サマータイヤでオフロードコースを走破!? 驚くべきスズキ・ジムニー「ノマド」の走破性!1型→2型への進化にも注目!! | Motor Fan|自動車情報のモーターファン

納車はいつ?デリバリー数は当初の3倍近くに増やしたが…… 2025年1月30日の発表から1年半以上の歳月を経て、遂にジムニー「ノマド」の試乗会が開催された。MotorFanjpをはじめとした各メディアがその速報で、誌面や […]

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山田弘樹によるジムニーノマド試乗記【オフロード編】。

2型では静粛性を高める改良が実施されたが……

ジムニーノマド(5速MT)公道試乗。

そのドライバビリティを確認するうえで、まず最初に見るべきは「静粛性」か。
前編でもお伝えした通りジムニーノマドは2025年のマイナーチェンジで「2型」となり、車外騒音規制「フェーズ3」に対応すべく、装着タイヤを変更した。具体的にはこれまでの「M+S」(マッド・アンド・スノー)タイヤが、いわゆるSUV用の「夏タイヤ」(ハイウェイテレイン)になった。

ジムニーノマドの試乗車に装着されたタイヤは195/80R15サイズのブリヂストン「DUELER H/L」。
DUELER H/Lのトレッドパターン。

トレッド面の溝面積を減らすことで、ロードノイズを抑えることが可能になるからだ。またこれに合わせて、エンジンコンパートメントやフロントタイヤハウスの防振材を強化して、クルマそのものの遮音性も高めた。

ジムニーノマドのエンジンルーム。バルクヘッドに防振材が貼られている。
フロントホイールハウス内に貼られた防振材。

果たしてその印象はというと。正直、「よくわからない」というのが本音だ。
確かにオフローダーとして考えればジムニーノマドは静かな方だとは思うが、かといって極端な例えになるが、メルセデス・ベンツGクラスのようなプレミアムさがあるかといえば、そうではない。1型と直接比較できればその差がわかったのかもしれないが、やっぱりジムニーはジムニーだ。また車外騒音に関しても、外から音を聞いているわけではないので、その静粛性はわからなかった。

ジムニーノマドの車室内。

ただサマータイヤ投入によって改良された足まわりと、電動パワステは、かなりいい仕事をしていた。むしろこれによって質感が向上し、おそらく静粛性の高さも加味されて、2型のジムニーノマドは「いいクルマになったな」と感じた。

直進性が向上し、操縦性も素直になった

ジムニーノマド。ボディサイズは全長3890mm×全幅1645mm×全高1725mm、ホイールベース2590mm。
ジムニーシエラ。ボディサイズは全長3550mm×全幅1645mm×全高1730mm、ホイールベース2250mm。

ちなみに5ドアボディとなったジムニーノマドはホイールベースをジムニーおよびジムニーシエラの2250mmから2590mmまで延長しているが、これに併せてラダーフレームの内部には補強が追加され、ラダー前方にはX型のメンバー、外側にはサイドフレームリーンフォース、中央にはセンタークロスメンバーが追加されている。その上で今回は、ダンパー及びスプリングレートを最適化し、フロントスタビライザー径を拡大した。

フロントから見たジムニーノマドの下まわり。(写真は発表会時の1型)

こうしたファインチューンによって2型のノマドは、まず直進性が良くなったと思う。
ロングホイールベースであるジムニーノマドは、相対的に見れば3ドアのジムニーやジムニーシエラよりも真っ直ぐ進むようにはなったが、それでもまだ少しオンロードでは、ステアリングが定まらない傾向だった。

ジムニーノマド公道試乗。

さらに2型は操舵レスポンスもリニアになった。これまではそのおっとりとした反応を先読みして、早めに操舵する必要があったけれど、ずいぶんと普通に曲がってくれるようになった。

ジムニーノマド公道試乗。

本格的なクロスカントリー車だけにカーブでのロールは大きいものの、ロールスピードが巧みに抑えられているから姿勢変化が把握しやすい。スポーツカーのような自在性はないけれど、だからこそクルマを曲げる対話が楽しい。ちなみにオンロード走行では基本的に後輪駆動だ。

ジムニーノマド公道試乗。

こうした素直な操縦性が得られた要因として最も効果が大きかったのは、電動パワステのチューニングだと思う。リサーキュレーティング・ボール式のステアリングは頑丈な反面、反応に対する遊びが大きくダイレクト感に欠ける。ちなみにそのステアリングギア比は、20.5:1と超スローな設定だ。

ジムニーノマド(5速MT)のコックピット。

そしてこれをモーターパワーで素早く、緻密に回せるようになった効果は大きい。まだまだ女性にはちょっと操舵感が重たい気もするが、ジムニーとしては大きな進化だ。そういう意味では、ジムニーも電動化の恩恵を受けているといえるだろう。ちなみにジムニーシエラは、その制御をアップデートしていないとのことだった。

ジムニーノマド公道試乗。

5速MT車はエンジンと5ドアボディのマッチングも◯

自然吸気の1.5直列4気筒エンジン「K15B」(101ps/130Nm)も、5ドアボディとのマッチングが良かった。
かつてジムニーシエラの4速ATで一般道を走ったときは、そのレスポンスがあまりに鈍くて、このエンジンにあまり良い印象を持たなかった。

K15B型1.5L直列4気筒DOHCエンジン。出力は74kW(101ps)/6000rpm・130Nm(13.3kgm)/4000rpm。

しかしより大柄な、そして100kgも重たいジムニーノマドでは、不思議と動きの鈍さを感じなかった。速くなったとまでは言わないが、3000rpmも回せば十分スピードを乗せることができ、常用できる動力性能だと感じた。

ジムニーノマド公道試乗。

その理由のひとつは、5速MTのギア比と、ギア選択の自由度の高さだろう。
またトランスミッションと直結するシフトレバーは、操作感もなかなか良い。前方向の1速/3速はショートストローク過ぎるけれど、2速/4速はこれが適度で、全体的にはコクコクとシフトが決まる。ゲートの感覚も明瞭で、割とシンクロも効いているから最終的な操作感もマイルドだ。

ジムニーノマドのシフトレバー。オーソドックスなHパターン5速。

フットレストが無いのは少し慣れが必要だが、それも含めてクルマを操る感じが強く、一般道を走っているだけで移動そのものがエンタメになる。そしてクラッチも、軽くてつなぎやすい。

ジムニーノマド(5速MT)をドライブする筆者。

ギヤ比も5速MTは4速ATに較べてクロスレシオで、5速が直結となる。今回は高速巡航をする時間的な余裕がなかったけれど、一般道を走らせる限りはそのステップは低すぎず高すぎずちょうど良く感じられた。

ギヤg4速ATギヤ比(4速AT)
1速4.4252.875
2速2.3041.568
3速1.6741.000
4速1.1900.696
5速1.000ー
後退5.1512.300
副変速機(高速)1.0001.320
副変速機(低速)2.0022.643
最終減速比4.0904.300
ジムニーノマドのギヤ比