前代未聞レベルの軽量化でR35の潜在能力を解放
1000馬力を活かし切るハイレベルなセットアップ!
「R35GT-Rは速いけど、筑波などのタイムアタックには向かない」。そう囁かれてきた理由は明確だ。1700kg台という車重。圧倒的なパワーを誇る一方で、俊敏さが求められる筑波サーキットでは、その重量が不利に働くと考えられてきたからだ。

だが、そのセオリーに真正面から挑んだのが、今回登場するオーナーのTAKAさんである。すでに筑波サーキットで53秒646というR35最速タイム(2026年4月時点)を記録するこのGT-Rは、単なるハイパワー志向のチューンドではない。重量と制御を徹底的に見直し、R35GT-Rの潜在能力を最大限に引き出している点が大きな特徴だ。
「もともと55秒台は出ていました。軽量化すればもっと速くなるのではないかと考え、昨シーズンに内装の剥がしを実施しました」。同時にパワーアップも行った結果、タイムは53秒9まで短縮することに成功したという。

耐久性を重視し、あえて排気量は3.8LのままとしたVR38DETTユニット。HKSの強化ピストンとコンロッドに純正クランクを組み合わせ、RSEカムやトラストのサージタンクを採用している。
タービンはTD06-25Gをベースにエキゾーストブレードを変更し、高回転域での伸びを重視した特性とした。最大ブースト圧2.0キロ時には1050psを発揮。高出力と耐久性を両立し、4シーズンにわたり酷使してきたがトラブルは皆無だ。
足まわりにはラッシュファクトリーオリジナルのRYUダンパーを装着。バネレートはフロント22kg/mm、リヤ14kg/mmとし、コースやタイヤの変更にもレート変更なしで対応できる懐の深さを備える。ブレーキは前後ともにエンドレス製モノブロック6ポットを採用する。

タイヤはフージャーを使用し、これまで305幅を基準にテストを重ねてきたが、フロントに335幅を装着するため海外製のアッパーアームへ変更。前後サスメンバーも海外製のパイプ構造タイプへと換装し、軽量化を図っている。

305幅と335幅を履き比べながらフィーリングとタイムを検証中だが、「とにかく乗りやすいクルマなので、このまま詰めていけばいい」と語るのは、このR35GT-Rをドライブし、筑波ラジアル最速(ポテンザRE-12D)となる53秒750を記録した柴田優作選手だ。

軽量化は徹底している。内装や快適装備はすべて撤去し、ドアはカーボン製へ変更。重量バランスを考慮し、助手席にはラディウム製の安全タンクを搭載する。ミッションにはレイニーの強化プレートを組み込んでいる。

エンジンやミッション、アテーサET-Sの制御データはラッシュファクトリーにて最適化。さらにモーテックのディスプレイロガーを搭載し、走行データやコンディションを常時チェックできる体制を構築。GTマシンさながらのスイッチ付きステアリングも同社オリジナルだ。


今シーズンは、フロントガラスを含むすべてのウインドウを軽量なアクリルへと変更。カーボン製のヘッドライトやテールランプもオリジナルで製作し、地道なアップデートを重ねた結果、純正比で約260kgの軽量化を達成している。

「ロガーの解析では53秒前半、条件が揃えば52秒台も見えてきます。あとはドライバーのスキルを高めるだけです」とTAKAさん。空力面のアップデートなど、さらなる進化の余地も残されている。
R35GT-Rの底知れぬポテンシャルを改めて証明した1台と言えるだろう。
●取材協力:ラッシュファクトリー 神奈川県伊勢原市歌川2-2-10 TEL:0463-73-5937
【関連リンク】
ラッシュファクトリー
https://rushfactory.jp/


