早い段階で完成したヘルメットの原型
へルメットの原型は軍用の兜や乗馬用などから。バイクという新たな乗り物が一般的になるにつれて、バイク先進地域であった欧州では少しずつバイク用ヘルメットが作られていった。
日本では現在アライヘルメット、SHOEI、OGK KABUTOといったビッグネームがあるが、その他にも多くのヘルメットメーカーが存在する。その大半が1950年代にヘルメット製造をスタートさせ、それぞれのスタンスで商品をラインナップしてきた。その中でも最古参なのがアライヘルメットだ。
アライのスタートは1902年創業の京橋の帽子店。モノづくりが好きで、かつオートバイも愛した故新井廣武社長が、1952年にオートレーサーのためにヘルメットを作ってくれないかと打診されて生み出したのが「日本初の乗車用ヘルメット」とされている(それまでは、頭に直接当たる内側を網で吊っているような、保安帽(ドカヘル)に毛が生えたようなものしかなかった)。オートレーサーもさることながら、一般のバイク乗りも転んだらタダでは済まなかった時代の話である。
このときアライが作ったヘルメットには、シェルにグラスファイバーが使われており、そのわずか6年後には内側に発泡ライナも採用する。こんにちのヘルメットの原型がすでに出来上がっていたのは驚きだ。
この構造のヘルメットが日本初であったことは間違いないが、世界でもほぼ初なのだから先代社長は先見の明があったのだろう。同時期にアメリカのBELL社が似た構造のヘルメットの製造を始めたとされるものの、どちらが先とも言えないようなタイミング。世界のライダーの安全を牽引してきたトップランナーであることは間違いないのである。
ヘルメット80年の歴史
60年代に入ると実用車や趣味の乗り物としても、はたまた競技用途でも、バイクというものの存在がますます大きくなり、戦後日本の復興の象徴的産業になっていったのはご存知の通り。そのことに連動して「バイクに乗る時にはヘルメットをかぶるべし」という規制も段階的に導入されていく。
その後ヘルメット業界に参入するメーカーも増え、とくに70~80年代のバイクブームにかけては今ではもう残っていないメーカーも数多く存在していた。

【1950’s 】
・1950年にアライヘルメットの前身「新井広武商店」が設立
・1958年に「マルシン工業」が設立
・1959年にSHOEIの前身「昭栄化工」が設立

アライヘルメットの創始者、故新井廣武氏の勇姿。まだまだ街中でバイクを見かけることが少なかった時代。シート上に立つという奇異なライディングアクションを決めた姿が当時の新聞に掲載された。

【1960’s 】
・1966年に「リード工業」がヘルメットの製造販売を開始

ヘルメット製造の現場で貫かれるコンセプトは“手作業”であること。令和の現在でもほとんどの製造工程で、一貫して手づくりによって種々のヘルメットが生み出されている。世界に誇るジャパンメイドである。

【1970’s 】
・すべての道路で自動二輪車運転者に対するヘルメット着用義務化(1978)
【1980’s 】
・1982年にオージーケーカブトの前身である「オージーケー」が設立
・50cc以下の原付バイクへのヘルメット着用義務化(1986)

【1990’s 】
・新たに「大型自動二輪車免許」が創設(1996)
【2000’s 】
・高速自動車国道で自動二輪車(125cc超)の二人乗り運転が可能に(2006)

【2010’s 】
・EURO4と同等の二輪排出ガス規制が国内で新たに施行(2016))
【2020s 】
・EURO5と同等の二輪排出ガス規制が国内で新たに施行(2022)
・【新基準原付」制度がスタート(2025)






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