本格軽クロカンの基本構造は維持、電動化より熟成を優先か
2018年の登場以来、基本的なスタイリングを維持してきたスズキ「ジムニー」に、大きな転機が訪れようとしている。2027年以降に実施される可能性がある次の改良では、伝統の丸型ヘッドライトや5スロットグリルを生かしながら、フロントマスクを刷新するとの情報が浮上している。

現行ジムニーは2018年7月に発売された4代目モデルだ。軽自動車でありながら、本格的な悪路走破性能を備えたクロスカントリー車として独自の地位を築いてきた。
ラダーフレーム構造、副変速機付きパートタイム4WD、前後3リンクリジッドアクスル式サスペンションなど、歴代モデルから受け継いだ基本構造は現行型でも健在。角張ったボディと丸型ヘッドライトを組み合わせたデザインも、ジムニーの人気を支える重要な要素となっている。

一方、現行型は2027年7月に発売から9年を迎える。一般的な乗用車であればフルモデルチェンジを迎えていても不思議ではない時期だが、ジムニーは基本設計を継承しながら商品改良を重ねてきた。
直近では2025年11月4日に、通称「5型」と呼ばれる一部仕様変更モデルが発売された。
この改良では、衝突被害軽減ブレーキを「デュアルセンサーブレーキサポートII」へ進化させ、車線逸脱抑制機能を標準装備。さらにアダプティブクルーズコントロール(ACC)を採用し、4速AT車では全車速追従機能にも対応した。
後方誤発進抑制機能の追加や、スズキコネクトへの対応など、快適性と安全性の両面で商品力が引き上げられたことも特徴だ。
しかし、エクステリアについては大きな変更がなく、2018年の登場時から続くデザインをほぼ維持している。
そこで次の改良で注目されるのが、長年親しまれてきたフロントマスクの進化である。
スクープ班が入手した情報によると、スズキは現行ジムニーの商品力をさらに高める改良を検討しているという。実現すれば、5型に続く「6型」に相当するモデルとなる可能性がある。
今回制作した予想CGでは、ジムニーを象徴する丸型ヘッドライトを維持しながら、その内部にリング状のLEDデイタイムランニングライトを配置した。
円形の発光ラインを強調することで、従来のクラシカルな印象に先進的な雰囲気を加えている。
フロントグリルも、伝統の5スロット形状を継承。ただし、開口部を従来より大きく見せることで、フロントマスク全体の存在感を強めた。
バンパーには立体的な造形を取り入れ、下部にはアンダーガードを思わせるシルバーの加飾を配置。オフロード車らしいタフな表情を強調している。
また、ブラックのフェンダーアーチやスクエアなボディ形状は維持し、ひと目でジムニーと分かるスタイリングを追求した。
こうした変更が実現すれば、現行型のデザインを大きく崩すことなく、新鮮な印象を与えることができそうだ。
もっとも、次の改良はフルモデルチェンジではなく、現行型の基本構造を生かした商品力の向上が中心になるとみられる。
そのため、パワートレインについても大幅な変更は行われない可能性が高い。
現行ジムニーには、658cc直列3気筒DOHCターボの「R06A」型エンジンが搭載されている。最高出力は64ps、最大トルクは96Nmを発生し、トランスミッションは5速MTと4速ATを設定する。
駆動方式は副変速機付きパートタイム4WDで、WLTCモード燃費は5速MT車が16.6km/L、4速AT車が14.3km/Lとなっている。
次の改良でも、この基本構成を継続することが有力視される。
エンジン制御の最適化などによって実用域の扱いやすさを改善する余地はあるものの、最高出力64psという軽自動車の枠内で、大幅な性能向上を図る可能性は低そうだ。
一方、マイルドハイブリッドなどの電動化技術については、引き続き検討課題となるだろう。
電動化による燃費改善は魅力だが、モーターやバッテリーの搭載による重量増加、車両価格の上昇といった問題もある。
特にジムニーでは、悪路走破性能や耐久性に加え、軽自動車としての限られた車体寸法も考慮する必要がある。次の改良では、既存のガソリンエンジンを継続するという見方が有力だ。
そして、もうひとつ見逃せないのが価格の動向である。
2025年11月に発売された5型の税込価格は、エントリーグレードの「XG」が191万8400円、中間グレードの「XL」が204万6000円、最上級グレードの「XC」が216万400円となっている。
2018年の現行型発売時、XGの5速MT車は145万8000円だった。
現在のXGは当時より46万400円高く、上昇率は約31.6%に達している。もっとも、この間には消費税率の変更や安全装備の充実などもあり、単純な値上げだけで比較できるものではない。
それでも、かつて150万円前後から購入できたジムニーが、現在では200万円に迫る価格帯となっていることは確かだ。
仮に次の改良でLED灯火類の刷新やバンパーデザインの変更、さらなる装備の充実が実施されれば、価格が一段と上昇する可能性もある。
スクープ班では、6型の価格について、XGが200万円前後、XLが215万円前後、XCが225万〜235万円程度になると予想している。
最上級グレードでは230万円前後という価格設定も視野に入る一方、エントリーグレードについては200万円を下回る水準を維持できるかが注目点となりそうだ。
ジムニーは、軽自動車でありながら本格的な四輪駆動システムを備える希少なモデルだ。その魅力を維持しながら、現代の安全基準や快適装備への要求にどう応えていくのか。
安全装備を大幅に強化した5型に続き、次の6型では外観にも大きな変化が訪れるのか。2027年以降の改良動向とともに、価格設定にも注目が集まりそうだ。




