Jaguar XJ
現在も人気のネオクラシック「X300」系

2026年10月現在、ジャガーXJの中古車流通量が比較的多いのは、1994年登場の「X300」系だ。歴代モデルの中でも総生産台数が9万2038台と多く、日本でもヒット作に。発売年の1994年は、バブル崩壊後ではあったものの、輸入車ブームの余韻が残り、円高も相まって日本市場でも人気を博したことも豊富な物件数に寄与している。

X300系を狙うなら、215PSの3.2リッター直列6気筒DOHCを積む「3.2S(セレクト)」を選択肢に入れたい。当時の日本市場のニーズを完璧に捉えたグレードで、いわば、日本専用の全部入り仕様といえる。本国でのベースモデル「XJ6 3.2」に、レザーシートやウッドパネル、センターコンソールまわりのカップホルダーなどの快適装備を標準装備。実質的なフル装備スペシャル仕様としてラインナップされたため、当時のニーズを最も満たしていた。
XJに乗るならやはり大排気量モデル

さらに、「Sovereign 4.0(ソブリン 4.0)」の流通量も多くなっている。4.0リッターの直列6気筒エンジンは、最高出力245PSを発生し、高い静粛性と高速道路でも余裕十分の動力性能を実感できる。流通量(選択肢)が多いのも美点だ。

ネオクラシック世代になる「X300」系だが、走行距離別では5万〜7万kmがボリュームゾーンで、10万km超の個体は少数派だ。中古車平均価格(相場)も120万〜130万円前後とこなれていて、歴代XJの中で最もタフで故障が少ないと評価されている。しかし、発売から30年あまりが経過したネオクラシックカーであるため、経年劣化は避けられない。タフと定評のあるパワートレインであってもエンジンのトラブル、駆動系、エアコンやパワーシート、シートヒーターなどの電装系、ボディや内装の劣化、足まわりなどは要チェックだ。経年劣化した部品の交換や修理が中心になるはずで、足まわりのブッシュ類や点火系、冷却系などがリフレッシュ済みで、納車整備で施工できる個体を選びたい。
アルミニウム製モノコックボディになった「X350」系

2003年デビューの「X350」系は、顔つきこそ伝統的な丸目4灯で、低く滑らかなシルエットも踏襲していたが、中身はアルミニウム製モノコックボディを採用し、先代「X308」(1997年の改良でX300からX308に)からボディサイズを拡大して居住性や荷室容量を高める一方、アルミニウムを積極的に採用することで、最大約200kgの軽量化を実現した。エアサスペンションによる乗り心地の良さも美点。

現在の中古車流通量は、30〜40台程度で推移していて、平均価格(相場)は150万〜180万円前後となっている。まず狙い目は、V8自然吸気モデルの「XJ8 4.2」だ。4.2リッター V8エンジンの分厚いトルク(421Nm)にZF製6速ATを組み合わせ、軽量ボディによりサイズを感じさせない軽快な走りを享受できる。

維持費も重視したいなら「XJ8 3.5」だろう。3554ccの3.5リッターV8エンジンは、自動車税では4.2リッターよりも1ランク下。「XJ8 4.2」より自動車税の負担を軽減できる。なお、3.5リッターモデルだからといって価格がお手軽ということはなく、コンディションの差が中古車価格に直結しているようだ。定番ともいえるトラブルはエアサスペンションで、要注意ポイントとなっている。そのほか、足まわりのブッシュ類、コントロールアームの劣化、冷却系のトラブル、電装系、天井(内張り)の垂れなどが報告されている。
最終モデルの「X351」系も250万円で十分狙える

2009年に登場した(現時点で)最後のXJである「X351」系は、現在の流通量は60台前後で、平均価格は220万〜230万円程度で推移している。丸目4灯と決別し、横長のヘッドライトや大型フロントグリルによるモダンな顔つきになり、流麗なルーフラインによるシルエットは、ファストバック風でまとめられている。オールアルミ製ボディも進化し、5.1m級の全長でありながらも2tを切る車両重量を実現。ラグジュアリー感漂うインテリアや約10年間のモデルライフによる多彩なパワートレインも特徴だ。

まず狙い目は、「3.0 プレミアム ラグジュアリー」。排気量2995ccによるランニングコスト面でのアドバンテージ、最上級クラスに迫る装備の豪華さ、100万円台から選択肢がある現在の相場感が魅力的だ。
主な装備は、前後シートヒーター&クーラー、ソフトドアクローズ(2014年モデル以降)、キーレスエントリー、ソフトグレインレザーシート、MERIDIANサウンドシステム、ヒーテッドステアリングホイール、18ウェイフロントシート(年式・仕様による)、19インチアルミホイール、ナビゲーションなどと充実している。
ダウンサイジングという選択肢も

コスパ重視なら2013年モデルから追加された2.0リッター直列4気筒ターボ(240PS)を搭載するダウンサイジングモデルの「2.0 ラグジュアリー」を狙いたい。3.0リッターV6や5.0リッターV8より圧倒的に排気量が小さく、自動車税を抑えられる。中古車価格も「X351」系の中では比較的手頃で、100万円台から探せる個体もある。V6やV8とは異なるフィーリングだが、スタイリッシュなX351を比較的低コストで所有したいのなら候補になるだろう。

先進的な電装品や快適装備が大幅に増えた「X351」系も注意したいトラブルはある。定番のエアサスペンション、エンジンや冷却系のほか、バッテリーへの負荷が大きいパノラミックサンルーフの異音や動作不良などの電装系はとくに注意が必要だ。

