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今日は何の日?■フィットシャトルの後継としてシャトル登場

2015(平成27)年5月17日、ホンダは5ナンバーサイズのコンパクトなステーションワゴン「シャトル」を発売した。シャトルは2011年6月にデビューした「フィットシャトル」の後継モデルだが、フィットとは異なるイメージを持たせるためにフィットの冠を外したのだ。
シャトルの系譜は、シビックシャトルから始まった
ホンダで初めて「シャトル」を名乗ったのは、1983年9月にデビューした3代目「シビック(通称:ワンダー)」の翌10月に登場した「シビックシャトル」である。その後、ホンダのコンパクトステーションワゴンは以下のように進化した。
初代シビックシャトル(1983年~)

シビックシャトルは、1981年にデビューして大ヒットした“トールボーイ”「シティ」をひと回り大きくしたような5ドアのハイトワゴン。最大の特徴は、2.0Lクラスに相当する室内空間であり、特に後席スペースは圧倒的な広さを誇った。
2代目シビックシャトル(1987年~)

シビックが4代目「シビック(通称:グランド)」にモデルチェンジして、シビックシャトルも2代目へと移行。2代目の特徴は、ワイドな曲面ガラスを採用したフラッシュサーフェス・フロントウインドウやリア・クオーター・ベントガラスウインドウなどにより、明るく広々とした室内空間だった。1995年9月に、シビックは5代目「シビック(通称:ミラクル)」にモデルチェンジしたがシビックシャトルは設定されず、この時点でシビックシャトルはラインナップから消えた。
オルティア(1996年~)

シャトルの名を冠しないが、オルティアも実質的な後継車である。当時は、スバルの「レガシィ・ツーリングワゴン」がけん引するステーションワゴンブームが起こっていたが、ファミリー志向だったオルティアは地味な印象で苦しい販売を強いられ、2002年に生産を終えた。
エアウェイブ(2005年~)

オルティアの後を継いだ「エアウェイブ」は、初代フィットをベースにして、その名の通り大型のガラスルーフの“スカイルーフ”が特徴のコンパクトステーションワゴンだった。また、車室スペースの広さと巧みなシートアレンジも魅力だったが、2010年に生産を終えた。
2代目フィットベースのステーションワゴン、フィットシャトル

2011年6月、エアウェイブの後を継ぐ形で2代目フィットベースのコンパクトステーションワゴン「フィットシャトル」がデビューした。室内・収納スペースの広さ、使い勝手の良さと走り、加えて燃費の良さが特徴だった。

フィットシャトルは、ガソリン車とハイブリッド車で構成。ガソリン車のパワートレーンは、フィットと同じ最高出力120ps/最大トルク14.8kgmを発揮する1.5L 直4 DOHC i-VTEC直噴エンジンとCVTの組み合わせ。ハイブリッド車は、1.3L 直4 i-VTECエンジン+モーターの“IMA(ホンダ・インテグレーテッド・モーターアシスト)”の組み合わせ。フィットでも採用されていたIMAは、エンジンとトランスミッションの間に挟み込んだモーターでエンジン出力をアシストするマイルドハイブリッドである。
ガソリン車、ハイブリッド車とも燃費はフィットと同等レベルで、トップクラスの燃費性能を達成。しかし、立ち上がりの販売こそ順調だったが、その後は徐々に失速。燃費と走り、収納スペースについては高い評価を受けたが、ステーションワゴンブーム自体の人気も低迷し始めたことから、結局販売は回復しないまま2015年に販売を終えた。
フィットシャトルを大きく進化させたシャトル

2015年5月のこの日、フィットシャトルの後継となる「シャトル」がデビューした。ともにコンパクトなステーションワゴンだが、フィットシャトルは初代フィットがベース、一方のシャトルは2代目フィットがベースだが、ほぼ専用設計に近い形で開発された。



パワートレーンは、ガソリン車とハイブリッド車で構成された点はフィットシャトルと同じだが、中身は大きく進化した。ガソリン車のエンジンは、最高出力129ps/最大トルク15.6kgmの1.5L 直4 DOHC i-VTECとCVTの組み合わせ。ハイブリッド車には、1.5LアトキンソンサイクルDOHC i-VTECエンジンに高出力モーター内蔵7速DCT(デュアルクラッチ・トランスミッション)を組み合わせた本格ハイブリッド“SPORT HYBRID i-DCD”を採用。ハイブリッドによって、クラストップとなる34.0km/Lの低燃費が達成された。
車両価格は、169.0万円~188.4万円(ガソリン車)/199.0万~254.2万円(ハイブリッド車)。が、販売は苦戦した。

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シャトルは、フィットシャトルに較べると、ガソリン車もパワーアップし、ハイブリッド車もマイルドハイブリッドから本格ハイブリッドへ進化して走りも燃費も向上した。また、荷室も広くなってステーションワゴンとしての魅力は増したが、ミニバンやSUVが市場を席巻する状況では、存在感を示すことはできずに2022年に生産を終えた。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

