4代目SJ型フォレスターは「FORESTER LIVE」でデビュー
SJ型と呼ばれる4代目フォレスターは2012年に登場。「SUVとしての本質的な価値の実現」というコンセプトのもと3代目からパワーユニットからトランスミッションに至るまで全面的に刷新された。

また、デビューに合わせ世界5大陸、約10万キロを走破し、フォレスターの機能、性能を実証するキャラバンイベント「FORESTER LIVE」も展開。SJ型フォレスターの発表日である2012年11月13日オーストラリア・ニューサウスウェールズ州ブロークンヒルをスタートし、2013年10月29日に富士山麓にて最後の実証チャレンジをし、ゴール。様々な過酷なチャレンジを難なくクリアしたフォレスターの高い性能を実証した。

SJ型フォレスターでは、最低地上高も3代目ではNA車では215mm、ターボモデルで225mmとされていたが、全車を220mmに統一。ボクシーなデザインのエクステリアと相まって、よりSUVらしさを強めている。

また、登場時は直噴ターボエンジン搭載モデルに、よりスポーティテイストを強化した専用バンパーを与えるなどターボモデルならではのフロントデザインを採用。さらにこのSJ型からは、ターボモデルでも従来のボンネットのエアインテークを廃止し、フロントグリルからボンネット裏に設けたダクトを通し、インタークーラーを冷却しているのが特徴だ。
ほかにもAピラー下端部を200mm前方へ出したことで、伸びやかなシルエットを実現すると同時に、現行車にも受け継がれている前側方の死角を減らす三角窓をフォレスターとして初採用している。
最低地上高を220mmとしながら、ルーフレール非装着車は、多くの立体駐車場の入庫を可能とする全高1695mmを実現している。

上質感を高めたインテリアとさらに向上したユーティリティ性
インテリアは、洗練された造形と質感の高い素材を採用することで、空間の広がりとSUVならではのたくましさと力強さ、上質感を表現。ダッシュボードをはじめ、手に触れる箇所には、感触の良いソフトパッドを使用するなど、素材にもこだわり、室内の質感を高めているのが特徴だ。

また、前席のシートバックの高さを60mm高め、サポート性を向上。同時に前後のスライド量を32mm、リフター量を15.5mm増やし、あらゆる体型のドライバーにベストなポジションを提供してくれる。シートのヒップポイントも先代より36mm高くなっており、SUVらしい見晴らしの良さもSJ型ならではのポイントだ。

ダッシュボード中央上部にはMFD(マルチファンクションディスプレイ)を装備。アイサイトやXモードの動作状況の他、平均燃費や航続可能距離、外気温やエアコンの動作状況など様々な情報を集約して表示。ナビゲーションシステムはG-BOOK対応ナビをメーカーオプションとして設定するが、基本はナビレス仕様となっており、ユーザーが好みのメーカーのナビやオーディオを、ディーラーオプションや市販品からチョイスできるのが魅力といえる。

さらに、現行型でも好評を博している乗降時に、サイドシルに足が触れても、泥はね等の汚れがつきにくい構造とした、クリーンサイドシルをSJ形で初採用。サイドシルの位置を下げ、さらに車両内側へ寄せることで、スムーズな乗降性を実現している点も見逃せない。ユーティリティ面では、リヤゲートを電動で開閉できるパワーリヤゲートをスバル車として初採用している。
新世代BOXER「FA型」「FB型」を搭載
パワーユニットはターボモデルを含め、全車が新世代BOXERと呼ばれるFA型およびFB型エンジンとなり、フラッグシップモデルの「XT」にはレガシィに搭載されていた直噴ターボエンジンのFA20を搭載。最高出力をレガシィの300psから280psへ落としつつ、中低速トルクの扱いやすさを重視したセッティングへと変更。

トランスミッションは4速ATと5速ATからリニアトロニックCVTへ変更。ターボモデルには強大なトルクに耐えられるようTR690型大容量スポーツリニアトロニックが搭載された。

XTのSIドライブはS#モードを備える3モードとなっているが、Sモード、Iモードのマニュアルモードでは6速だが、S#モードはDレンジのままでも8速のステップ変速になる専用制御を設定している。NAの一部グレードにはTY75型のMT車も残され、5速から6速へと変更された。

AWDシステムは伝統のACT-4(アクティブトルクスプリット式4WD)を採用するが、制御を一新。前後のトルク配分制度を高めている。また、一部のグレードにはXモードを新搭載。エンジン、ミッション、AWDシステム、VDCを統合制御し、滑りやすい路面でも走破性を高めてくれる頼もしい機構だ。これにはラフロードでも一定のスピードで降坂できるヒルディセントコントロール機能も装備。当時は本格クロスカントリー4WD車でも装備されないモデルがある中、フォレスターはいち早く採用していた。

安全性の面ではついにSJ型からフォレスターにも待望のアイサイト(ver.2)を設定。パーキングブレーキが手引き式であるため、当時のインプレッサ(GP/GJ型)同様に停止保持機能こそ装備されなかったが、プリクラッシュブレーキや全車速追従クルーズコントロールを有するアイサイト搭載車の設定は歓迎された。

マイナーチェンジでSTIコンプリートカー「tS」を限定発売
2014年に2度目の年次改良(アプライドC型)がデビュー。新型フォレスターにも設定されたプレミアムサウンドシステム「ハーマンカードンサウンドシステム」をSDナビゲーションとセットでメーカーオプション設定。さらにラジオアンテナをポールタイプからシャークフィンアンテナへと変更し、よりスタイリッシュな外観としている。
また、C型登場時に同時設定された特別仕様車のSリミテッドは、NAエンジン搭載車では初めてXTと同じフロントマスクを持つスポーティな内外装を纏ったモデルとしてデビューした。

さらに、この時STIコンプリートカーのフォレスター「tS」も300台限定で同時デビュー。オンロードを極めたSUVとして、「走る愉しさ」と「所有する悦び」を徹底的に追求。

tS専用TCU(トランスミッションコントロールユニット)を採用し、SI-DRIVEのS#モードをチューニング。専用CVTクーラーの搭載と相まって、気持ちの良い加速感を実現。足まわりではbrembo製ベンチレーテッドディスクブレーキ、BBS製19インチ鍛造アルミホイール、専用チューニングサスペンション、STI独自のフレキシブルパーツの採用など、STIが追求する「強靭でしなやか」な走り味をあらゆるシーンで発揮。
エクステリアには、STI製フロント/リアアンダースポイラーや、STIオーナメントやチェリーレッドピンストライプ付のフロントグリル/リアバンパーを装備。

インテリアにもSTIロゴ入りスポーツメーターやカーボン調インパネ加飾パネルを採用するなど、STIコンプリートカーらしさを演出。「所有する悦び」を感じることができる特別な仕様を施している。

また、ローダウンされた車高とbrembo製ブレーキに合わせ、専用のチューニングのアイサイト(ver.2)を搭載。遮音材付フロアマットを採用するなど、静粛性にもこだわって作りこまれている。
D型で大幅改良!アイサイトもVer.3に進化
2015年にはアプライドモデルD型となる大幅改良を実施。前後のエクステリアをリファインし、リヤコンビランプにもコの字型モチーフを取り入れた。NA用のフロントバンパーはデザインを一新し、SUVの逞しさと先進的な印象を向上。

刷新されたヘッドランプには、ステアリング連動機能やハイビームの照射範囲を無段階で調整するアダプティブドライビングビームを採用。同時に光源をHID(ロービーム)/ハロゲンから、LEDヘッドランプへ変更。1灯でハイビームとロービームを賄うバイファンクションプロジェクター式を採用し、ステアリング操作に合わせ、ヘッドランプの光軸を左右に動かすステアリング連動ヘッドランプも採用した。

ちなみに、SJ型アプライドD型から、SK型まで開発を担当したPGM(プロジェクトゼネラルマネージャー=開発責任者)の布目智之氏は、PGM就任前から、このヘッドランプの開発に取り組んでいたそうで、当時のスバル車では最先端のヘッドランプはまさに布目PGM入魂の装備といえる。

インテリアでは、インストルメントパネルにシルバーフレームとピアノブラック調のコンビ加飾パネルを採用し、質感を向上。インパネセンタートレイやドアグリップに表皮を巻き、触感までもこだわる上質さを実現。「2.0i」を除く全車に、メーターパネル中央にカラー液晶のマルチインフォメーションディスプレイを採用したほか、マルチファンクションディスプレイもより見やすく表示デザインが変更され、アイサイトやSI-DRIVEの作動状況など、運転に必要な情報を分かりやすく表示。

ユーティリティ面では、2.0iを除く全車にリヤシート左右席にHI-LOW 2段の温度調整機能を設定した独立式のリヤシートヒーターを採用したほか、運転席パワーシートに、メモリー機能も追加された。ドアガラスの板厚アップやシール部品の強化、リニアトロニックの改良などにより走行時の静粛性も大きく向上している。

FB20エンジン搭載車は、燃焼改善やフリクション低減などにより、燃費性能を向上。CVT車は燃費値を16.0km/l(JC08モード)へと向上し、ワンランク上のエコカー減税が適用となった。FA20ターボエンジン搭載車は、CVTにオートステップ変速制御を採用。ダイレクトでスポーティな加速感を実現したほか、SI-DRIVEの「S♯(スポーツシャープ)モード」では8段ステップ変速をクロスレシオ化し、よりパワーバンドを使いやすい、スポーティな設定へ変更されたほか、アクティブ・トルク・ベクタリングを採用し、コーナリングのライントレース性も向上。

シャシーもフロントのクロスメンバーの剛性アップ、リヤショックアブソーバーのレバー比の変更およびトレーリングリンクブッシュの最適化により、操舵に対する応答性や直進安定性を向上させ、ハンドリング性能と安心感を高めている。
ショックアブソーバーは、減衰力やコイルスプリングのバネ定数の最適化、前後ショックアブソーバーはロッドガイドブッシュと作動オイルを変更することで、摺動部のフリクションを安定させて振動を抑えるとともに、初期ロール特性を最適化し、振動の少ない快適な乗り心地と優れた操縦安定性を実現しているのが特徴だ。
また、ステアリングギヤ比を従来の15.5:1から14.0:1に変更。クイックギヤにすることで、取り回しの良さと、ハンドリングの気持ち良さも大きく高めている。

アイサイトはカメラをカラー化し、操舵支援機能を追加した(ver.3)へ進化。視界拡張機能のリヤビークルディテクションなどをパッケージ化したアドバンスドセーフティパッケージを設定するなど安全面も大きく進化した。
アイサイトの低価格設定により先進安全装備普及に貢献
SJ型フォレスターは当時の他のスバル車同様、アイサイトを約10万円という低価格で設定したことで、運転支援システムを多くの人が手に入れることを可能とした点は高評価のポイントだ。

ほかにもSUVとしては数少ないハイパワーターボエンジンを搭載したXTの設定は、従来のフォレスターオーナーやスバルファンからも大いに歓迎されただけでなく、好みの分かれるボンネットのインテークダクトを廃止したことで、他社からの乗り換えユーザーも取り入れることに成功した。筆者の個人的な意見としては、スバルのターボモデルには象徴的なダクトを装備してほしいという思いがあるが、スバルファン以外への訴求という点では正解だったといえるだろう。

新型フォレスターでは、ストロングハイブリッドの誕生により、燃費だけでなくSJ型のターボモデルでハイパワーに魅了されたオーナーたちも満足できるパワーを手に入れた。SUVでスポーツ走行を楽しみたいユーザーにもイチオシのモデルといえるだろう。












