩みながら走ると減速も旋回も加速も中途半端になってしまう。複合コーナーをどのように走るのか、しっかりと具体的なイメージを持ち、迷いなく走れるようにしておくことが重要だ。

井尻講師のアドバイス

「ひとつのコーナーとして考えることと、どこが効率的にタイム短縮できるところか、を考えることが重要です。

筑波コース1000の最終コーナーの場合、早くアクセル全開にして立ち上がり、ストレートでのタイムを短縮するのが効果的なので、そこから逆算して考えるとよいと思います。

具体的な方法としては、コース図を見てライン取りやアクセルとブレーキのポイントをイメージするのがよいです。また、V字ラインのイメージで、加速と減速は1度にまとめたほうがスムーズにメリハリよくできると思います」

蘇武講師のアドバイス

「複合コーナーはボトムになる箇所をひとつにするイメージで走ってください。筑波コース1000の最終コーナーの場合、車種にもよりますが、ひとつ目のコーナーを過ぎて最もアウトに来るポイントの手前で減速するイメージです。

また、複合コーナーの場合は、強く短いブレーキだけでなく、エンジンブレーキを併用した緩く長い減速も選択肢として有効です。ある程度、スキルが身につくと、強く短いブレーキこそ正義と思ってしまいますが、緩く減速することもタイム短縮にはときとして有効なのです」

②アクセルコントロールでスライドを止める

ある程度走り慣れた人ならば、スライドした際にカウンターステアを当てることが体に染みついているだろう。

しかし、タイム短縮を狙うには、そこから一歩進んでカウンターステアだけではなく、アクセルコントロールでスライドを止めることを意識したい。

端的にいえば、スライドコントロールをアクセル操作で行うということだが、これは後輪駆動車に限った話ではない。

スライドし始めたら「アクセルコントロールで荷重を後ろに持っていく」というイメージで、少し踏み足すような形でアクセル操作してみよう。

アクセルコントロールでスライド量をコントロールできれば、コーナリング中に向きを変える選択肢が広がる。タイム短縮の基本は、コーナー出口でいかに早いタイミングでアクセル全開にできるか? 

そのためにはアクセル全開にできる姿勢を早くつくることが必要だ。姿勢を早くつくるということを考えたとき、スライドコントロールで選択肢を増やすことは有効なのだ。

井尻講師のアドバイス

「スライドコントロールの練習はリスキーなので、低い速度かつローグリップなタイヤで始めるべきです。

最初はジムカーナ場などで行われている広場練習がオススメです。ポイントはどこでスライドしているか、入口でオーバーステアならばリアの荷重が抜け過ぎていて、出口でオーバーステアなら(後輪駆動車の場合)アクセルを踏み過ぎています。

前者の場合はブレーキとステアリングのオーバーラップを抑えて、後者の場合はアクセルを弱めてステアリングを戻し気味にします。そのバランスを身につけてください」

蘇武講師のアドバイス

「スライド中にアクセルを踏まないとリアがそのまま流れてしまうので、パーシャルスロットルで流れを止める必要があります。

スライドコントロールの練習自体はジムカーナなどでの広場練習がオススメですが、パーシャルの量を感覚として覚える練習は街乗りでもできます。

パーシャルスロットルを意識することはもちろん、踏み込んだときのパーシャルスロットルだけでなく、戻したときのパーシャルスロットル量と減速具合も意識してください」


■REVSPEED

https://motor-fan.jp/publisher/revspeed/

■取材協力:Garage 123  

https://www.garage123.jp/