ABSユニットが走る制御を主導する?
ECUは車両側の部位とも通信

Aさんは、車両の協調制御という電脳系のテクニカルな観点からもZC33Sのチューニング、メンテナンスに取り組む裏方である。
「当社はZC33Sのサスペンションを交換して車高が変わったら、車両制御の正確性のために、目的によってやっておく調整があります。それはレベリングです。ヘッドランプの話ではありません。
知られるように近年のクルマは制御が複雑で、ZC33Sも同様です。エンジン制御のECU、ABSコントローラー、パワステコントローラー、電装系のコントローラーなどがCAN通信で情報をやりとりし、協調制御をしています。
レベリングは、ABSユニットで行います。ユニット内部にはESPの制御部があって、これはトラクションコントロールなどでも働きます。ABSにEBD、仕事はブレーキだけではないのです」

ABSユニットは、ZC33Sではエンジンルーム内の助手席側奥に置かれる。複数のブレーキパイプが出入りし、一見、機械的なボックスに映る。
しかし、メーカーの部品名ではESPコントローラーだ。総合的な制御部(車輪速の検出と車速の推定計算もここ)。EBDの制動力配分やABSに液圧を増圧、保持、減圧するモーターとソレノイドバルブ。さらには制御に必要な前後左右Gとヨーを検出する各センサー。そして、マスターシリンダーの液圧センサーまで内蔵されている。
ESP=横滑り防止装置のワードが先行するが、受け持つ制御範囲はAさんがいうようにABSに始まって、多岐にわたる。
このまま車両が進んでアンダーステアになると読み取れば、即座にECUにエンジントルクを下げる指令を出しつつ、リア内輪に制動を掛ける。傾向がオーバーステアになると睨んだときは、外輪の駆動輪側に制動を掛ける。
クルマの姿勢を正すスタビリティ制御では、ESPでの車速とヨーレートのセンシングにパワステコントローラーからの舵角も情報として合わせる。
このまま車両が進んでアンダーステアになると読み取れば、即座にECUへエンジントルクを下げる指令をしつつ、リア内輪に制動を掛ける。傾向がオーバーステアになるとにらんだときは、外輪の駆動輪側に制動を掛ける。
エマージェンシストップシグナルの点灯や、ヒルホールドコントロールもESPの制御によるものだ。急制動時に駆動輪のロックを防ぐ、トルクアップ制御というのもある。
走行中の制御ではESPコントローラーが、かなり主導する役割を担っている。ちなみにインパネのESPスイッチ長押しでは、おもにトラクションコントロールとスタビリティ制御が原則として解かれる。
後編「必要なのはセンサーの”校正”」

8月23日 19:10~配信予定
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