連載

今日は何の日?

■FFクーペのパルサーEXAにコンバーチブル追加

1985年5月にデビューした日産「パルサーEXAコンバーチブル」(オープン時)

1985(昭和60)年5月21日、日産自動車は2代目パルサーのクーペ「パルサーEXA」に「パルサーEXAコンバーチブル」を設定し、100台限定で発売した。EXAコンバーチブルは、手動で開閉できる対候性に優れたソフトトップを覆った、赤基調の内外装でまとめたファッショナブルなオープンモデルである。

チェリーの後継車としてパルサー誕生

1970年にデビューした日産「チェリーX-I」
日産2代目「チェリーF-II」
1973年に登場した日産「チェリーX-I-R」

「チェリー」は、1970年10月に日産初のFFレイアウトの小型車として誕生した。そのチェリーの最終モデル「チェリーF-II」の後継として、1978年5月にデビューしたのが「パルサー(N10型)」だ。

1978年5月にデビューした日産初代「パルサー(4ドアセダン)」。欧州市場を指揮したシャープなスタイリング

パルサーは、FF方式のエンジンレイアウトやパワートレーン、足回りなどをチェリーFIIから受け継ぎ、“パルサー・ヨーロッパ”のキャッチコピーの通り、欧州市場を意識したシャープなスタリングが特徴。当初は、4ドアファストバックのセダンだけだったが、4ヶ月後に3ドアハッチバックとクーペがラインナップに追加された。

パワートレーンは、最高出力70ps/最大トルク10.2kgmを発揮する1.2Lと80ps/11.5kgmの1.4L 直4 OHVに4速MTを基本とし、1.4L搭載モデルには“スポーツマチック3速AT”を設定。これは、2ペダル仕様のいわゆる自動MTである。

その後、1980年5月のマイナーチェンジではヘッドライトが丸型2灯から角型2灯へ変更され、さらにエンジンが1.3Lと1.5Lに換装されるなど、市場のニーズに合わせて商品強化が図られた。

欧州車風のスタイリングと俊敏な走りのパルサーは、日欧で人気を獲得して堅調な販売を続けた。

2代目パルサーに先進のFFクーペのEXA登場

1982年4月にデビューした日産2代目「パルサー1500TS-GE(5ドアハッチバック)」

1982年4月、「パルサー」は2代目(N12型)にモデルチェンジ。3ドア/5ドアハッチバックとクーペが用意され、世界をリードする先進のFFワールドカーが目標だった。

1982年4月にデビューした日産2代目「パルサー1300TS(3ドアハッチバック)」

スタイリングは、スラントノーズとテーパードフード、リアにかけてはダックテール風のリアエンドを採用した欧州風フォルムで、フラッシュサーフェイス化を徹底したボディで優れた空力性能が実現された。

パワートレーンは、最高出力75ps/最大トルク10.7kgmを発揮する1.3L 直4 SOHC、85ps/12.3kgmの1.5L 直4 SOHC、95ps/12.5kgmのそのEGI(電子制御噴射)仕様の3種エンジンと、4速/5速MTおよび3速ATの組み合わせ。

1982年4月にデビューした日産2代目「パルサーEXA」

注目を集めたのが、サブネーム“EXA”を冠したクーペ「パルサーEXA」。クラス初のリトラクタブルヘッドライトを装備。インテリアには、オレンジ透過のメーターやツートンカラーのボディ色を採用することでスポーティさをアピールした。

1982年4月にデビューした日産2代目「パルサーEXA」のリトラクタブルヘッドランプ

車両価格は、3ドアハッチバック(1.5Lエンジン+5速MT)の標準グレードが105.3万円、EXAは117.5万円。当時の大卒初任給は12.5万円程度(現在は約23万円)だったので、単純計算では現在の価値で3ドアハッチバックが194万円、EXAが216万円に相当する。

2代目パルサーも先進的でスポーティなFFモデルとして高く評価され、日欧米で堅調な販売を継続した。

100台限定で販売されたパルサーEXAコンバーチブル

1985年5月にデビューした日産「パルサーEXAコンバーチブル」(オープン時)
日産「パルサーEXAコンバーチブル」(オープン時)のリアビュー

1985年5月のこの日、日産チェリー系販売会社の創立15周年記念モデルとして、「パルサーEXAコンバーチブル」が生産台数わずか100台で発売された。ベースは、標準グレード(1.5Lエンジン+5速MT)の「EXA」である。

1985年5月にデビューした日産「パルサーEXAコンバーチブル」(クローズド時)
日産「パルサーEXAコンバーチブル」(クローズド時)のリアビュー

リトラクタブルヘッドライトやロールバー、盛り上がったトノカバーで構成されるオープンスタイルは、かなり個性的で斬新。ボディ色は赤のみで、インテリアは赤×エンジの2トーンでまとめられ、水平指針のタコメーター、スピードメーター、水温&燃料計が並び、中央に3本スポークステアリングが配置されたレイアウトは、スポーティな印象を与えた。

日産「パルサーEXAコンバーチブル」のコクピット

また、手動開閉式の3層構造の専用ソフトトップと有機ガラスリアウインドウは、対候性と後方視界の良さをアピール。トランクルームはクーペと同等レベルの容量を確保し、オープンカーにありがちなスペース面のネガは最小限に抑えられた。

日産「パルサーEXAコンバーチブル」のフロントシート

パワートレーンは、最高出力85ps/最大トルク12.3kgmの1.5L 直4 SOHCと5速MTの組み合わせ。ボディ補強のために車重は50kg程度重くなったので、走りについてはEXAよりもやや俊敏さに欠けるのは致し方ない。

車両価格は、198.0万円。ベースとなった標準グレードのEXAが117.5万円なので、コンバーチブルは80.5万円も高額だった。

1978年(N10型)~1990年(N13型)の日産「パルサー」
1982年(N12型)~1990年(N13型)の日産「パルサーEXA/EXA」

・・・・・・・・・・・
パルサーEXAコンバーチブルは、1982年後半に北米で発売された「パルサーNXコンバーチブル」を日本仕様にして発売したモデルである。両車の相違点は、基本的には米国と日本の法規対応の違いだが、エンジンも1.6L(電子制御噴射)と日本仕様とは異なる。もちろん、米国のパルサーNXコンバーチブルは限定販売でなく、通常販売だった。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

連載 今日は何の日?

by MotorFan
歴史 11時間前

スバルの上級SUVには3L 6気筒ボクサーエンジン!「レガシィ・ランカスター6」が295万円で00年登場【今日は何の日?5月24日】

by MotorFan
歴史 2026.05.23

ホンダのスーパースポーツNSXの究極モデル「NSX-R」が3.2Lエンジンを搭載し7年ぶりに1196万円で02年復活【今日は何の日?5月23日】

by MotorFan
歴史 2026.05.22

ハイソカーと化した日産R31セブンスに高性能な「スカイライン・2ドアスポーツクーペGTS」を200万円~86年に追加【今日は何の日?5月22日】