Maserati Grecale

実は一挙両得の施策

これまでに発表されたマセラティ・グレカーレの特別仕様車(2026年6月現在)
これまでに発表されたマセラティ・グレカーレの特別仕様車(2026年6月現在)

──グレカーレには台数限定の特別仕様車が多く設定されますが、それにはどんな理由があるのでしょうか。

大村 マセラティはニッチなブランドです。よって販売ボリュームの多いブランドさんのように、レギュラーモデルにいくつかのオプションを付け、本国へ大量に発注して輸入元で在庫を持つ……という販売形態を基本的には採っていません。マセラティの「ビルド・トゥ・オーダー」、つまりお客様がレギュラーモデルに好みのオプションを組み合わせて理想の1台を発注する割合は現在30%程度ですが、それですとやはり納車までに半年から1年がかかってしまいます。でも即納を希望されるお客様もいらっしゃいますよね。そのようなニーズには、全国のディーラーさんが地場の要望に根差した仕様であらかじめ発注した在庫車で対応しているのですが、輸入元が特別仕様車を用意することで、それを補完することができる。これがひとつ目の理由です。もうひとつはプロモーション的な意味合いですね。最新のトレンドや新しく設定されたオプションを反映することで、イタリアングラントゥーリズモとしての「グレカーレ」の魅力を継続的に発信しているというわけです。

──なるほど。ちなみに、これまでに発表された特別仕様車はすべて日本限定モデルですか。それとも世界限定○○○台などという仕様もあったのでしょうか。

大村 ほとんどは日本限定モデルですが、「クリスタッロ」と「ルミナブルー」は世界限定モデルでした。クリスタッロはステランティスがミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック・パラリンピックのオートモーティブパートナーだった関係で、現地でVIPやセレブリティの送迎に使われました。そのためにメディアでの露出が多く、特に引き合いが強かったです。

──ほとんどはマセラティジャパンで考えているということですね。では企画するにあたり、どのような情報を参考にしているのでしょうか。

大村 ディーラーさんの声やお客様アンケートといった定性的なものから、オプションの装着率、これは他ブランドからの乗り換えとマセラティ内での乗り換えとの違いなども含めてですが、そんな定量的データも参考にしています。

──するとボディカラーはどうしても白、黒、グレーが多くなる(笑)?

大村 はい(笑)。

──話題作りという意味ではもう少しカラフルなものがあってもいいように思いますが……。

大村 私としてもそのような気持ちはあります。ただ、特別色をオーダーするには「フォーリセリエ」というカスタマイズプログラムを利用するのですが、これだと納期をプラス半年みる必要があり、日本へやって来るまでにトータル1年程度となると、現場の“いまのニーズ”に機敏に応えることが難しい。宣伝や広報を通じたイメージ作りに時間がかかることもネックです。ただ先のクリスタッロのように、本社が大体的にプロモーションをかける世界限定車での成功例がありますので、こちらにもご期待いただければと思います。

マセラティは海外でも特別仕様車の展開を積極的に進めている。こちらはアメリカで発売されたマテル社「バービー」人形とのコラボモデル。ピンクでコーディネートされた内外装が特徴で、2022年に2台が販売された。
マセラティは海外でも特別仕様車の展開を積極的に進めている。こちらはアメリカで発売されたマテル社「バービー」人形とのコラボモデル。ピンクでコーディネートされた内外装が特徴で、2022年に2台が販売された。

カスタマイズの選択肢が豊富なことが強みに

──いまフォーリセリエの話が出ましたが、これまでに発表された特別仕様車はいずれもフォーリセリエの範囲内で造られたものですか。

大村 最近のものはフォーリセリエ内で製作しています。ですが例えば2024年の「インテルニ・ギャッチョ」では、エントリーグレードに通常は設定のない白内装を組み合わせました。これはマセラティにとって日本市場は比較的大きく、ジャパンの声を聞き入れてもらえる余地が多いことから実現したものです。

──ちなみに個人で一から同じ仕様を組み合わせる場合に比べ、特別仕様車はリーズナブルな価格設定になっているのでしょうか。

大村 もちろんです。在庫があってすぐに乗れる、もしくは近い将来に買える。その上で自分でオーダーするよりも安い。さらに限定というバリューもある。それが特別仕様車に必要な価値だと考えています。

──それは読者にとってもいい情報ですね。これからもマセラティらしさに溢れる、魅力的な特別仕様車の登場を期待しています。

Gran Lusso Edition

かつてギブリやレヴァンテで好評だったトリムライン「グランルッソ」をオマージュしたラグジュアリーな特別仕様車。フルプレミアムレザーやパノラマサンルーフ、21インチホイールなど人気のオプションを多数装着しながら、価格は数十万円もリーズナブルな設定となる。

Nero Infinito

2026年4月に発表された最新の特別仕様車が「ネロ・インフィニート」。“どこまでも続く黒”という名前の通り、ボディやインテリア、ホイールにエンブレムまでをブラックで統一。センターコンソールには創業111周年を記念した専用プレートが配される。

ユニークなローンプログラムの開発にも腐心

特別仕様車だけじゃない! ユニークなローンプログラムも

マセラティはローンプログラムの豊富さでも業界を牽引する存在だ。そのラインナップの中でも特にユニークなのが以下の2つである。

マイ・ファースト・マセラティ
初めてマセラティを購入する場合に適用。購入から5年間、安心してグレカーレを楽しめるよう、低金利ローンと5年後の残価保証(最大40%)に加え、3+2年の製品保証、3+2年のメンテナンス無料(車検を除く)がワンパッケージに。イレギュラーな出費を抑えることができる。

マセラティ・コンティニュオ
こちらは3年ごとに最新のマセラティへリーズナブルに乗り換えることができるプラン。3年後に再びマセラティ車を購入することを条件に、超低金利ローンと3年後の残価が保証される(最大55%)。こちらはグレカーレだけでなく全モデルが対象となる。

REPORT/市原直英(Naohide ICHIHARA)
PHOTO/人物 : 郡大二郎(Daijiro KORI)、ショールーム : 小林邦寿(Kunihisa KOBAYASHI)
MAGAZINE/GENROQ 2026年8月号

【問い合わせ】
マセラティコールセンター
TEL 0120-965-120
https://www.maserati.co.jp/

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