Jeep Avenger
日本でも取り回ししやすいBセグメントSUV

今回の取材車は、日本向けのジープで初の四輪駆動ハイブリッドとなる「アベンジャー 4xeハイブリッド」。ボディサイズは全長4120×全幅1775×全高1600mmで、最小回転半径は5.3mと取り回ししやすい。高さ制限1550mmの機械式立体駐車場には入庫できないものの、日本の狭い道路や駐車場事情にもマッチするBセグメントSUVだ。

カタログモデルは「Upland(アップランド)」のほか、同グレードをベースとした「Style Pack(スタイルパック)」を設定する。取材車両は前者で、価格は519万円(2026年9月末時点)。
前席の居住性と操作性をチェック


前後席に乗り込む際に気がつくのは、サイドシルと床面との間にやや大きめの段差が残っている点で、後席は開口部足元も狭めだ。前後席ともに、足さばきには注意を払う必要がある。リヤのアウタードアハンドルは、ピラーに組み込まれていて、見た目はスマートだが、子どもなどは腕を伸ばす必要がありそうだ。
前席はアップライト気味の着座姿勢になり、運転席は左足側が若干タイトになっている。助手席側の右足側には、十分な余裕が残っている。右ハンドル化のデメリットが表出している可能性もあるかもしれない。


4xeハイブリッドは、アップランド専用撥水シートが備わる。アウトドアなどでの使い勝手や小さな子どもがいる層にはうれしい装備だ。フルEV仕様がアクティブランバーサポート付運転席6ウェイパワーシートになるのに対し、4xeハイブリッドはオーソドックスなマニュアルシート。シートハイトは、座面横にあるレバーで上下させ、リクライニングはシート側方後方にあるダイヤル式。背もたれを寝かせて、戻す際はダイヤルをぐるぐる回す手間はあるが、少し動かす微調整はしやすい。
後席の居住性と操作性をチェック


身長170cmの筆者が運転姿勢(先述したように、アップライト気味になる)を決めた後方(後席)には、膝前にこぶしが縦に2つ弱、頭上に1つ半弱の余裕が残る。BセグメントSUVとしては、平均的か若干狭めといえるサイズ感だ。ただし、前席座面下に足が入るため、姿勢(足元)の自由度はそれなりに確保している。
荷室容量はフルEV仕様よりも少し小さい
後席は6対4分割可倒式で、背もたれを前倒しする際は、背もたれ肩口にあるレバーを操作する。荷室側に遠隔用(前倒し用)レバーは用意されていない。リヤドア側に回って倒して、戻すという動作が基本になる。また、荷室とシート部分の段差はほぼ抑えているものの、シート部分は前側になるほどスロープのように持ち上がっている。傾斜はかなりある方なので、大きな荷物や長尺物の積載時は少し気を使いそう。

床下にはパンク修理キット(タイヤサービスキット)や取扱説明書、三角表示板などが収まっている。BセグメントSUVだが手動式ではなく、ハンズフリーパワーリフトゲートを標準装備しているのも特徴的だ。
4xeハイブリッドは、リヤ駆動用モーターなどを搭載する影響で、荷室容量(欧州仕様値)は、フルEVの355〜1250Lよりも若干小さく、325〜1218Lとなっている。


全長4140×全幅1760×全高1580mmの「フォルクスワーゲン Tクロス」が通常時455L、全長4305×全幅1770×全高1580mmの「プジョー 2008」が同434Lであることを考えると、4xeハイブリッドの同325Lは、輸入BセグメントSUVとしては若干小さめだ。
ハンズフリーパワーリフトゲートを標準装備

容量の数値自体は、同クラスとの比較でミニマムな部類に入るが、荷室の壁面形状は比較的スクエアに仕上がっている。床面もフラットかつスクエアな設計なので、スーツケースなどは効率よく積みやすい形状といえるだろう。荷室高はそれなりだが、開口部地上高も抑えられていて、先述したハンズフリーパワーリフトゲートの標準化によりテールゲートの開閉もしやすくなっている。

アベンジャーの居住性、積載性では、ハンズフリーパワーリフトゲートの標準化などをのぞき、BセグメントSUVとして突出した美点は少ないものの、ダッシュボード下部や大型センターコンソール、ドアポケットなどを合わせて、約26Lの収納スペースを確保しているのが美点だ。小物アイテムが多くなりがちな子育て層などでも利便性の高さを実感できるだろう。

