Honda Racing School & Scholarshipを2027年度に開始

近年、世界のレーシングライダーを取り巻く育成環境は大きく変化している。MotoGPへのステップアップでは、国内選手権からの昇格だけでなく、若年期から国際レースに参戦し、実績を積むことが重要になっている。

現在は、14歳以上を対象とした「Idemitsu Moto4 Asia Cup」など、世界各地で開催される若手ライダーの登竜門となるMoto4クラスから、欧州の「FIM Moto3 Junior World Championship(Moto3 Junior)」や「Moto2 European Cup」へ進み、FIMロードレース世界選手権のMoto3クラス、Moto2クラスを経てMotoGPを目指す流れが主流になりつつある。

HRCが新たに導入するHonda Racing School & Scholarshipは、実戦の舞台を欧州に置き、10代のうちから国際レースの経験を積むことで、世界で戦える力を養うことを目的とした育成プログラムである。

Moto4やMoto3 Juniorへの参戦時には、参戦費用の一部をHRCが負担するスカラシップ制度を新設。若いライダーが早い段階から世界基準の競争環境に挑戦できる体制を整える。

HRCが世界選手権ライダーを育成

HRCはこれまでも、国内の育成スクール「ホンダ・レーシング・スクール・鈴鹿(HRS)Motoクラス」に加え、アジア地域で実践型の育成プログラムを展開してきた。

その取り組みを通じて、登竜門となるIdemitsu Moto4 Asia Cupなどへの参戦から世界選手権へステップアップしたライダーもいる。2025年にMotoGPへ参戦し、現在はFIMスーパーバイク世界選手権に参戦しているソムキアット・チャントラ選手や、「Idemitsu Honda Team Asia」からMoto2に参戦するマリオ・アジ選手などがその例だ。

Honda Racing School & Scholarshipでは、これまでの育成活動を発展させ、世界を舞台に挑戦し続ける次世代のトップライダーの育成をさらに進めていく。

株式会社ホンダ・レーシング代表取締役社長の渡辺康治氏は、HRS Motoクラスについて「長年にわたり多くの優秀なレーシングライダーを育成するとともに、日本のモータースポーツ界の発展に大きく貢献してきました」とコメント。

そのうえで、MotoGPをはじめとする世界最高峰カテゴリーへ至る育成環境が変化し、若い時期から国際レースの舞台で経験を積む重要性が高まっていると説明。HRCは育成の舞台をさらに広げ、世界トップのカテゴリーで勝てるライダーの育成に向けた新たな挑戦を始める。

HRSは1992年からライダー・ドライバーを育成

ホンダ・レーシング・スクール・鈴鹿(HRS)の歴史は、1992年に開校した「鈴鹿サーキットレーシングスクールジュニア(SRS-J)」に始まる。現在のMotoクラスにあたる同スクールを皮切りに、1993年には「鈴鹿サーキットレーシングスクールカート(SRS-Kart)」、1995年には「鈴鹿サーキットレーシングスクールフォーミュラ(SRS-Formula)」を開校した。

二輪・四輪の両分野で世界のトップカテゴリーに挑戦するライダーやドライバーを育成する教育機関として活動し、2022年には名称をホンダ・レーシング・スクール・鈴鹿(HRS)へ変更した。

現在は国内外で活躍するトップライダー、トップドライバーが講師を務めるほか、卒業生のステップアップ先となる育成カテゴリーの拡充にも取り組んでいる。

HRCはこれまでのHRSやアジア地域での育成活動を基盤に、2027年度からHonda Racing School & Scholarshipをスタート。国際レースへの挑戦機会を広げ、世界最高峰を目指す次世代ライダーの育成を進める。

※FIMはFédération Internationale de Motocyclisme(国際モーターサイクリズム連盟)の略称。

※ホンダ・レーシング・スクール・鈴鹿(HRS)は、ホンダモビリティランド株式会社と株式会社ホンダ・レーシングが運営するレーシングドライバー・ライダー育成スクールである。