Maserati Japan Grand Tour 2026 AWAJI
“Amici di Maserati”

京都から広島まで、西日本の6店舗からスタート

 これほど頻繁にツーリングイベントが開かれるブランドったらない。ある時はディーラー単位で、またある時はクラブ主催で、さらに今回は輸入元=マセラティジャパンの企画、という具合である。

本イベントはマセラティのブランドロゴ“トライデント(三つ叉の槍)”の100周年を記念して開催されたもの。1926年4月25日、マセラティはトライデントを掲げた初のモデル「ティーポ26」で伝説のレース、タルガ・フローリオに参戦。クラス優勝を果たす。それから100年、いまやトライデントはマセラティを象徴するエンブレムとして、世界中で認知されるに至っている。

さて、今回のグランドツアーは、西日本6店舗のディーラーからオーナーたちが一斉にスタート、兵庫県のホテル「グランドニッコー淡路」を目指すという形式で行われた。参加ディーラーは京都、大阪2店(心斎橋、大阪北)、神戸、高松、広島。いちばん近い神戸からは約40km・40分、最も遠い広島からは300km超・約4時間という道のりだ。

緩急自在な3.0リッターV6ツインターボ

マセラティの核心は、サーキット由来のハイパフォーマンスとイタリアン・ラグジュアリーの融合にある。結果、グランドツアラーとしての資質が高まったというわけだが、今回、関西地方でマセラティのツーリングイベントが大体的に開催。その模様をレポートする。なお、イベントのテーマはAmici di Maserati、“マセラティの仲間たち”である。
明石海峡大橋を望む。

GENROQは兵庫県のベイエリア、ポートアイランドにあるマセラティ神戸からスタートした。クルマはグラントゥーリズモ・トロフェオで、初のGT「A6-1500」の登場から75周年を記念したアニバーサリーモデルである。

神戸からは全11台、二十数名の参加者でスタート。クルマはMC20をメインに、グラントゥーリズモ、グランカブリオ、グレカーレ、レヴァンテ、さらにギブリは最終型の3代目と1990年代のギブリIIが揃い、コンボイで走り出した。

当日は阪神高速3号線がリニューアル工事で通行止めだったため、山側の迂回ルートで淡路を目指す。コンボイは仲間と走る高揚感が堪らないものの、自分のペースで走れないもどかしさもある。さらに信号で列が途切れることもあれば、一般車が合流してくることも。そんな時に頼りになるのが3.0リッターV6ツインターボのパワフルさであり、瞬発力だ。

マセラティが独自開発した「ネットゥーノ」と呼ばれるこのユニットは、F1由来の技術であるプレチャンバー(副室)燃焼を世界で初めて量産車に取り入れたことで話題になった。その主眼は熱効率の向上。つまり、一滴の燃料から最大限のパワーを取り出すことが目的だ。

おかげでスーパースポーツのGT2ストラダーレでは、他社の4.0リッターV8ツインターボに比肩する640PS/720Nmというハイパワーを実現。グラントゥーリズモは若干ディチューンされ550PS/650Nmになるものの、そのぶん低速域での余裕を厚くする方向に躾けられている。だから列に追いつくため信号が青になるとともにダッシュしたり、タイミングを見計らって追い越したり……という動作を、スムーズかつスマートに行うことができる。今回はグラントゥーリズモをカメラカーにコンボイの走行風景なども撮影したが、一瞬のアングルを逃さぬよう加減速を繰り返す中で、グラントゥーリズモの緩急自在ぶりがとても役に立つこととなった。

今回のイベントには全6ディーラーから合計69台、120名が参加。クルマはグレカーレが17台と最も多く、次がグラントゥーリズモ(15台)。MC20も9台が姿を見せた(オープンの「チェロ」を含む)。
今回のイベントには全6ディーラーから合計69台、120名が参加。クルマはグレカーレが17台と最も多く、次がグラントゥーリズモ(15台)。MC20も9台が姿を見せた(オープンの「チェロ」を含む)。

明石海峡大橋を渡る頃には、他チームの姿もちらほら。そして最終目的地のグランドニッコー淡路が近くなると、周辺の道路は新旧マセラティによる一大パレードとなった。

サプライズゲストとして速水みこみち氏が登場

ツーリング終了後、参加者はバンケットルームへ。イタリアンのフルコースランチを愉しんだ。会場にはマセラティの歴史を解説したパネルが展示されたほか、スペシャルゲストとして招かれた速水もこみち氏のトークショーも。参加者はクルマという共通項を通じ、特別な時間を共有したのだった。

マセラティというクルマはA地点からB地点まで速く快適に移動できるだけではない。どうやら非日常的な空間にまで連れて行ってくれるクルマのようである。

REPORT/市原直英(Naohide ICHIHARA)
PHOTO/郡 大二郎(Daijiro KORI) 
MAGAZINE/GENROQ 2026年9月号

SPECIFICATIONS

マセラティ・グラントゥーリズモ・トロフェオ 75thアニバーサリー

ボディサイズ:全長4965 全幅1955 全高1410mm
ホイールベース:2930mm
車両重量:1870kg
エンジン:V型6気筒DOHCツインターボ
総排気量:2992cc
最高出力:404kW(550PS)/6500rpm
最大トルク:650Nm(66.3kgm)/2500-5500rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:AWD
サスペンション形式:前ダブルウィッシュボーン 後マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:前265/30ZR20 後295/30ZR21
最高速度:320km/h
0-100km/h加速:3.5秒
車両本体価格:3660万円

【問い合わせ】
マセラティコールセンター
TEL 0120-965-120
https://www.maserati.co.jp/

マセラティ最新のオープンモデル、グランカブリオとMCプーラ・チェロ。それぞれ550PSと630PSを放つ3.0リッターV6ツインターボエンジンを搭載するが、得られる高揚感はまるで異なる。今回は夜の都会をオープントップで駆け抜け、2台の神髄に迫ってみた。

マセラティ2台のオープンモデル「グランカブリオ」と「MCプーラ・チェロ」乗ってわかった大きな違い

マセラティ最新のオープンモデル「グランカブリオ」と「MCプーラ・チェロ」。それぞれ550PSと630PSを放つ3.0リッターV6ツインターボエンジンを搭載するが、得られる高揚感はまるで異なる。今回は夜の都会をオープントップで駆け抜け、2台の神髄に迫ってみた。(GENROQ 2026年7月号より転載・再構成)