Bentley Supersports

生粋のスポーツマシンであるベントレー

 

この車両はトラヴィス・パストラーナ選手のために作られた車両で、オリジナルのカラーリングが施されている。専用のエアロパーツなどは市販版と同様だ。
この車両はトラヴィス・パストラーナ選手のために作られた車両で、オリジナルのカラーリングが施されている。

超プレミアムブランドとして知られるベントレーだが、戦前にはル・マン24時間レースで5回の優勝を飾るなど、生粋のスポーツカーブランドであった。そのため、今でもベントレーはただ豪華なクルマ、というだけでなく運転そのものを楽しむということを非常に重視している。そのベントレーの本懐とも言える1台が、スーパースポーツだ。ベントレーは過去にもスーパースポーツと名づけたモデルを登場させているが、この最新モデルはベントレー自身「かつてないほど」と語るくらいの高性能とドライビングプレジャーを達成している。

ハイブリッドなしの純V8エンジン

まずパワートレインはPHVではなくV8ツインターボの純エンジン。ご存知のようにW型12気筒の生産を中止した現在のベントレーのフラッグシップパワートレインはV8ツインターボ+モーターのPHVだ。スーパースポーツはこのパワートレインからモーターを取り去り、さらにブーストアップなどでエンジン単体のパワーは66‌PSアップの666PSとしている。これはコンチネンタルGT最強グレード「スピード」のシステム782PSよりも小さいが、モーターやバッテリーのないスーパースポーツの重量はコンチネンタルGTスピードより約460kgも軽い1995kgなので、運動性能は相当に高まっているはずだ。

そして、このパワーを後輪のみで駆動するFRであることもスーパースポーツの特徴だ。VWグループの傘下に入って以来、ベントレーは基本的にAWDを採用しているが、スーパースポーツは盤石なスタビリティよりもスロットルによる姿勢変化を楽しめることを重視。666PSのパワーは強化された8速ATを介して後輪に伝えられるが、変速プログラムも独自の設定となっている。

専用のエアロダイナミクスを装備、室内は2シーター

エクステリアはバンパーが専用デザインとなり、カーボン製のエアロパーツが加わる。さらにマンタイ・レーシングと共同開発したホイールやアクラポヴィッチ製のマフラーが装着されるなど、エレガントさの中にワイルドな雰囲気が加わる。室内はリヤシートが省かれて2シーターとなるなどの軽量化が施されている。

ベントレーは、フリースタイル・モトクロスやラリーで活躍するトラヴィス・パストラーナ選手がこの最新スーパースポーツをドライブし、クルーの本社敷地内をドリフトしながら疾走する動画を公開しているが、この撮影で使用された「パストラーナ仕様」のスーパースポーツがコーンズ大阪の手によって日本に上陸を果たした。

フロントグリルにパストラーナ選手のゼッケンである199が描かれたこの個体は、派手なカラーリング以外は500台限定で販売されるスーパースポーツと同じだが、唯一の違いはステアリングの右側に大型グリップを備えた手動式サイドブレーキが備わること。これは引いた瞬間に駆動がOFFとなり、戻したらすぐに駆動がつながるようになっており、ドリフトのきっかけが作りやすくなっている。

田野選手が圧巻のドリフトを披露

大阪のクローズドスペースで、D1ドライバーの田野結希選手が披露してくれたスーパースポーツの走りは、さすがの迫力だ。アクラポヴィッチのマフラーから重低音を響かせながら加速、ステアリングとサイドブレーキ、そしてスロットルでドリフトの姿勢を作った後は、カウンターを当てっぱなしで直線路を100mほど疾走、さらにドーナツターンに入ってタイヤスモークを巻き上げる。一連の動きが流れるようにスムーズなのは田野選手のテクニックだけでなく、スーパースポーツの優れた操縦性もあるのは間違いない。

クルマを降りた田野選手は「とてもパワーがあるので、走りやすいですね。下からしっかりとパワーとトルクが出ているので、ドリフトのきっかけも作りやすいし、維持するのも楽でした」と語ってくれた。

脈々と流れるベントレー・ボーイズの血

この車両はトラヴィス・パストラーナ選手のために作られた車両で、オリジナルのカラーリングが施されている。専用のエアロパーツなどは市販版と同様だ。
カラーリング以外の専用のエアロパーツなどは、市販版と同様だ。

ル・マンで活躍したベントレーボーイズは良家の子息たちだったが、決して品行方正なおぼっちゃまというわけではなく、少しやんちゃな面もあった。そして、そういう人間的な部分がまた人気を集めた理由であったらしい。世界最高峰の高級車であり、優雅でジェントルな走りが真骨頂でありながら、その気になれば過激なドリフトもこなす。約100年前のベントレーボーイズの血は、現代のスーパースポーツの中にも脈々と流れているというわけだ。

車名にコンチネンタルGTは付かず「ベントレー・スーパースポーツ」となる。世界500台限定で、日本にも何台か導入される予定だという。
車名にコンチネンタルGTは付かず「ベントレー・スーパースポーツ」となる。世界500台限定で、日本にも何台か導入される予定だという。

REPORT/永田元輔(Gensuke NAGATA)
PHOTO/篠原晃一(Koichi SHINOHARA)
MAGAZINE/GENROQ 2026年8月号

SPECIFICATIONS

ベントレー・スーパースポーツ


ボディサイズ:全長4989 全幅2187(ミラー含む) 全高1391mm
ホイールベース:2852mm
車両重量:1995kg
エンジン:V型8気筒DOHCツインターボ
総排気量:3996cc
最高出力:490kW(666PS)/──rpm
最大トルク:800Nm(81.6kgm)/──rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:RWD
サスペンション形式:前ダブルウィッシュボーン 後マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク(カーボンセラミック)
タイヤサイズ 前275/35ZR22 後315/30ZR22
最高速度:310km/h
0-100km/h加速:3.6秒

【問い合わせ】
ベントレーコール
TEL 0120-97-7797
https://www.bentleymotors.jp/

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