インパネまわりに物理ボタンを残して操作性に配慮

パッケージングをはじめ、シートやラゲッジの操作性など日本の軽スーパーハイトワゴンを研究しただけでなく、中国の若手エンジニアが日本に滞在し、軽スーパーハイトワゴンのオーナー、ユーザーがどういった使い方をしているのか徹底的に観察したという。
運転席に収まると、全車標準のチルト&テレスコピックによりドラポジの調整がしやすいだけでなく、「300 Premium」には運転席パワーシートまで備わっているから微調整も容易にできる。

コクピットまわりはすっきりした造形だが、日本側から操作頻度の多い機能については、物理ボタン(ハードスイッチ)も残すように要望したという。シフトセレクターもスイッチ式ではなく、シフトレバーを採用している。「P」はスイッチ式で操作性も良好だ。
回生切替スイッチは初めてだと少し分かりにくい

インパネ中央のシフトレバー横にプッシュ式の電源スターターも備わるが、最近の多くのEVが採用しているように、運転席ドアを開けるだけで電源がオンになる。シフトレバー横には、エアコンの操作スイッチが並ぶ(後席足元にもエアコン吹き出し口を用意)。一番左側には、音量用のロータリースイッチを配置する。

エアコンパネル下にある「稲妻」マークが回生ブレーキの切替スイッチで、「ノーマル」、「ハイ」の切替が可能。なお、回生用操作レバー(回生レベルセレクター)は未設定。その横にシートヒータースイッチを配置している。
「スポーツ」、「スノー」、「エコ」、「ノーマル」の走行モード切替は、シフトレバー横にある「MODE」のスイッチを使う。この2つは、試乗前にBYDから説明があったのだが、確かに初めてだと少し分かりにくいかもしれない。

また、中国で使用頻度が日本ほど高くないというハザードは中央に用意し、緊急時や高速道路などでの急減速時、そして“サンキューハザード”などのために使いやすくなっている。
ウインカーレバーはもちろん右側

ウインカーレバーは、ほかのBYDと同じように右ウインカー化されていて、ライトの操作レバーを兼ねている。ワイパーは左側のレバーで操作するのも日本車と同じ。

インパネ右側には、両側スライドドアの操作スイッチを配置。運転席側ドアにパワーウインドウやドアミラーの調整、格納スイッチを用意している。

ステアリングスイッチは、右側がハンズフリー通話、オーディオ、ステアリングヒーター(300系に標準装備)。左側がアダプティブクルーズコントロール(ACC) などのADAS系になる。日本車では右側がADAS系、左側がオーディオ系が比較的多いものの、操作性はオーソドックスで分かりやすい。なお、先進安全装備は全車標準だ。
驚くほど細かな設定が可能なセンターディスプレイ

メーターは、7インチのセグメント液晶+TFTフルカラーディスプレイのコンビネーションで視認性は良好だ。センターディスプレイは、10.1インチタッチスクリーン(固定式)で、こちらではライト、ロック、オーディオ&ディスプレイ、エネルギー、運転、ADAS、サービス、システムという各機能がディスプレイ右側(運転席側)に並び、各機能に入れるようになっている。
一例としてADASの設定に入ってみると、インテリジェントクルーズコントロールのオン/オフ、設定速度調整モード、アクセル巡航速度調整、先行車発進通知のオン/オフ、運転支援音声通知のオン/オフなど運転支援だけでも多彩な機能の設定が可能だ。さらにADASだけでも安全補助、駐車補助の階層があり、好みに応じて細かな設定ができる。

センターディスプレイを操作する時間は限られていたが、軽自動車のみならずコンパクトカーでもこれだけ多彩な設定ができる車種は少ないはずで、使いこなすには慣れが必要な反面、楽しみもありそう。この多彩な機能、設定メニューだけでも日本メーカーは脅威に感じているのではないだろうか。
ポケッテリアも豊富で傘立てまで用意

収納類は、助手席前にカップホルダー付オープントレーを用意している。その下にはグローブボックスを配置。運転席側にもカップホルダーを備える。後席両サイド(荷室寄り)にも収納を用意している。

さらに、「300 Premium」には、ミルクの保温ができるようにという着眼点から採用されたホットカップホルダーがインパネ中央下側に用意されている。その上には、タイプAとタイプCのUSBポートを全車に配置。タイプCのみとせずに、AとCの両方を用意するのもさり気ない心配りといえそうだ。さらに12V/100Wアクセサリーコンセントも備えている。

そのほか、左右のフロントドアポケット、フロントアームレスト下の収納スペース、前席背面ポケットと前席シートバックテーブル(300系に標準装備)などを用意している。

BYDならではの装備としては、後席中央足元にある傘の受け(水滴を受けられる)と前席両側の背もたれ裏に配置された傘用のホルダーだろう。傘を立てられるだけでなく、床面(フロアマット)に水が落ちるのを気にせずにすむ。
後席用USBソケットやリヤサーキュレーターは未設定

装備の充実(標準装備の多さ)ぶりは、現在の軽スーパーハイトワゴンでもトップクラスだろう。収納類やUSBソケットなど、かゆいところに手が届く状態ではあるが、後席用のUSB(充電)ソケットがないのは、後席に座る子どももスマホを持っている時代では、少し物足りないのかもしれない。さらには、前席背もたれ裏にスマホ用ポケットを配置している軽スーパーハイトワゴンもある。

細かな点では後席のUSBとスマホ用ポケットくらいだが、さらに探していけばリヤサーキュレーターも未設定だ。なお、暑かった試乗日でも前席のエアコンの効きはまったく問題ないように感じられたが、後席の快適性まではじっくり確認できなかった(短時間では問題なく快適だった)。
