金曜日の公式練習は終始雨。ただ、走行前からウエット路面だったので、ドライ時のようにコースにタイヤラバーがこびりつくことがなく、路面のグリップは比較的均一で、トリッキーではないコンディションだった。

DUNLOP勢として戦うTEAMマッハ×DROO-PのGR86(ドライバー:石川隼也)とトレノ(ドライバー:松川和也)は、完成度を高めていることもあって車両の仕様変更はなし。いっぽうURAS RACINGのスカイライン(ドライバー:野村圭市)は、前戦のエビスでクラッシュした車体をしっかり修正してきたほか、ナックルを変更してきた。エビスで不調だったこともあり、試してみたのだという。

これがよかったのか、練習走行での野村は好調。「コンスタントに80%の走りが出せます」とのコメントどおり91点台という雨のなかではかなりの高得点を、繰り返し出していた。DUNLOPタイヤに関しても、「エア圧を高めにして行ってみたんですけど、それでも止まってくれるので安心です」と充実した内容でプラクティスを終えた。

TEAMマッハ×DROO-Pの石川も順調な内容。DUNLOP勢は3台とも、トラブルなく公式練習日を終えた。

野村は、GUN SportsのGUNナックル・バージョン3を装着してきた。D1ライツで優勝経験もあるチームメカニック古賀選手のオリジナルパーツだ。

土曜日は第7戦の決勝日だ。競技に関しては、ウエット路面を前提として、通過指定ゾーンの判定の緩和や、追走進出がグループごとの選抜になることが決定されていたが、けっきょく雨は降らず、ほぼドライ路面で競技が行われた。

DUNLOP勢で最初に登場したのはAグループで出走したTEAMマッハ×DROO-Pの石川。1本目からまずまずの走りで追走進出濃厚な96.4点を出した。すると2本目には、よりするどい振りと振り返しを見せ、角度をバッチリつけてコーナーを抜けた。得点は98.6点。同グループのほかのドライバーに2点以上の差をつける圧巻の高得点だった。

次のグループで松川が走行。前半はよかったものの、後半でミスをしてしまうなどして得点が伸びず単走敗退。そして最後のグループで走行した野村も、前日の練習のような安定感が出せず、後半に角度が浅くなるなどして点を落とし、敗退となってしまった。

石川の得点はなかなか抜かれなかったが、最後のグループの2本目の走行で藤野が98.7点をマーク。石川はおしくも単走優勝は逃し、グループ首位、全体では2位での通過となった。

第7戦単走。石川は、やや路面コンディションが不利だったAグループで、キレと安定を兼ね備えた文句なしの走りを見せた。
第7戦単走。松川は2本目にいいリズムで振り出し、振り返したが、後半でスピンしてしまい、追走進出はならなかった。

第7戦の追走トーナメント。石川はまずGR86に乗る下田と対戦。先行時にコーナーでインカットしてしまい減点を受けたが、下田の角度が浅くなるなどして点が伸びなかったことにも助けられて勝利。ベスト8進出を決めた。

ベスト8では、石川はやはりGR86に乗る田野と対戦。1本目は石川が先行。石川はいい振りを見せたが、そのあとでドリフトが大きくもどされてしまう。なんとか振り返したもののこんどはその先でコースオフ。大きく減点されてしまった。2本目も石川はアウトで飛び出してしまい敗退。5位で追走を終えた。

石川は、「1本目はフロントがいなくなってしまいました。たぶん、リヤが食ったので、フロントが負けたんだと思います。それで点数は大差がついたので、2本目はどこまで耐えられるかを試してみようと思って、耐えられないところまで走ってみました」とのことだった。

追走後、TEAMマッハ×DROO-Pでは、翌日の第8戦に向けて石川車のウエストゲートのバネを交換。よりブーストがかかりやすくし、ラバーにのってもパワーが負けないようにするための対策を行った。

第7戦追走ベスト8。するどい振り出しを見せた石川だったが、コーナーに入ってからドリフトがもどされてしまった。

翌日の日曜日に第8戦が行われた。朝は雨が降っていなかったものの、この日も雨マークがつく天気予報。前日と同様に、通過指定ゾーンの判定緩和と、グループごとの選抜方式で行われることが事前に決定された。

DUNLOP勢ではまず松川がBグループで出走した。1本目は、安定感はあったものの進入のアウト側でトラックリミット超過があり減点。2本目はするどい振りを見せたものの、距離感が合わずに減点を受けて敗退となってしまった。

次のCグループで、野村と石川が出走した。野村は、1本目は後半で角度や安定性の点が伸びず、2本目は振り返し後にスピンをしてしまって、追走進出を逃した。

石川は1本目に適度な振り出しから大きな角度のドリフトを見せて98.0の高得点を獲得。2本目は振り出しこそよかったが1コーナーにドリフトがとどかず、減点を受けて点を伸ばせなかった。しかし、このCグループは激戦だった。98点オーバーを出す選手が続出。石川の点も悪くなかったが、グループ上位4人に入れず、ここで敗退となってしまった。石川は「思ったより車速が伸びなくて、そのぶん奥で振り出したつもりだったんですけど、中に入っていっちゃいました」とコメントした。

第8戦単走。野村は振り返しなどで点をかせいだセクターもあったものの、走りをまとめられず、追走進出を逃してしまった。
第8戦単走。石川は1本目からいい走りを見せて98.0という高得点を出したものの、2本目に点を伸ばすことができなかった。
第8戦はポイント獲得をのがしたが、追走、単走ともに好成績が増えてきて、以前よりもあきらかに自信を深めている様子の石川。

大会後、URAS RACINGの野村は、「昨日走って、もうちょっとここが欲しいよねというところがあったんで、そこを克服しようという感じでいったんですけど、朝からちょっとセットアップもミスしちゃってて、それで組み立てが悪かったのが大きいですね。次のお台場はまたすぐなんですけど、何回か走りに行けるチャンスはあるんで、もうそのまま大会に出れるくらいの状態まで持っていきたいと思います。DUNLOPタイヤは今回、雨の練習走行ではめちゃくちゃよくて、ドライになってからもちょっとエアを高めで走ったんですけど、それでもしっかり止まってくれたので、安心感がありました。お台場はあまりいい路面じゃないんですけど、去年、一昨年とタイヤとの相性はいい感じなので、しっかり行きたいと思います」と語った。

本番での結果こそ出せなかったが、プラクティスではいつになく高いレベルで安定していた野村。歯車が噛み合えばお台場での活躍が期待できる。

また、TEAMマッハ×DROO-Pの松岡監督は、「今日はくじ運や。やれることは全部やったな、今回は。まぁ悔しいけどね。2本失敗して敗退するのとはわけがちがう悔しさはあるけど、まあそれもゲームなんで受け入れて。でも、すごい手応えもあるし。特に石川に関してはもうもうこれで十分戦えるよっていう、本当にあとちょっと、くじ運も含めていろんなことが噛み合えば、結果を追求できる領域に入ってきた。

今日はウエストゲートのバネを少しドライ用に振ってみたんだけど、間違いなくこっちのほうが、アクセルに対してレスポンスよくクルマが反応するのがわかったんで、今後ひとつのセッティングとして、ウェットだとこっち、ドライだとこっち、みたいな使いかたができるかもしれない。10 分ぐらいで交換もできるし、ひとついいものを見つけたなというふうには思ってます。 

タイヤに関しては、今回練習日がウエットで、今日なんかはドライで、セッティングを変えているのはダンパーだけなんですよ。路面が濡れているほうがよりDUNLOPタイヤは強みが出せるけど、ドライもウエットも十分タイヤの性能を引き出せるしようになったし、戦える状態になっている。

まあ泣いても笑っても次は最終戦なんで。石川に関しては第7戦でポイントをいっぱい取れたから、シリーズランキング自体もどこまで行けるかね。ベスト 10 はちょっと厳しいかもしれないけど、お台場の成績しだいで、その近くまでは狙える。以前はなかなかそういうシリーズランキングであったり、戦いかたまでは考えられない状況だったけど、それがやっとこう、シリーズランキングも視野に入れながら戦うことができるくらい、本当にすごいよくなってると思う。

というわけでお台場は期待してください!」と力強く語ってくれた。

DUNLOPタイヤの性能を引き出せるクルマと体制が仕上がってきて、手応えを感じているTEAMマッハ×DROO-Pの松岡監督。

次のD1GPはいよいよ東京・お台場でシーズン最後の2連戦。DUNLOPタイヤ、特に石川とは相性のいいコースなので、好成績が期待できる!