ダイハツの新世代技術群、DNGAは、エンジンも新しい。型式こそ従来のKF型を名乗るが、中身はボルトとねじ以外はすべて新規設計と言えるほど新しい。間もなくデビューする新型タントから搭載が始まる。

今後10年競争力を維持するための全面刷新。ダイハツの新プラットフォーム

DNGAのエンジンとして軽自動車用660cc直列3気筒エンジン、NA/ターボのふたつのエンジンが発表された。すべてのエンジン部品を見直し、燃焼そのものから改善することで大きく性能を上げてきた新エンジン。型式こそ従来の「KF型」を名乗るが、中身はまったく別物と言っていい。


バルブはダイレクト駆動。ローラーロッカーを使わないのはコストの問題もあるが、エンジン高をできるだけ下げたいから、という従来からの考え方による。


バルブはダイレクト駆動。ローラーロッカーを使わないのはコストの問題もあるが、エンジン高をできるだけ下げたいから、という従来からの考え方による。


デュアルポートそれぞれにあるインジェクターの燃料噴射圧は従来通り300kPa。

注目は、世界初という「マルチスパーク」(複数回点火)技術である。1回の燃焼で2回点火することで、シリンダー内での燃焼速度を高めノッキングを抑制し、EGR量を拡大した。これは燃費に効く。

マルチスパーク(2回)の放熱エネルギー量は、従来の1回よりも若干上がった。とはいえ、いわゆる高エネルギーコイルを使うのではなく、従来のコイルを使いつつ、1回放電のあと急速充電し、再度放電するという方法を採る。 排出ガス対策としては、シリンダーヘッド内で排気ポートを集合させることで排出ガスの温度低下を抑制し、触媒の浄化性能をアップさせている。 VVT(可変バルブタイミング機構)は、従来と同じく吸気側のみ。

D-CVTと組み合わせることで、高速巡航時のエンジン回転数を下げることが可能になった。またいわゆる「燃費の目玉」は、ポイントは同じだが、領域はより低回転高負荷領域に広げることができた。 DNGA・新KFエンジンの新技術は、今後1.0ℓ直3エンジン(型式が変わらなければKR型)にも順次投入していく。

トランスミッションに新発想「ベルト+ギヤ駆動」のパワースプリット! ダイハツのDNGA新技術 D-CVT

新KFターボエンジンのスペックは次の通りだ。 KF型(Turbo) 排気量:658cc ボア×ストローク:63.0mm×70.4mm 圧縮比:9.0 最高出力:64ps(47kW) 最大トルク:100Nm 重量:54.9kg


ターボチャージャーはIHI製。

圧縮比を9.5から9.0に下げている。これは過給圧を上げたことによるノッキング制約のため。圧縮比は下がったが、動力性能と燃費性能のバランスは向上し、熱効率的は従来型より1.5ポイント上がった。 ターボチャージャーは、従来と同じくIHI製。過給圧を上げ、低速から回るタービンを使う。インタークーラーの効率も従来型から1.6倍高効率化した。


新開発のKF型NAエンジン


新開発のKF型NAエンジン


新開発のKF型NAエンジン


新開発のKF型NAエンジン

自然吸気エンジンにも大きく手が入っている。 KF型(NA) 排気量:658cc ボア×ストローク:63.0mm×70.4mm 圧縮比:12.5 最高出力:52ps(38kW) 最大トルク:60Nm 重量:50.6kg

EGRクーラーの効率を従来より上げたこと、マルチスパークの採用でよりEGR率を上げることができたという。 細かいところでは、NAではバルブ径も変更している(ターボは従来と同じ)。従来より小さい径にしたのは、燃焼室形状をできるだけコンパクトにしたかったから。 また、圧縮比は従来の11.2から11.5へ上げている。


中央に見えるのがEGRクーラー


中央に見えるのがEGRクーラー