GTOでN1耐久に参戦
フロントL.S.D.さえあれば……

1987年登場のギャランVR-4は2L DOHCターボの4G63エンジンを搭載し、WRCで速かったので、レース仕様をつくって仙台ハイランドで走らせた。

しかし、当時の4WDはパートタイムに近く、センターデフは入っていたものの、ラリー仕様がベースだから、ほぼセンターロック状態でトラクション重視。それを高μの舗装路で、スリックタイヤで走らせると曲がらない。

VR-4のロングホイールベースも災いし、ブレーキング現象が強かった。後輪の内側と前輪の外側とで回転差がとても大きくて、センターデフが吸収してくれないと曲がらない。それでお蔵入り。

その後、4~5年経って、95、96年と、GTOでN1耐久に出た。当時、すでにランサーエボリューションも登場していたが、WRCはランサーエボリューションで、レースはGTOみたいな方向性になっていた。1クラスのライバル、スカイラインGT-RをGTOで負かそうというわけだ。

GTOの4WDシステムはセンターデフが備わっていて、リアはL.S.D.を装着。しかし、フロントはオープンデフで、アテーサE-TSを積み、トルク配分ができるGT-Rのほうが1歩も2歩も進んでいた。

それでも、GTOはワイドトレッドで重心も低く、コーナーが速かった。フロントにL.S.D.がなくても、ポールポジションを1回獲っていて、フロントローには2~3回並び、決勝でも3回ぐらいトップを走っている。2位が最高位だったけど、素性がいいクルマで、可能性は十分にあった。

フロントにトルセンでも何でもいいからL.S.D.を入れたかったが、どうしてもスペースがなくて、入らなかった。2.6LのGT-Rに対して3Lで、重量規定上60kg重く、そこも、排気量を減らして、GT-Rと同じくらいの重量にできれば、絶対勝てたと思う。

WRCではターマックステージが増えて、ランサーエボリューションⅠ・Ⅱ・Ⅲにトミ・マキネンが乗って速かった。センターデフも入っているし、サーキットもイケるんじゃないかと。WRCを戦う中で、新たな技術も生まれた。


次回 次回 Part.2 エボⅤはGT-Rに勝つべく市販車ごと速くした

10月31日 12:10~配信予定 お楽しみに!


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