F3ブームを支えた4ストレプリカと個性派マシンたち
2スト250ccレーサーレプリカがブームの中心だった一方で、4スト400ccクラスもまた多くのライダーを熱狂させた存在だった。当時はF3(クラス名)レースで2スト250ccと4スト400ccが同じ土俵で争い、各メーカーは威信をかけて高性能マシンを投入。高回転まで吹け上がる直列4気筒サウンドやV4エンジンの独特なフィーリングは、多くのファンを虜にした。
そして人気ツーリングスポットに集まるのは、そんな王道レプリカだけではない。メーカーの技術を結集したスポーツモデルから、独創的な発想で生まれた個性派モデル、さらにはオーナーの遊び心が光るカスタムマシンまで実にさまざま。速さだけでは語れない、80〜90年代のバイク文化を彩った名車たちを紹介していく。今なお大切に乗り楽しんでいるオーナーが大勢いるのだ。
VFR400R|V4サウンドにウットリ♪


イメージリーダーにRC30(VFR750R)がいたせいで、CBRよりレプリカなイメージ。所説あるけど、片目一
灯カウルはホームストレート右側にタワーのある鈴鹿でゼッケンの視認性を高めるためだとか(市販車は2灯)。V4エンジンならではの独特なフィーリングとサウンドは唯一無二で、耐久仕様カウルも強烈な個性を放っている。
VF400F|オンリーワンの造形美!


80年代のデイトナレーサーを思わせるアップマフラーが特徴的なVF400F改。リヤをVFR400Rの片持ちプロアーム化しているのがインパクト大。フルカウルが認可される直前のこのスタイルは80年代初頭のホンダ車共通のデザイン。今見ても強烈な個性を放っている。「このデザインだから好き」というファンが多いのも納得の一台だ。
FZR400|一番熱かった時代のレプリカ


立ち気味のカウルがかっこいい86FZRは、F3全盛期を象徴する4スト400ccレプリカ。当時は2スト250ccと互角に戦うことを目標に開発されていたため、ベースモデルの作り込みも本気そのもの。45度前傾エンジンを初搭載し、ワークスレーサーYZF400と同時開発ってのが売りだった。こいつじゃないと勝てないとか言われてた。高回転まで吹け上がる直列4気筒サウンドは、今なお多くのライダーを魅了している。
FZR400R|資生堂TECHテック21仕様!


レアな89FZR-R。耐久レーサーを思わせる丸目フェイスとテック21カラーが目を引く一台。サーフェス化された独特のスタイリングは今見ても新鮮で、「こんな純正モデルがあったの?」と思わせる完成度を誇る。
FZR250|ある意味貴重な89年モデル


フレームとエンジンに改良が加えられた89年型は、FZR250史上最強との呼び声も高いモデル。しかし販売面では苦戦し、この丸目2灯も翌年にはプロジェクターに変わり、最高出力も40psにダウン。だからこそ、この丸目2灯仕様はいま見ると貴重な存在なのである。
FZR250|伝説の薄紫ボディ!


平忠彦とテック21、そしてFZR。ヤマハファンなら誰もが反応する組み合わせだ。鈴鹿8耐での激闘や数々のドラマとともに語られるマシンだけに、このカラーリングを見るだけで当時の熱気がよみがえる。85年の鈴鹿8耐では、トップ独走中、残り30分でマシントラブルによりリタイア。90年には優勝するんだけど、そんな物語も背負っているマシンなのだ。
ZXR400R|直4レプリカの最終進化形


レプリカブーム後発組だったカワサキだが、Z1から続く並列4気筒の技術とプライドを注ぎ込んだのがZXRシリーズ。高剛性な倒立フロントフォークを採用し、吸気には「ラムダクト」と名付けられたダクトから燃料タンク前半部分にある二本のホースを通ってフレッシュエアを取り込む本気ぶり! この車両は希少なSP仕様で、とくにZXR750はいまや海外でも高い評価を受けるレジェンドマシンとなっている。
コブラ|魅惑の高回転マルチ!


ゼファー400がネイキッドのハシリだと思ってるキミ! 実はその前に出してたのがスズキ・コブラだ。GSX-R250のカウルレスかと思われているけど、タンク以外の外装は専用品という凝った作り。今見てもかなり個性的な存在である。
TZR125|ワンツーファイブこそ最高の相棒


大型車にはない軽快さと、使い切れる性能こそワンツーファイブ(125ccのこと)最大の魅力。TZRオーナーズクラブ会長のベストチョイスは軽くてメンテも楽なワンツーファイブだった。「やっぱ回しきれるのは楽しいっす」と言い、リッターSSを追い回してる? 軽くて維持しやすく、思い切り回して楽しめる。今だからこそ見直したい一台なのかもしれない。
TDR80|ダウンヒル最速!?

アップダウンの激しい峠道では、軽量なマシンが大型車を追い回すことも珍しくない。そんな下剋上のロマンを感じさせるのがこのTDR80改。エンジンはKDX200用に換装。足周りはNSR50とKSRのハイブリッド。アファム製特注スプロケットで最高速は余裕で3ケタとか。やれた雰囲気もまた不気味です。
BEAT|円谷プロとコラボ!?

80sスクーターにめっぽう強いショップTDF代表の愛機。独特なスタイリングを活かしながら、まるで特撮作品に登場しそうな雰囲気へと仕上げられている。遊び心たっぷりなのに違和感がないところが実におもしろい。
チョイノリ|完全にただモンじゃねえ!


本来2㎰しかない下駄マシンにヤマハYB90のエンジンをチューニングして搭載。シフトはフロアステップから生えたペダルで行なうという。フロントの足周りはセピアZZ一式を移植。おもしろそ~!
※この記事は月刊モトチャンプ2020年10月号を基に加筆修正を行っています
【モトチャンプ編集部】