レーシングカートサイズの小さなハチロクが日本初上陸
原点となるAE86を始め、その魅力を現代に受け継ぐトヨタ「86」と「GR86」、そして、スバル初のFRライトウェイトスポーツクーペである「BRZ」のお祭りである「FUJI86/BRZ STYLE2026」の会場で見つけたのが、小さなハチロクだ。

全長はレーシングカートほどだが、スタイリングは後期型スプリンタートレノ3ドアをリアルに再現しており、エンブレムやライトの質感など、かなり細かいディテールに拘っている。会場に持ち込まれたのは、パンダカラーのGTアペックスと黒色の限定車「ブラックリミテッド」の2台。レアな限定車も再現するために、パンダカラーのものとは異なる専用デザインのホイールまで用意した点がニクイ。

このミニハチロクを観察してみると、キャンバストップ車のように、ルーフからテールゲートの付近がカットされている。その理由を探るべく、中身を除き込んでみてビックリ。なんと、AE86風のコクピットが再現され、1名乗車が可能な作りになっていたのだ。しかも大人も乗車し、運転することも可能というから凄い。さらにリトラクタブルヘッドライトの開閉や灯火類の点灯もできる。

このリアルなミニカーを企画開発したのは、なんと中国のトヨタチーム。担当者によると「中国でも頭文字Dの人気が高く、AE86への興味もある。ただ実車を所有することは難しいので、自由に乗って遊べるハチロクとして企画した」とのこと。現在はプロトタイプで、中国のトヨタ関連のイベントでお客さんに運転を楽しんでもらっているという。日本でのお披露目は今回が初となる。

ユーロビート&ドリフトで『頭文字D』的に走りを楽しむ
その内部構造だが、モーターを始め、基本構造の部品は市販品を流用。特別な部品は使っていないという。ただリアルさを追求し、細部までデザインやディテールに作り込み、本物に触れるような感覚を大切にしている。

そして走りの面では、ハチロクということでドリフトも可能な作りだという。その背景には、急激に自動車が普及した中国では、ドライバーが運転を楽しむという文化が希薄。そこでリスクのないミニカーの運転を通じて、操る楽しさを知って欲しいという思いもある。

ユニークなのがオーディオ機能が備わること。その点を担当者に尋ねると「頭文字Dには、ユーロビートがお約束。それを楽しめるようにした」と嬉しそうに語ってくれた。彼自身も頭文字Dのファンなのだろう。そんな気持ちが伝わってくる笑顔だった。

果たして市販の可能性は……?
現在は、トヨタ社内のみで活用しているが、将来的には販売も検討しているという。実際に、中国のクルマ好きのお客さんからは「リビングに飾りたい」なんて声もあったそう。

現在の仕様は理想を追求したものであるため、より走りに特化したシンプルなものや、ディスプレイ用など様々な可能性を探っていきたいとのこと。さらに当日は持ち込まれていなかったが、GRスープラもミニモデル化しており、中国でのイベントで活躍しているそうだ。

当日の会場では、担当者による会場内でのデモランやお客さん向けの専用コースでの試乗会が行われ、多くの人から関心を集めた。特に子供たちからは、小さいけどリアルなクルマを運転できると大好評。筆者も乗ってみたかったが、大人気であったため泣く泣く断念。いずれ、ステアリングを握ってみたいものだ。今後もトヨタのイベントに出現する可能はあるだろうから、要注目だ。



